「文字起こし」とは、音声や動画などの音声をテキストデータにする作業のことです。インタビュー、Web掲載コンテンツ、裁判証拠用の録音、会議の議事録、動画の字幕作成など、さまざまな場面で活用されています。

文字起こしは、「けばとり」、「素起こし」、「整文」といった3種類があります。それぞれ仕上がりの精度や用途が異なります。

そのため、まずは自分が欲しい文字起こし原稿の種類はどれなのか、決める必要があります。この記事では、【ケバ取り・素起こし・整文】の違いと用途に合った選択方法を紹介します。

※文字起こしは「書き起こし」や「音声起こし」、「テープ起こし」、「反訳」などとも言いますが、どれも同じ意味です。
「文字起こし」と「反訳」と「書き起こし」の違いとは?意味や読み方について説明!

なぜ文字起こしには種類があるの? 話し言葉と書き言葉の違いに着目!

私たちの日常会話は、文法的に正しい話し方ができているとは限りません。言い淀みや言い間違いは誰にもありますし、「あのー」や「えーと」などの意味のない言葉も頻繁に挟まります。

また、話しながら文章の構成を考えることもあるため、言葉の順番が入れ替わることも珍しくありません。

このような話し言葉は、耳で聞くだけならそのような部分も特に気になりませんが、そのまま文章化すると不自然さが目立ちます。

・「えーっと、その件についてはですね、えー、先日の会議で…」
・「あのー、ちょっと話が前後しますが、あの件って、どうなりましたっけ?」
といった表現は、話し言葉としては自然ですが、文字起こしされた文章としては冗長で読みづらい印象を与えます。

このような話し言葉の不自然さをどこまで修正するかが、「文字起こしの種類」によって異なります。

例えば、雑誌やWebサイトのインタビュー記事では、読みやすさを重視して、言い淀みや言い間違いなどを修正することが一般的です。一方、裁判記録などでは、発言内容を一言一句正確に記録する必要があるため、話し言葉の特徴をそのまま残した文字起こしが行われます。

このように、文字起こしには、用途や目的に合わせて修正度合いを変えることで、最適なアウトプットを提供できるという特徴があります。

次の章では、具体的な文字起こしの種類と、それぞれの特徴について詳しく解説していきます。

「素起こし」 は会話内容を正確に書き起こす

素起こしとは、話された内容を一言一句正確に文字に起こす方法です。

「あのー」や「えーと」などの意味のない言葉や、言い淀み、言い間違いもすべてそのまま文章化します。そのため、素起こしされた文章は読みにくく、要点を伝えるには向いていません。

しかし、素起こしの文章には「その場の雰囲気を正確に再現するのに役立つ」というメリットがあります。

「えーと」という言葉が挟まることで、話をしている人が言葉に詰まっているということが分かったり、言い淀んでいる場面があると、会話に窮しているということが分かることもあります。

こうした素起こしの特性を生かした具体的な用途としては、裁判の証拠やカウンセリングなどがあります。内容の理解のしやすさよりも会話の正確性や話し手の心情が重要な場面では「素起こし」が向いています。

このように、会話の雰囲気を正確に再現したい時に採用されるのが「素起こし」という手法なのです。

「素起こし」の主な利用用途

  • 証拠書類
  • 会話分析
  • 言語研究
  • カウンセリング 等

「ケバ取り」「素起こし」「簡易整文」の例文・おすすめの利用シーンはこちら

「ケバ取り」 で無駄を省いて読みやすい文章に

「ケバ取り」とは、音声中の不要な部分をカットして文字起こしをする方法です。

「えー」「あのー」といった言い淀みや、「えっと」といった言葉の繰り返しなど、意味を持たない言葉を削除します。

我々が話をする時には、自分でも意識しないほどケバとなる言葉を多く使っています。こうしたケバは会話ではそれほど気になりませんが、文字にすると会話を妨げてしまい読みにくくなります。

