文字起こしの作業は手間も時間もかかってしまうものですが、その労力を軽減してくれるツールが『テープ起こしプレーヤー』です。

テープ起こしプレーヤーは、株式会社アスカ21が無償で公開しており、同社のホームページ上で誰でも自由にダウンロードできるようになっています。

とはいえ、いきなりではどうやって使えばわからないこともあるので、基本的な操作方法を押さえておきましょう。

また、実際に使ってみて感じた使い心地もお伝えしますね。

テープ起こしプレーヤーのダウンロード方法

テープ起こしプレーヤーは無償で公開されていますが、ダウンロードするには、まず提供元である株式会社アスカ21のホームページにアクセスして、アンケートに答える必要があります。

メールアドレスは記入しなければなりませんが、それ以外の個人情報は必要ないので気楽に答えていきましょう。

最後まで回答すると、アンケートに入力したメールアドレス宛にダウンロード用のリンクが送られてくるので、それをクリックしてインストールしてください。

テープ起こしプレーヤーの起動

ダウンロードが完了したら、さっそくzipファイルを解凍してみましょう。

フォルダの中にはいろいろ入っていますが、テープ起こしプレーヤーを起動するには「AudioPlayer.exe」という実行ファイルをダブルクリックしてください。

すると、すぐに起動して、以下のような画面が表示されます。

音声ファイルを開くには、メニューの「ファイル(F)」から選ぶから、この画面上にファイルを直接ドラッグ&ドロップします。

読み込み可能な音声ファイルは、

  • MP3
  • WAVE
  • FLAC
  • AC3
  • WMA
  • Raw data

上記の基本的な種類はもちろん、iPhoneユーザーにはうれしいAACなど、非常に幅広く対応しているので、このソフトで読み込めないということはまずないでしょう。

iPhoneで録音した音声をすぐに読み込めるのは、いちいちMP3などに変換していたことを思うととても便利ですね。

テープ起こしプレーヤーを操作してみよう

ファイルを読み込んだら、すぐに操作可能です。

画面左上の「Play」をクリックすると再生され、「Stop」を押すとその時点で停止するという見たままの簡単な操作感ですね。

ファイルの先頭に戻りたい時はその下の「Top」をクリックしてください。

再生や停止はメニュー「プレーヤー(P)」からも操作可能です。

また、上の画像のようなリピート地点の設定もここからできますよ。

ただ、書き起こしの最中はなるべく手をキーボードから離さずに作業したいですよね。

このソフトはそんなユーザーの気持ちもよくわかっていて、これらの基本操作はすべてキーボードのショートカットに割り当てることが可能となっています。

ショートカットキーの割り当て

テープ起こしプレーヤーでショートカットキーを割り当てる方法は簡単です。

メニュー「オプション(O)」から「設定(S)」を選び、「キー設定」タブを開いてみましょう。

ここで、よく使う機能に自分の使いやすいキーを割り当てることが可能です。

以下の画像のように、「機能」に表示されている項目から、「再生・停止」など、ショートカットキーを割り当てたい項目を選びます。

割り当てたい任意のキーを押すと、右側の「新しいキー設定」のところに表示されるので、それでよければその横の「設定」を押して確定します。

別の機能にも同様にショートカットキーを割り当てていきましょう。

最後に、下の「保存」をクリックすると、先ほど選んだショートカットキーがすべて保存されます。

どんなふうにショートカットキーを割り当てればよいか迷うこともありますが、感覚的に自分が押しやすいと思うキーを選びましょう。

割り当てるキーは個人の好みで構いませんが、お使いのテキストエディタに登録しているショートカットキーとは被らないようにだけ注意してください。

そこにさえ注意すれば、キーボードを駆使してテキストを入力している最中でも、ショートカットキーはちゃんと動作してくれます。

操作のたびにマウスを動さなければいけない手間を省けることが、このソフトの便利なところですね。

便利な巻き戻し機能

ショートカットキーを自分の好みで設定したら、実際に音声ファイルを再生して、書き起こしてみましょう。

基本は、音声を流しながらタイピングし、タイピングが音声に追いつかなくなってきたら一時停止、追いついたらまた再開という流れです。

一度で聞き取れない箇所がある場合、「巻き戻しては再生して、また巻き戻して……」という具合に、何度も同じ場所を繰り返し再生するのは、文字起こしではよくある光景です。

