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動画字幕ファイルの重要性と活用法
動画コンテンツがあふれる現代、字幕の重要性がますます高まっています。
聴覚に障がいのある人々への情報アクセスの確保はもちろん、カフェや電車などの音を出せない環境での視聴、外国語の学習、さらにはSEO対策まで、字幕は動画の価値を大幅に向上させる要素です。
この記事では、字幕ファイル(SRT)の重要性や、使い方、動画へ字幕を付ける方法などを紹介します。
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字幕ファイルの基本と役割
字幕ファイルとは、動画に表示されるテキストと、字幕表示の時間を指定したタイムコードを組合わせたテキストファイルです。
字幕ファイルを利用することで、Web上の動画コンテンツやYouTubeなどの動画再生中に字幕を表示することができます。
Youtubeなどで表示される字幕は、この字幕ファイルによって表示されます。
▼字幕ファイルには以下のような種類があります。
- 1. SRT (SubRip Text)
- 2. VTT (Web Video Text Tracks)
- 3. SSA/ASS (SubStation Alpha)
- 4. SCC (Scenarist Closed Caption)
SRTファイルとは?
「SRTファイル」は、「SubRip」という字幕抽出ソフトに由来するファイル形式で、最も広く利用されている形式です。シンプルな構造と高い互換性が特徴で、多くの動画プレイヤーやプラットフォームでサポートされています。
「字幕の表示タイミング」と「字幕文章」のシンプルな構造で構成されているため、字幕作成の難易度が低く初心者でも作成しやすい字幕ファイル形式です。
字幕ファイルは、フォーマットが決まっており、パソコンに標準装備されているテキストエディタ(Windowsであれば「メモ帳」、Macなら「テキストエディット」)などを使って、作成や編集が行えます。
SRT字幕ファイルを作成する5つのメリット
字幕ファイルは、近年の動画コンテンツの普及やグローバル化、アクセシビリティに対する意識向上によって重要視されています。
自社の動画コンテンツにおけるマーケティングや、SEOの効果を高めたい場合は、是非とも字幕ファイルの作成を検討しましょう。
以下では、メリットとして挙げられる5つ詳しく紹介します。
1.アクセシビリティの向上
字幕は、耳が不自由な方や騒音環境での視聴が必要な方だけでなく、視覚障害者や学習障害者、高齢者、外国人など、多様な視聴者にとって重要です。
音声情報を文字で補完するだけでなく、内容の理解を深めたり、外国語学習を支援したり、集中力を高めたりするなど、視聴体験を向上させる様々な役割を果たします。
2021年7月1日に改正された障害者差別解消法によって、民間事業者に対して、障害のある人が情報やサービスを利用する際に不利益が生じないよう、合理的配慮の提供が義務化され、2024年4月1日より全面施行されています。
このように今後もより字幕の持つ役割が大きくなっていくと考えられます。
参考:
・ 障害者差別解消法とは
・ 障害者差別解消法の改正 (合理的配慮の提供義務)(2021年):https://www.tmi.gr.jp/eyes/blog/2021/12954.html
2.SEO効果の向上
動画に字幕ファイルを追加するとSEO対策にも効果的だといわれています。
検索エンジンは、動画の内容を直接理解することができません。しかし、SRT字幕ファイルに含まれるテキスト情報は、検索エンジンが動画の内容を理解する手助けとなり、結果としてSEOにも良い効果が生まれます。
企業の場合においても、例えば以下のような事例において自社動画コンテンツにSRT字幕ファイルを追加することが効果的です。
- 企業紹介、製品紹介動画:企業や製品の魅力を分かりやすく伝え、顧客獲得やブランディングに貢献します。字幕の追加は、検索エンジン最適化(SEO)にも効果的です。
- 教育現場:教材動画やオンライン授業に字幕を付けることで、学習効果を高め、多様な学習ニーズに対応できます。
特に、YouTubeなどの動画共有プラットフォームでは、字幕がSEOに与える影響は大きいです。字幕を追加することで、動画の視聴者層を広げ、より多くのアクセスを獲得できる可能性があります。
2.言語の壁を越える力
使用言語が異なる視聴者に向けてコンテンツを提供する際に、字幕は非常に有効です。例えば、日本語の映画を英語圏の視聴者が楽しむときに、英語字幕があれば内容をスムーズに理解できるでしょう。
