動画字幕作成サービス比較

動画コンテンツの需要が急速に高まる現代において、正確で見やすい字幕は、コンテンツのリーチ拡大とアクセシビリティ向上に不可欠な要素となっています。しかし、「字幕」と一口に言っても、その種類、ファイル形式、提供業者ごとの特徴や料金体系は多岐にわたり、最適なサービス選びは容易ではありません。

本記事では、動画コンテンツを最大限に活用するために、字幕の種類と特徴、主要なファイル形式を解説するとともに、目的別におすすめの字幕作成サービスを比較します。

字幕の種類と特徴

字幕は、その表示方法や目的によっていくつかの種類に分類されます。

それぞれの特徴を理解することで、動画コンテンツの目的に最適な字幕を選択することが可能になります。以下に代表的な字幕の種類を解説します。

クローズドキャプション (Closed Captions)

クローズドキャプションは、主に聴覚障害者や難聴者向けに作成される字幕です。

音声情報だけでなく、効果音、音楽、環境音などの情報も文字で表示することで、音声が聞こえない状況でも映像の内容を理解できるように配慮されています。

YouTubeなどの動画配信プラットフォームでは、「CC」ボタンで表示・非表示を切り替えることができます。

オープンキャプション (Open Captions)

オープンキャプションは、映像に直接焼き付けられた字幕で、視聴者による表示・非表示の切り替えはできません。映画、海外ドラマ、ミュージックビデオなどでよく見られる形式です。

常に字幕を表示させたい場合や、視聴環境に依存せずに字幕を提供したい場合に適しています。

しかし、映像と一体化しているため、後から字幕の修正や削除を行うには、元の動画ファイルを編集し直す必要があります。

バリアフリー字幕

バリアフリー字幕は、高齢者や視覚・聴覚に障害のある方を含む、すべての人が映像コンテンツを快適に楽しめるように配慮された字幕です。

音声情報の文字起こしに加え、話者の識別(例:「男性の声」「女性の声」)、効果音の説明(例:「ドアの閉まる音」)、環境音の説明(例:「雨の音」)など、より詳細な情報を提供することで、音声が聞き取りにくい状況でも映像の内容を正確に伝える役割を果たします。

文字の大きさ、色、フォント、表示速度、配置など、柔軟なカスタマイズが可能です。字幕の形式としては、映像に直接埋め込まれ常に表示される「テロップ」と、視聴者が必要に応じて表示・非表示を切り替えられる「字幕ファイル」の2種類があります。動画の目的やターゲットに応じて適切に選択する必要があります。

テロップと字幕の違い

テロップと字幕は、どちらも映像に文字情報を追加するものですが、役割や使用される場面、表示のされ方などに違いがあります。混同しやすいので注意しましょう。

テロップ字幕
役割補足、強調、演出音声情報の文字化、情報保障
デザイン性高い低い(可読性重視)
音声との一致必ずしも一致しないほぼ一致
表示位置自由比較的固定(画面下部中央など)
表示の動きある場合が多い基本的になし

テロップは映像の内容を補足・強調したり、演出効果を高めたりするために使われ、字幕は主に音声情報を文字化して情報保障のために使われます。

テロップはデザイン性が高く、表示位置やタイミングが自由であります。バラエティ番組で出演者の発言に対して装飾したものとするとわかりやすいでしょう。

字幕は可読性が高く、音声とほぼ一致し、表示位置が比較的固定されています。映画で登場人物のセリフを表示しているのは字幕です。また、Youtubeで字幕表示を切り替えたりする経験はありませんか?これらも字幕に分類します。

字幕ファイル形式

前項ではテロップと字幕について説明しましたが、字幕情報はさまざまなファイル形式で作成・保存され、それぞれに異なる特徴や用途があります。

形式ごとに得意分野が異なるため、動画の内容や配信先に応じて最適な形式を選びましょう。以下の3つが、おもな字幕ファイル形式です。

SRT (SubRip Subtitle)

SRT形式は、最も広く普及している字幕ファイル形式の一つです。

字幕の表示開始時間、表示終了時間、字幕テキストをシンプルなテキスト形式で記述します。テキストエディタで編集可能で、ほとんどの動画編集ソフトウェアや動画配信サービスでサポートされています。汎用性が高く、多くの場面で利用されています。

srtは字幕ファイルとして非常にシンプルで簡単に活用できます。Youtube動画の字幕表示にも使われています。詳しくは以下の記事が参考になります。

VTT (WebVTT)

