
「インタビューや会議の内容を文書として残しておく」「動画の字幕を付けるなどの目的で文字起こしをする」などの場合、正確にすべての言葉を文字にしたいですよね。
でも、レコーディングされている元の音源が聞き取りづらかったり、
音飛びしたりして、なかなか綺麗に録音出来ないことも少なくないかと思います。
こうなると、その部分を空白にせざるを得なくなり、文字起こしの内容が薄くなってしまいがちです。
こうした事態を避けるためには、会話を録音する時にいくつかのコツを押さえておくことが大事になってきます。
録音のコツを覚えておくと、自分で文字起こしをするのが楽になりますし、業者に依頼する場合も雑音が少ないということで、料金を安くしてもらえることもありますよ。
では、具体的にどんな方法で録音したら良いのかをチェックしてみましょう。
できるだけクリアに録音する
文字起こしをする側から見て、質の高い音源というのはクリアに収録されている音声のことを指します。
理想は、一人一人の声が重なることなくはっきりと入っていて、雑音がなく会話を邪魔するような要素が全くないものです。
もちろん、インタビューや字幕を入れたい音源などは、レコーディングスタジオの中で、マイクを前にして録音するわけにはいきませんから、100%理想的な音源など作れません。
しかし、いくつかのポイントを意識し、収録の前の準備をしっかりとすれば、ぐっと質の高い録音ができますよ。
①良い録音機を選ぼう
音質のクリアさは、録音する機材によってかなりの程度変わってきます。
会話の録音はいろいろなもので行うことできて、一番身近なものとしてはスマホがあります。
確かに、特別に録音するための機材を買わなくて済みますし、音質もそう悪くはありません。
しかし、やはり文字起こしをするという目的で録音するのであれば、ICレコーダーを使うのがベストです。
スマホはいろいろな音を同時に拾って、その場の雰囲気を再現するのに適していますが、ICレコーダーは人の声を録音することに特化して作られています。
それだけ会話をクリアに拾えますし、指向性のあるマイクを搭載していますので、周囲の雑音をあまり拾わずに人の声をより強調してくれるのです。
また、録音を効率よく行い、パソコンへの転送も簡単に行える便利な機能が付いているのもメリットです。
たくさんのICレコーダーが販売されていますので、具体的にどのように機種を選んだら良いかは、こちらをご参考くださいね。
★オススメ記事: 文字起こし会社が選ぶ、インタビュー録音におすすめなICボイスレコーダー10選!
②マイクを使うとクリアさが全く違う
マイクを使うと、その前で話している人にフォーカスして録音することができます。
また、録音されるボリューム自体も上がりますので、より聞き取りやすくなるというメリットがあります。
そのため、小型のものでも構わないので、インタビューをする時、動画を撮る時には話す人の前にマイクを置くようにしましょう。
最近はリモートワークが普及していて、テレビ会議をするためにパソコンに接続できるマイクを購入した人も多くいます。
文字起こし録音のための専用マイクを新たに購入するのが難しいというのであれば、こうしたマイクを流用するのでも十分効果があります。
ICレコーダーにもマイクを接続できる端子が付いている機種が多いので、もし接続できるのであれば、マイクを使って録音するとより音質がクリアになります。
③事前にきちんと録音できているかチェック
適した機材を使うことも大事ですが、事前の準備も大事です。
会議にしても動画撮影にしても、本番を始める前に綺麗な音声が記録されているかを、一度テストしてみましょう。
その際には、できるだけ本番に近い状況で行うことがポイントです。
もし、一対一のインタビューを録音するのであれば、聴く側と話す側の両方の位置に座って、それぞれの声がどのように聞こえているかをテストするとより安心です。
また、会議の場合は、遠くの席にいる人の声が小さくなってしまう傾向がありますので、その場合に録音機器を移動させた方が良いかなどを確認するのも、聞き取りやすい音入れをするコツです。