そのため、インタビューや対談、Webコンテンツ、会議の議事録などでは、内容を理解し易くするために、「ケバ取り」という書き起こしの方法がよく用いられます。

また、動画字幕などでも、ケバでスペースが埋まり画面が見づらくなってしまうのを回避するため「ケバ取り」が選ばれます。

書き起こした文章を見ている人も、無駄な言葉が減りますので、読むスピードが上がるというメリットもあります。

「ケバ取り」の主な利用用途

  • インタビュー
  • 講習会
  • 討論会
  • 座談会
  • 会議 等

「ケバ」…木材を鋸でカットした時や、プラスチックの成型をした時、角にできる「ささくれ」のようなもの。

「ケバ取り」「素起こし」「簡易整文」の例文・おすすめの利用シーンはこちら

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「整文」 で文章の要点をわかりやすく

整文とは、ケバ取りしたものをさらに読みやすく整える方法です。

ケバ取りでは、意味のない言葉を省くだけで、単語の順序や助詞の欠如、ら抜き言葉などはそのまま文字にします。また、話の重複なども修正せずに文章化しますので、 余計な言葉は削られているとはいえ、 まだまだ読みやすいとは言い切れません。

そこで、文章としても正確に分かりやすく通じるように整えるのが「整文」という仕上げ方です。

いくつか例を挙げると、

  • 「いろんなとこに行ったけど」→「いろいろなところへ行ったけれど」
  • 「駅に行ったんですよ私、昨日」→「昨日、私は駅に行ったんですよ」

というように、文章化しても自然に読めるよう修正します。つまり、話し言葉から書き言葉へと、より正確な文体へ修正するのが「整文」です。

資料や印刷物など読みやすさを重視する媒体、そして文章としての正確さが求められるシーンに選ばれる文字起こしの方法です。

さらに、整文の中でも、より厳密に文法を考慮して修正するものと、「簡易整文」とも言われる、ある程度分かりやすく文章を修正して、読みやすさを重視したものとがあります。

「整文」の主な利用用途

  • 資料作成
  • WEBサイト掲載用の文章
  • 会報などの印刷物 等

「ケバ取り」「素起こし」「簡易整文」の例文・おすすめの利用シーンはこちら

文字起こしの種類による料金の違いとは?

文字起こしの料金は、「素起こし」「ケバ取り」「整文」のどれを選択するかで変わってきます。

一般的に一番単価が高くなるのが「整文」、それに続いて「素起こし」、そして「ケバ取り」という順になります。

どうしてケバ取りより素起こしの方が金額が高いの?

「聞いたものをただ書き起こすだけなのに、どうしてケバ取りより素起こしの方が金額が高いの?」というのは、よく耳にする疑問です。

聞いたものをそのまま書き起こす素起こしの方が、修正が必要なケバ取りより簡単だと思われますが、会話を完璧に再現して文字起こしするというのは、予想を超えて高度な作業なのです。

特に「えーと」などの何気なく発している言葉、言い淀んでいる部分はかなり聞き取りづらく、正確に文字起こしするのは相当難しい場合があります。

このように、けばとりでは削除してしまう文言を省かず、正確に書き起こす素起こしの方が時間がかかると共に、作業の慣れや効率の良さなどの技術力も求められるのです。

文字起こしサービスの料金表はこちら。WEB上で簡易見積も可能。

目的と内容に合った文字起こし方法で依頼をしよう !

改めて文字起こしとは、会議やインタビュー、動画などの音声を文字にして文章化するという作業のことです。仕上がりの用途によって、「素起こし」「ケバ取り」「整文」から適切な文字起こし方法を選択する必要があります。

素起こしは、細かな言葉や言い淀みなども含め、会話を完全に再現する仕上がりです。ケバ取りは、そのうち「えーと」などの内容に関係のない言葉をカットする仕上がりです。そして、書き言葉として文法的にも正確で分かりやすい内容にするのが整文です。

それぞれの仕上がりで単価も違いますので、どの種類を依頼するかを事前に決めておく必要があります。

会話の雰囲気を確認したいのか、必要な情報だけを読めれば十分なのか等、文章化する目的に応じて作業内容を決め、書き起こした文章を効率的に活用できるようにしましょう。

ここで適切な種類の書き起こしの依頼をしないと、その後の自分の作業に支障が出てしまうこともあります。

「自分の音声はどの起こし方が適切なのか?」と悩んだ場合は、文字起こし業者に用途と合わせて問い合わせをしてみるといいでしょう。

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