3.語学学習ツールとして有用
動画を見ながら字幕を読むことで、新しい単語やフレーズを学ぶ手助けとなります。特に映画やドラマの字幕は、日常会話の表現を学ぶのに最適です。
また、騒音がある環境や、深夜などで大きな音を出せない状況でも、字幕があれば内容を理解することができます。
4.映像だけでは把握しきれない情報の補助
字幕は、音声だけでは聞き取りにくい専門用語や固有名詞の理解を助け、動画の内容をより深く理解するのに役立ちます。また、集中力向上や記憶定着にも効果があると言われています。
また、マーケティング目線においても音声だけでは十分に伝えられなかった情報も、字幕で追加してフォローすることで正確に情報を伝えることができます。
5.後から自由に編集できる
字幕ファイルは、動画に埋め込められた字幕(テロップ)と異なり、後から自由に編集できるメリットがあります。
誤字脱字の修正や、商品情報の更新、文章の追加、タイミングの調整などをテキストファイルの更新で行うことができます。動画編集ツールを使う必要がありません。
▼埋め込み字幕と字幕ファイルの比較
- 埋め込み字幕 : 動画ファイルに直接編集して動画を書き出す。編集が困難で字幕の表示・非表示ができない。
- SRTファイル : 動画ファイルとは別ファイルで作成。自由に編集可能。SEO対策になり、字幕の表示・非表示が可能
SRTファイルを作成する3つの方法
SRTファイルの作成には、主に3つの方法があります。
- 1. 「テキストデータ」からSRTファイルを作成
- 2. 「動画編集ソフト」からSRTファイルを自動作成
- 3. 「字幕作成サービス」を活用する
以下で詳しく解説します。
1.「テキストデータ」からSRTファイルを作成
1つ目の方法は、メモ帳などのテキストエディタを使用し、字幕の表示時間や内容を手動で入力していく方法です。最も基本的な方法で、正確なタイミング調整や字幕の細かい編集が可能です。
セリフやナレーションなどが既にテキスト形式で用意されている場合は、それぞれのセリフに対応してタイムコードを追加するだけで、SRTファイルを作成できます。
▼SRT字幕ファイルの構成
①字幕番号
②表示開始時間 –> 表示終了時間
③字幕テキスト
④空の改行
字幕ファイルの構成は①~④のようになっています。
①字幕番号
各字幕の始まりに、通し番号を割り当てます。字幕の表示順番を示し、再生プレイヤーが字幕表示の順番を制御するために必要です。
②表示開始時間 –> 表示終了時間
字幕が表示される開始時間と終了時間を指定します。形式は、「時:分:秒,ミリ秒」で記述します。(例:00:01:23,456 –> 00:01:28,912)ミリ秒の精度は3桁まで指定できます。
③字幕テキスト
実際に表示される字幕の内容を記述します。複数行に渡る字幕の場合は、各行を改行して記述します。
HTMLタグを使って、字幕のスタイル(太字、イタリックなど)を指定することも可能です。
④空の改行
各字幕ブロックの終わりには、必ず空の改行を1行入れます。これは、次の字幕ブロックとの区切りを示すために必要です。空の改行がないと、正しく字幕が表示されないので注意が必要です。
▼SRT字幕ファイルのサンプル
1
00:00:00,000 –> 00:00:05,000
字幕テキスト1行目
字幕テキスト2行目
2
00:00:05,000 –> 00:00:10,000
字幕テキスト1行目
テキストエディタでSRTファイルの編集を終えたら、「名前を付けて保存」します。ファイル名末尾には「.srt」拡張子をつけます。
SRTファイルは、UTF-8エンコーディングで保存する必要があります。字幕のタイミングは、動画の内容に合わせて正確に調整しましょう。
2.「動画編集ソフト」からSRTファイルを自動作成
2つ目は、動画編集ソフトを使用し自動で作成する方法です。
多くの動画編集ソフトには、字幕作成機能が搭載されています。テキストデータを読み込み、表示タイミングを調整しながらSRTファイルを作成できるため、動画編集時に高品質な字幕ファイルを作成することが可能です。
多くの動画編集ソフトには、音声認識機能や字幕作成機能が搭載されています。これらの機能を活用することで、自動でSRTファイルを作成できます。手軽に字幕を追加したい場合はおすすめです。
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3.「字幕作成サービス」を活用する。動画データを送るだけでOK!