④どこで録音するかを検討する
準備の一つのポイントとして、レコーディングをする場所を選定することも重要です。
インタビューをする場合などは、室内で録音することが多いですね。
その際には、レストランや喫茶店などはできるだけ避けた方が良いでしょう。
というのも、こうした場所では周りの人の会話が入り込んできやすく、話者の音声にかぶさってしまうからです。
動物の鳴き声や風の音などの雑音の中でも、関係のない人の声というのは、文字起こしをする時に最も邪魔になってしまう音です。
文字に起こすべき人の声なのか、それとも記載する必要のない雑音なのかの判別が付きづらいからです。
対談をする場合など、喫茶店というのは定番とも言える場所ではありますが、文字起こし用の録音という観点からはなかなかオススメできないのです。
ただ、どうしても喫茶店でないとインタビュー等が出来ない場合は、店員さんに話してなるべく人通りの少ない、静かな席を選びましょう。
室外で録音する場合は、雑音ができるだけ入らないところというのが原則です。
特に車の騒音が入りやすい場所だと、会話にかぶさってしまい聞き取りが大変難しくなります。
風切り音も文字起こしの大敵です。
風がマイク部分に直接当たると、会話が全く聞き取れなくなってしまうこともありますので、風が当たらない場所を選んだり、マイクに風がぶつからないようにしましょう。
⑤レコーダーの置き場所にもこだわりを
レコーダーをどこに置くのかというのも注意したいポイントですね。
基本は、話者にできるだけ近い位置にして、雑音が入らず話者の口との間に障害物がない状態にすること良いです。
そのためにも、扇風機やエアコンの風が直接当たるところは避け、風や機械そのものの音が入らないようにします。
そして、意外にやってしまいがちなのが、パソコンのすぐそばに置くということです。
パソコンが熱を持つとファンが回転し始め、その音が雑音となってしまい、綺麗な音が録れなくなってしまうので、たとえ自分の耳には聞こえないくらいの音でも注意する必要があります。
また、ポケットやカバンの中に入れたままでは録音せず、レコーダーを表に出して録音しましょう。
特別の事情があって録音しているのを知られたくないというケースもあるかもしれませんが、それではクリアな音声は拾いにくいということは覚えておいた方が良いです。
机の上にレコーダーを置く場合の簡単なコツとしては、機器の下にハンカチなどの布を敷くといいですよ。
こうすると、机の振動が雑音となって入ることがなく、綺麗に会話だけが収録されます。
意外と机の振動というのは大きな音量で録音されてしまい、スマホを置く音や指で叩く音などが、会話を邪魔してしまうこともあるのです。
⑥置く距離を調整する
・2人で話す場合
インタビューのように2人で話す場合であれば、向かい合って座ることが多いですね。
こうしたケースでは、録音機を両者の真ん中、もしくはメインとなるインタビューを受ける側の話者に近づけて置きます。
・3、4人で話す場合
3、4人で話している場合は、できる限りそれぞれの人から均等の位置にレコーダーがあるように置きます。
そのためにも、参加者の立ち位置をあらかじめ決めておくと良いでしょう。
理想的なのは、レコーダーを中心として円陣を組むようにして、周りに参加者がいることです。
・大人数で話す場合
会議のように大人数になる場合は、どうしても参加者同士の距離が遠くなってしまうので、工夫が必要になります。
マイクを複数接続したり、話者の位置に応じて録音機を近くに持って行ったりするなどの調整ができればベストです。
もし難しいようであれば、ホワイトボードや司会進行役の人の方に顔を向いて話してもらうように参加者に促し、その正面に録音機を置きます。
大事なのは、レコーダーの指向性を理解して、常に話者の口元にマイクが向いているようにすること、そしてその距離をできるだけ縮めることです。
話し方にも気を付けよう!
