インタビュー記事は、企業の広報活動や採用活動、サービスアピールなどにおいて、非常に重要な役割があります。しかし、取材した内容をどうまとめれば読んでくれる記事になるのか分からず、悩む方も多いのではないでしょうか。

この記事では、「読まれる」インタビュー記事を書くためのポイントや、書き方、まとめ方をご紹介します。

インタビューを記事にするには「文字起こし」が必要

インタビューを記事にするためには、録音(録画)データをテキストデータに変換する必要があります。これを「文字起こし」といいます。

文字起こしの方法は、以下の3種類があります。

  • 1.自分で行う
  • 2.外注依頼する
  • 3.AIツールを使う

自分で行う方法は費用がかかりませんが、時間と手間がかかるため注意が必要です。一般的に音声時間の4倍以上はかかるといわれています。

外注依頼の場合は、一般的に「音声時間×納期」の料金がかかります。料金体系は、1分間○○円~となっていることが多いです。

AIツールも同様に有料のものは費用がかかります。一般的には、分数/月が決められており定期的に長い時間の文字起こしが必要な場合は、より高額なプランに登録する必要があります。無料、有料に関わらずAIでの文字起こしは誤植が存在するため必ず確認する必要があります。

記事の構成を3つのパターンから考える

インタビュー記事を書くときは、あらかじめ記事構成を考えておきます。インタビュー内容に適した構成でまとめると、読みやすい記事となります。

具体的には以下の「3つの構成パターン」があります。

  • 「時系列構成」
  • 「物語風構成」
  • 「Q&A形式」

それぞれ特徴やメリット・デメリットがあるので、主要ターゲットや記事の目的によって使い分けをすることが重要です。

それでは詳しく解説します。

(1)時系列構成

「時系列構成」は、インタビューの流れに沿って記事を作成する形式です。インタビューの始まりから終わりまでを時系列で追っていくため、ストーリー性を持たせやすいのが特徴で読者は自然な流れで読み進めることができます。

例えば、起業家やアーティストの成功物語などのインタビューを記事にする場合に適しています。

(2)物語風構成

インタビューして得た情報を、物語のようにまとめる構成方法が「物語風構成」です。「ルポルタージュ形式」と紹介されることもあります。

構成は起承転結でまとめられることが多く、読者が読み物として楽しめるかどうかが仕上がりのポイントになってきます。

(3)Q&A構成

「Q&A構成」はいわゆる一問一答で、インタビュアーの質問とインタビュイーの回答を並べて掲載していく構成です。インタビュイーの回答者の言葉が直接掲載されますので、臨場感を伝えやすいのが特徴です。

また、質問がそのまま見出しになっていることが多いため、読者が知りたい情報をピンポイントで探しやすいのもQ&A形式のメリットです。

読みやすい記事を書くために文章を整文する

インタビューの原稿は、話し言葉の特徴である「口語表現」や「指示語の多用」などが含まれることが多く、そのまま文字起こしすると読みにくい文章になってしまうことがあります。

読みやすい記事にするためには、以下の基本を押さえた「整文」を行うことが重要です。

(1)主述でねじれを生まない

まず、文章内で主語と述語を一致させましょう。主述が一致していない文章は「主述のねじれ」と呼ばれ、読者を混乱させてしまう文章になりかねません。

▼主述のねじれ例文
「私は今朝パンだった」

主語:私は
述語:パンだった

この文章は、主述が一致せず文章として正確に成り立っていません。このような場合は「私が今朝食べたものはパンだった」のように主語を変える。または、「私は今朝パンを食べた」などのように述語を変えると良いでしょう。

主述のねじれは日本語の特徴である「主語の省略」で発生しやすいため、「主語を省略してしまっていないか」を意識しましょう。

(2)指示語は使いすぎず、明確にする

日本語では、前の文章で出てきたものを「あの」「その」「これ」といった指示語に置き換える特徴を持っています。しかし、「この指示語が前段の何を指しているのか」の判断を読者に委ねることになり、誤読を生む可能性もあります。

(3)接続詞を正しく使う

文章の転換の際に用いる接続詞ですが、用法を押さえて使用しないと意図通りに伝わらないことがあります。

▼「AはBです。BはCです。」という2文を繋げる場合

「AはBです。そして、BはCです。」 → 「AとCの関係が近い」と読み取れる
「AはBです。しかし、BはCです。」 → 「AとCの関係は遠い」と読み取れる

順接、逆接など、接続詞はそれぞれどういった意図で文章を繋げるかが単語ごとに異なっていますので、文脈的に適切な接続詞を正しく使うことは押さえておきたいポイントです。

『読みやすい』インタビュー記事を書くためのポイント

読者が読みやすいと感じるインタビュー記事は、「すらすら読み進められる記事」です。引っかかりなく読める文章にするには、そうなるようにポイントを押さえる必要があります。

(1)専門用語や難しい言葉を分かりやすくする

「読み方がわからない単語」「知らない用語」が出てくると、読むのをやめてしまう人は多いでしょう。

インタビューの中でターゲット層に合わないような難しい単語や専門的な用語が出てきた場合は、類語に言い換えたり、注釈をつけたりしましょう。そうすることで読者は記事から離れず、情報を適切に補填しながら読み進めることができます。

ただし、注釈を入れる際は「●●(※△△のこと)」のように、出来る限り補足元のすぐ近くに情報を差し込みましょう。段落や文章の最後に「※1…△△のこと ※2…××という意味」と注釈を入れた場合、読者は大きな視線の移動やスクロールなどをしなければならないためです。

(2)質問文は簡潔にまとめる

インタビュー記事をQ&A形式で書く場合は、質問文は短くまとめて分かりやすくすることがポイントです。過剰に敬語を使っていないかという点に注意しましょう。

▼長い質問文例
『●●』という著書をお読みになって△△と思われたことを仰っていましたが、それを××に活かされたのでしょうか?