3つ目は、字幕ファイル作成サービスを使用する方法です。
多くの「文字起こしサービス」では、字幕作成サービスを提供していたり、文字起こしデータと字幕ファイルデータを納品してくれるオプションが利用できます。
ツールやアプリの購入や使い方を覚えたり、タイミングを調整したりする手間が大幅に削減できるメリットがあります。
動画データを送信するだけでSRTファイルの作成と文字起こしに対応できるので、自社動画コンテンツのSEOやアクセシビリティ向上の目的などの場合は検討して見てください。
「WITH TEAM 文字起こし」でも、SRTファイル作成を対応しております。お見積りの際に、「SRTファイル」作成の旨をお伝えください。
※複雑な指示や高度な技術が求められる場合、料金に変更があったり対応できない場合がありますのでご了承ください。
SRTファイルの使い方|web動画やYoutube動画に字幕を付ける方法
SRTファイルは、動画に字幕をつけるための標準的なファイル形式です。Web動画やYouTube動画に字幕を付けることで、アクセシビリティ向上、SEO効果アップ、海外ユーザーへのリーチ拡大など、様々なメリットがあります。
この項目では、SRTファイルの使い方として、Web動画やYouTube動画に字幕を埋め込む(動画に字幕を付ける)具体的な方法をご紹介します。
Web動画にSRT字幕ファイルを埋め込む方法
Webサイトに動画を埋め込むには、HTML5の<video>タグと<track>要素を使用することで、SRT字幕を直接追加できます。この方法は、外部サービスやプラグインに頼らず、比較的シンプルなHTMLコードで字幕表示を実現できるのが大きなメリットです。
具体的な実装方法
HTML
<video controls>
<source src="動画ファイル.mp4" type="video/mp4">
<track src="字幕ファイル.srt" kind="subtitles" srclang="ja" label="日本語" default>
<p>お使いのブラウザは video 要素をサポートしていません。</p>
</video>
- <video>:動画を埋めこむための基本要素
- <source src>:字幕ファイルのパスと種類を指定します
- <track src>:字幕ファイルのパスを指定します
- <kind>:トラックの種類を指定します。字幕の場合は「subtitles」とします。
字幕以外にも、キャプション(captions
)や説明音声(descriptions
)、チャプター(chapters
)、メタデータ(metadata
)などの種類があります。 - <srclang>:字幕の言語コードを指定します。日本語の場合は「ja」とします。
- <label>:字幕のラベルを表示します。
- <default>:この属性があるとデフォルトで字幕が表示されます。
labelについて
srtファイルの場合、字幕のテキストと表示タイミングの情報のみを含んでおり、label属性のようなメタデータは含まれていません。したがって、SRTファイルを使用する場合、label属性はHTML側で指定する必要があります。省略した場合: label属性を省略した場合、ブラウザはデフォルトのラベルを表示します。
メリット
HTMLの標準機能を使って字幕を追加できるため、特別なプラグインや外部サービスが必要ありません。そのため、Webサイトの表示速度に影響を与えにくいです。
YouTubeなどの動画共有プラットフォームを使って埋め込む方法
YouTubeにUPした動画は、字幕を自動で生成する機能のほかに、SRTファイルをアップロードして字幕を追加することも可能です。
具体的な方法
- 1.YouTubeにログインし、メニューから動画管理ツール「YouTube Studio」を選択して編集画面を開く