録音をする側だけでなく、話す人にも注意を促すことで、かなり音入れの質を向上させることができます。
ここで取り上げているコツは、相手にとって理解しやすい話をしたり、プレゼンのスキルを伸ばしたりするためにも役立つことですので、参加者の間で共有してみてください。
実際に収録を始めるに当たってお願いしたいこととして、事前に軽く説明するのも良いかもしれませんね。
①丁寧にハキハキと
一気に長い文をまくしたてるのではなく、一文ごとに丁寧に話すことで、口を大きく開いてハキハキとして口調で喋ってもらえるようにしましょう。
ついつい早く話してしまう傾向があるのであれば、句読点の休止を少し長めに取ると良いです。
それだけでもずっと明朗な話し方になりますし、心理的にも丁寧に話すように自然と意識できるようになりますよ。
②声の大きさ
ボリュームの小さい声というのは、文字起こしを難しくさせる大きな障害です。
がなり立てる必要はありませんが、できるだけ大きな声で話しましょう。
特にレコーダーと距離がある人は、声のボリュームには注意が必要ですよ。
また、普段から小声で話す人に対しては、隣の部屋にいる人に話すような気持ちで、もしくは遠くに話しかけるボリュームで話してみて、とアドバイスしてあげるのもおすすめです。
③話すスピード
ゆっくりと話すのは、相手にとって聞き取りやすく、文字起こしがしやすくなる大事なポイントです。
あまりに早く話すようであれば、その部分をゆっくり繰り返してもらって、分かりやすい録音となるようにしましょう。
会議などでは、一人が早く話し始めると、その勢いにつられて周りの人もスピードアップしてしまうことがよく見られます。
そんな雰囲気を感じ取ったら、司会進行役の人が上手に調整して、もう少しゆっくりと話してもらうように促してみてください。
④声が他の人と重ならないように
初めの話し手が話を終えていないのに、他の人が話し始めてしまうことはよくあります。
これもまた、文字起こしをする時に障害となる問題です。
特に同時に2軸での会話が行われてしまうと、「どちらがメインの会話なのか」文字起こしする人が迷ってしまいますし、両方の会話が聞き取り辛くなってしまいます。
そうならないように、お互いに相手が話しを終えてから、自分が話すことを心がけると共に、司会の人がうまく取り仕切っていくことが肝心です。
発言者を司会者が指す形式にしたり、途中で誰かが会話にかぶせてきたら、ちょっと待ってもらうように促したりすることもコツになります。
⑤ 訛りが強いと起こしにくい
文字起こしを業者に依頼する場合には、できるだけ会話の中に訛りが入らないようにしましょう。
作業者が知らない訛りだと、その意味をつかめないので、正しい意味で起こせなくなる危険もあります。
参加者の中に訛りが強い人がいて、標準語で話すのが難しそうであれば、その方の後に標準語で言い直すなどの対策を採るのも一つの手です。
⑥なるべく専門用語は避ける
専門用語が多くなると、その知識を持っていない作業者は正しい単語、漢字での文字起こしができなくなってしまいます。
そのため、専門的な内容が多い音源の場合は、専門知識を持っている人に特別に頼む必要が出てきて、料金を割り増しとする業者もあります。
また、どうしても文字起こしの精度が下がってしまうというリスクも出てきます。
こうした事態を避けるためにも、関係者以外はあまり使わない用語やいわゆる業界用語は使わないようにします。
また、単語を省略して話すことや、日本語が存在するのに英語の単語を使うなども避けると、より正確に文字起こししやすいです。
⑦単語単位での発話は同音異義語の区別が難しい
「ああ、○○ね。」とか「それ、○○。」といった、単語だけで話をまとめてしまうと、音源を聞いている人に意味が伝わらず、正しく文字起こしができないことがあります。
何故かというと日本語には同音異義語が多いので、漢字にする時に誤変換されてしまう可能性があるからです。
そのため、できるだけ単語だけで話を切ってしまうのではなく、前後の説明を付けるように話をしましょう。
その他気を付けると良いこと
より質の高い文字起こしをするという観点から、録音する際に以下のようなことも気を付けると、ぐっと正確性が増しますよ。
逆に言うと、文字起こしをしない場合はほとんど考えない点でもありますので、意識して収録に臨みましょう。
①ノイズキャンセルを利用する
会話を遮ってしまうほどの雑音でなくても、雑音が常に入っていると聞き取りが難しくなり、作業に手間がかかるものです。
そのため、音源にノイズキャンセリングをかけてクリアな音にすると、かなり質が上がります。
こうしたノウハウを持っていないのであれば、文字起こし業者にノイズキャンセルも同時に依頼するというのも一つの手ですよ。
②念のためもう1つレコーディングしていると安心
常に2つ以上のレコーダーを用意して、同時に録音しておくことにはメリットがあります。