しかし、このソフトにはその作業の手間を省いてくれる便利な機能が搭載されています。

それが「自動巻き戻し」という機能です。

あらかじめ区間を指定しておけばその区間を何度もリピートしてくれる「区間リピート」という機能も便利ですが、この「自動巻き戻し」の秒数を設定すれば、一時停止したあとに再び再生しようとすると、数秒前に自動で巻き戻してくれるので、いちいち巻き戻す手間がかからないのがこのソフトの特徴です。

設定方法は以下の通りです。

メニュー「オプション(O)」から設定を選ぶと、上の画面が表示されます。

「自動巻き戻し秒数」に表示されている数字が、一時停止から再び再生したときに自動的に巻き戻してくれる秒数です。

0~20秒の範囲で秒数を自由に設定できるので、再開直後の言葉を聞き取れないことが多い方は、長めに設定しておくとよいでしょう。

逆に、聞き取りに自信のある方は、0秒に設定しておくと、文字起こしがサクサク進められますよ。

また、その下の「早送・巻戻秒数」とは、早送りと巻き戻しに割り当てたショートカットキーを押した際に、何秒間早送り・巻き戻してくれるかの設定です。

初期設定は5秒ですが、0~50秒の範囲で設定できるので、「聞き逃しが多いようなら長めに設定しておく」など自分用にカスタマイズできて便利ですね。

ちなみに、自動巻き戻し秒数と早送・巻戻秒数の間にある「再生速度(単位:0.01)」とは、キー設定タブで設定した「速度変更」のショートカットキーを1回押すたびに、どのぐらい速度を変更するかを設定するための項目です。

音声の再生速度の調整については、最初の画面を見ながら、以下で詳しく説明します。

再生速度の調節

音声ファイルの速度を変更したい時は、画面右上方にある「スピード」というゲージを動かします。

右に動かすと速くなり、左に動かすと遅くなるという仕様です。わかりやすいですね。

100分の1秒単位で調整できて、最速で2倍速になります。

遅く調整する場合は0.5倍速が最大、つまり、元音声の半分のスピードまで落とせます。

文字起こしはただでさえ時間のかかる作業ですから、聞き取りに慣れてきたら少しでも速く再生して、作業時間の短縮を心がけましょう。

2倍速で聞き取り、なおかつ正確にタイピングするのは至難の業ですが、慣れてくれば1.2~1.3倍ぐらいスピードアップしても十分付いていけますよ。

そして「スピード」の下にある「ピッチ」とは、音声の周波数を調整するゲージです。

声が低い人が話している時にゲージを右側にずらして少し声を高くしたり、逆に、高い声の人が話している時には、ゲージを左側にずらして低めに調整したりできます。

イコライザー

テープ起こしプレーヤーの画面下半分を占めるのがイコライザーです。

いろいろな項目が並んでいるので初めはわかりにくいかもしれませんが、実際は簡単です。

この10本のバーがそれぞれ特定の周波数を調整できるイコライザーとなっており、バーを上下に動かすことで、対応する周波数を大きくしたり小さくしたりすることができます。