- 2.左側のメニュー一覧から「字幕」の項目をクリック
- 3.過去にアップロードした動画がリスト形式で表示されるので、字幕を追加したい動画を選んでください。
- 4.「言語」のプルダウンから希望の言語を選択する
- 5.字幕の追加方法から「ファイルのアップロード」を選択する
メリット
YouTubeに動画をUPしていれば、管理画面から簡単に字幕を追加することができます。
おすすめのSRTファイル作成・編集ツール
最後にSRTなどの字幕ファイル作成を効率化するためのツールを紹介します。
字幕を入れる際に役立つ動画編集ソフトは、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較して、自分に合ったものを見つけましょう。
無料の字幕作成ツール
1.Beecut
BeeCutは、多機能なビデオ編集フリーソフトで、初心者でも使いやすい字幕作成ツールです。
Webサイトで編集するため、パソコンやスマホ、タブレットなど、さまざまなデバイスで利用可能です。
2.Vrew
VrewはAIによる自動文字起こし機能を持つ動画編集ソフトで、操作を直感的に行えるのが魅力です。
無料で利用できますが、利用制限があります。
有料の高機能ソフト
Adobe Premiere Pro
Adobe Premiere Proはプロのクリエイターに高い評価を受けているツールです。
「声のテキスト化」機能を使用すると、動画の音声を自動的に文字起こしし、字幕として追加することが可能です。
プロ仕様の高性能ソフトであるため、文字起こし機能も非常に高性能でAIを活用してビデオの読み込み時に自動で正確なトランスクリプトを生成し、言葉のリズムに合わせたキャプションを作成できます。
また、「スピーチを強調」機能により、音質を改善しバックグラウンドノイズを除去して、会話を明瞭にすることが可能です。
動画の字幕ファイル作成は「WITH TEAM-ウィズチーム-」がおすすめ
動画の字幕作成は、通常の文字起こしに加え「タイムコード」の付与が必要なため、時間と労力がかかる作業です。
近年では、AIツールにより効率的に動画から文字を書き起こすことが可能になりましたが、精度の高さや字幕のタイミングなど確認の手間があります。
そこで、長時間の動画や音声からの「文字起こし」と「字幕作成」の作成は『WITH TEAM 文字起こし』を活用して一括で終わらせましょう。
『YoutubeにUPする動画ファイルの字幕ファイルが欲しい』『自動字幕作成の精度が悪いので修正してほしい』などの要望にも対応可能です。
『WITH TEAM 文字起こし』による字幕ファイル(SRT)作成がおすすめな理由
- ・「文字起こし」から「字幕ファイル(SRT)」作成まで一括で完了
- ・文字起こし原稿からSRTファイルの作成も可能
- ・オプション料:250円/分の低価格(他社比較:400円/分~)
- ・長時間の動画、音源も対応
- ・聞き取りにくい音源にも対応
※聞き取りにくい音源は場合によっては料金が高くなることがありますのでご了承ください。
字幕ファイルの作成についての詳細はこちらもご覧ください。
【まとめ】動画がより見やすくなるように有効な字幕を付けよう
字幕ファイル(SRT)の重要性や作成方法、動画への追加の方法を解説しました。字幕はアクセシビリティの向上、多言語対応、SEO対策など、動画コンテンツの可能性を広げるための強力なツールです。
動画に字幕を追加することで、視聴者層の拡大やエンゲージメント向上、検索エンジンからの評価向上など、多くの効果が期待できます。
動画編集のスキルや予算に合わせて最適な方法を選び、ぜひあなたの動画にも字幕を追加してみてください。動画の価値を高め、より多くの視聴者にメッセージを届けましょう。