まず、片方の機器に不具合が生じたりバッテリーがなくなったりしても、確実に録音を続けることができるという保証が生まれます。
また、異なる場所に複数のレコーダーを置くことで、それぞれの場所に近い話者の声をよりクリアに拾えるようになります。
特に大人数での会議や、雑音がどうしても入ってしまう環境であれば、複数のレコーダーを聞き比べしながら文字起こしすると、1つのレコーダーで文字起こしするより、正確に文字起こしが可能です。
③音声だけでなく動画を収録する
より正確な文字起こしを望むのであれば、音声だけでなく動画という形でレコーディングをするのも一つの方法です。
電話越しで話すよりも、対面で話した方が相手の言っていることを理解しやすいのと同じように、文字起こしも聞くだけでなく、話者の顔を見ると理解度が深まります。
口の動きや会話の雰囲気を見ることができるからです。
特に、複数の人が入れ代わり立ち代わり話をするシーンや、多人数の会議などでは、誰が話をしているのか把握しやすくなります。
文字起こしでは、それぞれの話について誰が話者かを記載することが多いので、こうした配慮があると話者の区別が楽にできるのです。
④音飛びに気を付ける
普通に会話をしていると、多少音飛びがあっても話の前後の流れから理解できるものです。
しかし、文字起こしではその場の流れが分からないものですし、音飛びで聞こえないところを憶測で埋めるような作業はできません。
特に最近はリモートでの会議や商談が多くなっていますので、この点には注意したいものです。
インターネットの関係で声が途切れてしまったり、話し手の切り替えのタイミングがうまく行かず頭が切れてしまったりすることがあります。
もし、音飛びしてしまったら、そこを繰り返して話すようにしましょう。
外伝!文字起こし業者に依頼する時のコツ
自分で文字起こしすることもできますが、やはりかなり時間がかかります。
なによりも、文字起こしに慣れてない人がすると、仕上がりの品質に保証が持てません。
簡単そうに思えても、実際やってみると文字起こしはなかなか難しい作業になります。
そのため、この道のプロに任せると質が高く正確な文字起こしができて安心です。
依頼する際には、次のような点を気を付けると、よりお得にかつ正確に文字起こしをしてもらえますよ。
①概要や関連資料を文字起こし業者に伝える
音源がどのような目的でレコーディングされたものか、たとえば会議であったりYouTubeに載せるための動画テロップだったり、といったものを伝えます。
また、そこで話されていることのテーマや、ある程度の概要や理解を深めるための資料、専門用語のリストなどを渡すと、より作業はスムーズになりますし、精度も増します。
もちろん、たくさんの資料を渡されても読むだけで大変なこともありますので、音源の内容に関係する必要なものだけを選んで伝えると良いでしょう。
②話者人数を事前に把握して伝える
複数の人が会話に加わっているのであれば、その人数とそれぞれの人の特徴を伝えておきます。
性別や肩書、名前を挙げて話し合っているのであれば、その名前をまとめて渡すと、話者の区別が付きやすくなります。
また、名前を記載する時も漢字の間違いもなくなって、より正確に仕上げられます。
③レコーディングする際に自己紹介する
音入れの冒頭に、誰が参加しているか、全員で自己紹介すると、音声だけの場合でも、文字起こしする人は話者の区別がしやすくなります。
名前と声の質が一致しますし、マイクからの位置関係もなんとなく分かって、判別が楽になるのです。
自己紹介は1分もかからずにできるものですが、文字起こしの精度を上げるためには高い効果がありますので、文字起こしの依頼を検討しているのであれば意識して行ってみましょう。
まとめ
このように、せっかく文字起こしをするのであれば、やはり正確で分かりやすい仕上がりを求めたいものです。
綺麗に録音できたら、正確に文字起こしができるだけでなく、安価に文字起こししてもらえる可能性が高いので、一石二鳥ですよね。
そのためには、録音する際に取り上げたようなコツを実践することが大事です。
同時に、実績がある業者を選んで依頼するというのも欠かせない点と言えます。
「WITH TEAM 文字起こし」はインタビュー音源、会議、動画のテロップ作成用、裁判用音源など、様々な用途の文字起こしを行ってきた実績と高いノウハウがあります。
綺麗に収録されている音源であれば、安く早く納品できるという強みも持っています。
たとえば、60分程度の音源で、「けばとり」と呼ばれる、「えー」などの無駄な言葉を省いた形式の文字起こしであれば、土日祝は除いて中1日か~2日程度でお渡しできます。
料金は内容にもよりますが、1分120円が基本となっていてリーズナブルな価格というのも特徴です。
自分で文字起こしする時間がない方は、是非ご検討くださいませ。
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