VTT形式は、SRT形式をベースにWeb動画向けに拡張された字幕ファイル形式です。HTML5の<video>要素と組み合わせて使用されることが多く、タイムコードに加えて、文字装飾(例:太字、斜体)、改行、スタイルの指定などが可能なため、Web動画配信における字幕の表現力を高めることができます。

SSA/ASS (SubStation Alpha/Advanced SubStation Alpha)

SSA/ASS形式は、高度な字幕表現を可能にするファイル形式です。文字サイズ、色、フォント、位置の調整に加え、アニメーション効果やカラオケ字幕など、複雑な視覚効果を字幕に適用することができます。高度な編集技術を要するため、アニメーション作品やミュージックビデオなど、視覚的な表現にこだわる映像作品に適しています。

目的別 おすすめ字幕作成サービス比較

字幕作成を専門に手掛ける業者は数多くありますが、それぞれサービスの特徴や対応範囲は異なります。企業PRや教育動画、バリアフリー字幕、外国語翻訳など、作成する字幕の目的に合った業者を選びましょう。

幅広い用途に対応できる字幕ファイル(SRT)作成サービス

WITH TEAM文字起こし

WITH TEAM文字起こしの動画字幕作成サービスは、文字起こしされたテキストデータを元に字幕を作成します。会議議事録、インタビュー記事作成、動画コンテンツなど、幅広い用途に対応し、正確で使いやすい字幕データを提供します。動画ファイルからのsrt字幕ファイル作成も可能です。

強み・高精度な文字起こし
・料金が安く大量発注にも対応
・Youtube動画にも対応
料金・250円/分
※通常の文字起こし料金(120円~/分)に加え、SRT作成代が加算
例:けばとり(ライトプラン)60分+SRT形式納品=22,200円
納期・通常の文字起こし納期+3〜4営業日
例:60分ライトプラン+SRT=約4〜6営業日
対応ファイル形式・SRT
※多言語対応は要問い合わせ

「音声・動画データ」から「字幕ファイル(SRT)」の作成

文字起こし~字幕ファイル作成まで一括
長時間の音源や動画データにも対応
高精度・低価格

コエラボ

コエラボは、文字起こし・テープ起こしを強みとしており、その技術を活かした字幕制作サービスを提供しています。文字起こしデータをベースに、視聴者にとって読みやすい字幕に調整を行うため、幅広い用途に対応可能です。

強み・文字起こしからの字幕制作
・読みやすさへの配慮
・豊富な対応ファイル形式
料金・ 1,100円/分
納期・30分以内:9営業日
・1時間:12営業日
・2時間:18営業日
・3時間:24営業日
対応ファイル形式・ SRT、VTT、CAP、AAF、SDB、NAB、ARIB

多言語対応・複雑な字幕制作が可能なサービス

東京反訳

東京反訳は、読みやすさを追求した高品質な字幕制作を強みとしています。0.01秒単位の緻密なタイミング調整や、文脈を考慮した適切な改行など、細部にまでこだわった字幕制作を行っています。VTTファイル形式にも対応しているので、字幕のデザインにこだわりがある場合は、最も安心できる選択肢の1つでしょう。

多言語対応も強みであり、アジア圏、欧米圏、中東・アフリカ圏など、幅広い言語に対応しています。動画制作の初期段階からのヒアリングを行い、納期や仕様についても柔軟な提案が可能です。

強み・ 高品質な字幕制作
・多言語対応
・柔軟な対応
料金・ 基本料金 6,000円(30分以内)、字幕制作料金(同言語)1,100円/分、(別言語)1,300円/分、テロップ挿入 2,800円/箇所
納期・30分以内:5営業日
・31〜60分:10営業日
対応ファイル形式・  SRT、VTT、CAP(要問い合わせ)

クリムゾン・ジャパン

クリムゾン・ジャパンは、50以上の言語に対応した高精度な字幕翻訳・制作サービスの会社です。字幕制作ではテープ起こしから翻訳、字幕化までを一貫して手がけ、動画の台本や原稿がない場合でも音声情報を書き起こして対応してくれます。