▼短くした質問文例
『●●』を読んで△△と思ったとのことですが、それを××に活かしたのでしょうか?

※敬語表現を適宜外し、「何を訊いているのか」を読んですぐに把握できる質問文へ。

また実際のインタビューでは、質問に対し回答が的を外れたものになることも珍しくありません。そういった場合は、用意した質問をそのまま使用するのではなく、回答に合わせた質問文にしましょう。

(3)「動作」を入れて親しみのある文章にする

芸能人などを相手にしたインタビュー記事の場合、読者は回答者のことを既に知っていたり、ファンである可能性が高いです。そういった記事の場合、インタビュー中の「動作」も記事に取り入れると、フランクさのある読みやすい記事になるでしょう。

発言を読みやすいよう文法的に正しく整えた文章のみだと、どうしても人柄は伝わりにくいものです。

例えば、

  • 「ラーメンがお好きなんですか?」
  • 「はい。」
  • 「ラーメンがお好きなんですか?」
  • 「はい。(何度も頷きながら)

の2パターンでは、回答者の人柄に対する印象が変わってきます。

ただし、この動作を組み込み過ぎるとくどくなってしまう可能性があるため、あくまでワンポイント程度になるよう留めましょう。また、ビジネス関連などフランクさが求められない記事もありますので、ターゲット層を意識して使用するかを判断しましょう。

(4)インタビュー相手の意図を汲む

インタビュー相手が言いたいことを伝えられる記事にするためには、相手の話したことをそのまま記事に書くだけではなく、相手の意図をしっかりと汲む必要があります。

特に対面でのインタビューを行った際、重要な情報源として扱いたいのが「相手の仕草」でしょう。

例えば、録音を聞き返して「この話をしていたとき、明るく楽しそうに身振りも多く話していた」という印象があるのであれば、文末に「!」をつけたり、体言止めで整文をしたりすると、その様子が読者にも伝わりやすくなります。

(5)「沈黙」や「言い淀み」は重要

インタビュー相手の意図を汲むという意味では、相手の「沈黙」や「言い淀み」も重要な情報として扱いましょう。

質問に対する回答でも、「はい」「……はい」と書くのでは、回答者の心情に関する情報が大きく変わってきます。

言い淀みに関しては、例えば下記のように、インタビュアーの質問をおうむ返しする回答者からの質問を挟むことで表現できます。

  • Q:地元野菜を使った料理が好きとのことですが、海鮮料理はどうですか?
  • A:え、海鮮料理ですか?
  • Q:はい。海鮮料理についても教えてください。
  • A:海鮮料理では……

やり取りのスムーズさを意識するなら、真ん中のやりとりはカットしてすぐに「海鮮料理では……」としても問題ありません。

しかし、あえて入れることでインタビュイーがスマートに回答できなかった様子を見せることができます。

このように、沈黙や言い淀みも記事の内容によっては重要な情報になる点を押さえておきましょう。

(6)安易な言い換えに注意が必要

読みやすい記事にするために難しい言葉は分かりやすくしようとご紹介しましたが、インタビュー相手がこだわりをもってその単語を使用している場合もあります。

会話の中でそう判断できた場合は、安易な言い換えはすべきではありません。

例えば、市長に対するインタビューであまり聞き馴染みのない四字熟語が使われたとします。

同義語の広く知られた慣用句が他にある際、そちらに置き換えた方がいいのでは、と思うかもしれません。

しかし、その四字熟語が姉妹都市を結んでいる外国の都市で生まれた四字熟語で、市政を語る場であえて使用しているとしたら?

別の言葉には言い換えずにそのまま使用した方が、市長の意図を汲んだ記事になるでしょう。

突飛な例ですが、様々な分野の専門性に関するインタビューであれば、「こだわりを持ってこの単語を選んでいる」という人は珍しくありません。

「分かりやすさ」を重視するのも大事ですが、インタビュー相手があえて使用したと思われる単語については、「読みやすさ」と「言いたいこと」のバランスを考え、言い換えをするか慎重に検討しましょう。

【最後に】記事は記憶が新しいうちに書こう!

読まれるインタビュー記事にするためには、インタビューを行ったときの相手の様子をなるべく組み込んだ記事にすることが重要です。そのため、記憶が新しいうちに記事の作成に取り掛かることが重要になります。

そのため、文字起こしにかかる時間はなるべく短縮しましょう。文字起こし業者やAIツールの活用などを検討して記事執筆に時間を割くことが最大のポイントとなります。

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