たとえば、高い音を強調したい時には、右側の方のバーを上に上げてみましょう。

その下にある「ノイズ処理」は、音声ファイルに含まれる環境音のうち、耳障りな高音域を軽減するのに便利な機能です。

「ノイズ軽減を試す」にチェックを入れて、周波数のゲージを左右に動かしてみましょう。

最もノイズがひどいと思ったところに合わせ、下の減衰率のバーを動かして、上で選んだ周波数の音量を小さくします。

音声ファイルにエアコンの音など不要なノイズがのっている時には効果的ですよ。

なお、変更しすぎて元の設定がわからなくなった時は、左側の「EQリセット」をクリックすれば全て元に戻ります。

イコライザーが必要ない時は、「小さく表示」の横のボックスにチェックを入れると、以下のようにコンパクトな表示になるので、表示をすっきりさせたい方におすすめです。

チェックを外せば元の表示に戻ります。

音響処理

メニュー「音響処理(A)」を選ぶと、以下のように、「ノーマライズ」、「オートマキシマイズ」、「モノラル化」、「ノイズ除去」の4つの機能が選べます。

モノラル化とノイズ除去は、画面上のチェックボックスにチェックを付けたあとに該当の項目を選択すると、調整した音声に名前を付けて別ファイルとして保存できる機能です。

ノーマライズとは、「音量の正規化」とも言いますが、限界まで音量を自動的にアップしてくれる機能です。

読み込んだ音声ファイルの音が小さい時にこれを選ぶと、音が歪まない範囲で最大限音量を上げてくれます。

名前を付けて別ファイルとして保存も可能です。

オートマキシマイズも音量を上げるための機能ですが、こちらは、自分で指定した音量に調節して保存できます。

音響処理の機能を使用して音源を変更した場合は、元のファイルに上書きせずに別ファイルで保存できるので、いろいろな機能を試してみましょう。

便利なカウンターコピー機能

実際に文字起こしの作業を進める場合、テキスト中に1分ごとや5分ごとのタイムコードを挿入したり、聞き取れなかった箇所にそのことを示すための再生時間を挿入したりしますが、頻繁に挿入する必要がある場合、いちいち手で入力するのは面倒ですよね。

テープ起こしプレーヤーの良い点は、再生時間の挿入がワンタッチでできるようになっていることです。

上の画像のように、再生時間を入力したい箇所で、メニュー「プレーヤー(P)」から「カウンターコピー」を選びます。

すると、その値がクリップボードにコピーされるので、入力中のテキストエディタにペーストしてみましょう。

それだけで「00:01:30」のような書式で再生時間が記述されます。

いちいちマウスを動かしてこれを選ぶのは面倒ですが、前述の通り、あらかじめショートカットキーを割り当てておけば、キー一つで簡単にコピーできるようになるのでとても便利です。

なお、カウンターコピーの下の「カウンター指定」というのは、「00:00:00」という書式で入力した時間から再生することができる機能です。

うまく聞き取れなかった箇所の再確認などに使うと、とても便利ですよ。

テープ起こしプレーヤーは使ってみる価値あり

テープ起こしプレーヤーについて、ダウンロードするところから詳しくて見てきましたが、ユーザーの操作感を大事にして開発されていることがよくわかります。

公式サイトでは、「広く普及している文字起こし用のソフトを参考にした」ということが書かれていますから、他のソフトから乗り換えた人でも違和感なく使えるように意識しているのでしょう。

ショートカットキーを使いこなせるようになると、文字起こしの効率がかなり上がるのではないでしょうか。

また、iPhoneユーザーにとって、AACファイルに対応しているのは大きなポイントです。

iPhoneで録音した音声ファイルを変換なしに直接読み込めるのはうれしいですよね。

ダウンロードするためにアンケートに答えなければならないのは少し面倒に感じますが、無償で公開してくれていますし、アンケート自体も数分で終わりますから、それほど苦にもなりません。

文字起こしに携わる方なら、一度使ってみる価値のあるソフトです。

文章の精度に不満がある場合は代行会社への依頼も検討しよう

無料ツールは日々進化していますから、ある程度の精度であれば自分でも十分に文字起こしが可能です。

しかし、ツールを使って効率よく文字起こしをしたとしても、自分で起こしている以上、ある程度の見直しや修正はどうしても必要になってきますし、意外とそこに時間がかかるものです。

そういったわずらわしさをなるべくなくしたいという方は、文字起こし代行業者へ依頼してみてはいかがでしょうか。

代行業者なら何度も聞き直し、できるだけ高い精度で書き起こしてくれますし、不明瞭箇所の報告なども対応してくれます。

どうしてもツールを用いた文字起こしだけでは不安、手間がかかるという場合や、そもそも使い方がわからない、インストールが面倒という方は、代行業者へまとめて依頼してしまいましょう!

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