料金は、1分あたり日本語と英語間で1,575円、英語と中国語、韓国語間で1,710円からです。対応可能なファイル形式は、WAV、WMA、MP3、MP4などの主要な音声・動画形式に加え、YouTubeリンクにも対応しています。

強み・多言語対応、翻訳から字幕制作までの一貫対応
料金・1分あたり日本語と英語間で1,575円
・英語と中国語、韓国語間で1,710円から
納期・お問い合わせ
対応ファイル形式・WAV、WMA、MP3、MP4など

株式会社JKLink

株式会社JKLinkは、映像翻訳と字幕制作の専門業者です。ドラマやバラエティ、映画、音楽番組、ドキュメンタリーなど幅広いジャンルに対応しています。企業案内やYouTube動画などビジネス向け映像にも対応可能です。

対応言語は日本語、英語、韓国語、中国語となっており、ネイティブスピーカーによるチェックを含む徹底した品質管理で高精度の字幕を提供しています。

強み・映像翻訳と字幕制作の専門性
・高品質、多言語対応(日本語、英語、韓国語、中国語)
料金・1分あたり1,200円から4,000円(税抜)
納期・60分あたり1週間
対応ファイル形式・SRT、CAP、NAB、ARIB、SDBなど

YouTube動画向けの字幕制作を提供しているサービス

株式会社pamxy

株式会社pamxyは、法人向けにYouTube運用代行を行う会社で、YouTube動画への翻訳字幕サービスを提供しています。グローバルな展開を目指す企業やYouTuber向けのシンプルなサービスが特徴です。

強み・YouTube動画に特化
・シンプルなサービス
料金・お問い合わせ
納期・お問い合わせ
対応ファイル形式

スピーディーな納品とリーズナブルな料金を求める場合

字幕テロップセンター

「字幕テロップセンター」は株式会社リンクイットが運営する字幕やテロップの編集の専門サービスです。迅速な納期とリーズナブルな料金が特徴で、企業や学校を中心に年5,000件以上の受注実績があります。

対応言語は日本語と英語の2言語です。データ入稿方法は、専用のデータアップロードシステムや外部送信サービス、USBメモリーなどから選べ、納品方法もダウンロードURLや物理メディアから選べます。

強み・テロップ編集の専門サービス
料金・基本料金2,970円に加え、挿入テロップ数に応じる
納期・お問い合わせ
対応ファイル形式・お問い合わせ

モジスキー

「モジスキー」は、MTIジャパン株式会社が運営する字幕やテロップの挿入サービスです。PR動画やオンライン授業、語学学習コンテンツなど、幅広い用途に対応しています。字幕は、話者の発話内容を文字起こしして挿入し、テロップは、タイトルや人名などに装飾を加えて挿入可能です。

料金は、字幕挿入が基本3,000円(税込、話者1名の場合)、テロップは1枚1,000円(税込)からです。文字起こしや特殊デザイン、話者ごとのカラー分けなどは追加料金が発生します。BGMの挿入や画質・音量の調整にも対応可能ですが、別途見積りとなります。

強み・テロップ編集の専門サービス
・BGMの挿入や画質・音量の調整にも対応可能
料金・字幕挿入が基本3,000円(税込、話者1名の場合)、テロップは1枚1,000円(税込)からです。文字起こしや特殊デザイン、話者ごとのカラー分けなどは追加料金が発生します。
納期・基本5営業、動画時間が30分を超える場合は要相談
対応ファイル形式

【PR】WITH TEAM 文字起こしの動画字幕ファイル作成サービス

最後に、「WITH TEAM 文字起こし」の動画字幕ファイル作成サービスについて紹介します。文字起こしのデータをもとに、Youtubeなどの字幕ファイルに活用できる字幕ファイル(SRT)形式で納品します。

動画字幕ファイル作成サービスの活用方法

・文字起こしのデータを活用して、Youtube動画などの販促動画用に字幕を活用したい場合はご利用ください。高精度な文字起こしデータを活用して、字幕ファイルを作成するので、誤字や専門用語など正確な字幕ファイルで納品可能です。

・既にYoutubeで公開している動画に字幕を作成したい場合にもご利用いただけます。動画データを頂ければ、srtファイルで納品いたします。

「費用を抑えたい」「正確な字幕が欲しい」「自動字幕より正確な字幕が欲しい」という方は是非ご利用ください。依頼方法や料金など、詳しくは以下のページをご覧ください。