インタビュー記事は、企業の広報活動や採用活動、サービスアピールなどにおいて、非常に重要な役割があります。

「読まれる記事」とは、「読みやすさ」「言いたいこと」のバランスが絶妙です。

  1. インタビュー内容に適した構成を選ぶ
  2. 読みやすい整文をする
  3. インタビュー相手の意図が伝わる内容にする

の3つが主な重要要素となり、これらを網羅すると読者が引き込まれる記事となります。

この記事では、インタビューの内容に適した「3種類のまとめ方」と、「読みやすさ・言いたいこと」のバランスが取れたインタビュー記事作成のポイントを解説していきます。

1.インタビュー記事を構成する3つの型

インタビュー記事は、内容に適した記事構成でまとめると、読みやすい記事となります。

具体的には以下の「3つの構成パターン」があります。

  • 「時系列構成」
  • 「物語風構成」
  • 「Q&A形式」

それぞれ特徴やメリット・デメリットがあるので、主要ターゲットや記事の目的によって使い分けをすることが重要です。

それでは詳しく解説します。

(1)時系列構成

「時系列構成」は、インタビューの流れに沿って記事を作成する形式です。

質問 → 回答 → さらに深掘りした質問…という形で、連続した情報で書かれることが多く、ストーリー性を持たせやすいのが特徴です。

ストーリー性のある記事は読者も入り込みやすいため、比較的に離脱率を抑えやすいのも時系列構成のメリットでしょう。

(2)物語風構成

インタビューして得た情報を、物語のようにまとめる構成方法が「物語風構成」です。

「ルポルタージュ形式」と紹介されることもあります。

構成は起承転結でまとめられることが多く、読者が読み物として楽しめるかどうかが仕上がりのポイントになってきます。

(3)Q&A構成

「Q&A構成」はいわゆる一問一答で、インタビュアーの質問とインタビュイーの回答を並べて掲載していく構成です。

インタビュイーの回答者の言葉が直接掲載されますので、臨場感を伝えやすいのが特徴でしょう。

また、質問がそのまま見出しになっていることが多いため、読者が知りたい情報をピンポイントで探しやすいのもQ&A形式のメリットです。

2.インタビュー記事を整文するための基礎

インタビューの原稿は、話し言葉の特徴である「口語表現」や「指示語の多用」などが含まれることが多く、そのまま文字起こしすると読みにくい文章になってしまうことがあります。

読みやすい記事にするためには、以下の基本を押さえた「整文」を行うことが重要です。

(1)主述でねじれを生まない

まず、文章内で主語と述語を一致させましょう。

主述が一致していない文章は「主述のねじれ」と呼ばれ、読者を混乱させてしまう文章になりかねません。

▼主述のねじれ例文:「私は今朝パンだった」

主語:私は
述語:パンだった

→主述が一致せず、文章として正確に成り立っていない

こういった場合は主語を変え「私が今朝食べたものはパンだった」にするか、述語を変え「私は今朝パンを食べた」などにする必要があります。

この程度の文章であれば、自分の中で語句を補填したり前後の文脈を汲んだりすることで、「この人は今朝パンを食べたのだ」と読者は判断してくれるでしょう。

しかし、読者にそういった負荷を求める文章は、無いに越したことはありません。

主述のねじれは日本語の特徴である「主語の省略」で発生しやすいため、「主語を省略してしまっていないか」という点を意識するとある程度防げるようになるでしょう。

(2)指示語は使いすぎず、明確に

日本語では、前の文章で出てきたものを「あの」「その」「これ」といった指示語に置き換える特徴を持っています。

しかし、「この指示語が前段の何を指しているのか」の判断を読者に委ねることになり、誤読を生む可能性もあります。

意図的に指示語を使わないようにすると「くどいように思われるのでは?」と心配するかもしれません。

確かにすべての指示語を消すとそう感じる場合もあります。

ですが誤読によって異なる印象を与えてしまうリスクも考え、丁寧に書き出すメリットも大きいでしょう。

(3)接続詞を正しく使う

文章の転換の際に用いる接続詞ですが、用法を押さえて使用しないと意図通りに伝わらないことがあります。

▼「AはBです。BはCです。」という2文を繋げる場合

「AはBです。そして、BはCです。」 → 「AとCの関係が近い」と読み取れる
「AはBです。しかし、BはCです。」 → 「AとCの関係は遠い」と読み取れる

順接、逆接など、接続詞はそれぞれどういった意図で文章を繋げるかが単語ごとに異なっていますので、文脈的に適切な接続詞を正しく使うことは押さえておきたいポイントです。

3.『読みやすい』インタビュー記事を書く3つのポイント

読者が読みやすいと感じるインタビュー記事は、「すらすら読み進められる記事」です。

引っかかりなく読める文章にするには、そうなるようにポイントを押さえる必要があります。

(1)専門用語や難しい言葉を分かりやすくする

「読み方がわからない単語」「知らない用語」が出てくると、その時点で読むのをストップする読者は少なくありません。

インタビューの中でターゲット層に合わないような難しい単語や専門的な用語が出てきた場合は、類語に言い換えたり、注釈を適宜入れてください。

そうすることで読者は記事から離れず、情報を適切に補填しながら読み進めることができます。

なお、注釈を入れる際は「●●(※△△のこと)」のように、出来る限り補足元のすぐ近くに情報を差し込みましょう。

段落や文章の最後に「※1…△△のこと ※2…××という意味」と注釈を入れた場合、読者は大きな視線の移動やスクロールなどをしなければならないためです。

(2)質問文は簡潔にまとめる

Q&A形式で作成する場合、質問文はなるべく簡潔にしましょう。

まず注意したいのは、過剰に敬語を使っていないかという点です。

敬語は、直接的な言い回しを避けた語が多いのが特徴です。

過剰になると文法的には正しくても、ぱっと見で「意味が分からない」と思われ、読者の集中が途切れるきっかけになってしまいます。

▼長い質問文例
『●●』という著書をお読みになって△△と思われたことを仰っていましたが、それを××に活かされたのでしょうか?

▼短くした質問文例
『●●』を読んで△△と思ったとのことですが、それを××に活かしたのでしょうか?

※敬語表現を適宜外し、「何を訊いているのか」を読んですぐに把握できる質問文へ。

また実際のインタビューでは、質問に対し回答が的を外れたものになることも珍しくありません。

そういった場合は、用意した質問をそのまま使用するのではなく、回答に合わせた質問文にしましょう。

(3)「動作」を入れて親しみのある文章にする

芸能人などを相手にしたインタビュー記事の場合、読者は回答者のことを既に知っていたり、ファンである可能性が高いです。

そういった記事の場合、インタビュー中の「動作」も記事に取り入れると、フランクさのある読みやすい記事になるでしょう。

発言を読みやすいよう文法的に正しく整えた文章のみだと、どうしても人柄は伝わりにくいものです。

例えば、

  • 「ラーメンがお好きなんですか?」
  • 「はい。」
  • 「ラーメンがお好きなんですか?」
  • 「はい。(何度も頷きながら)」

の2パターンでは、回答者の人柄に対する印象が変わってきます。

ただし、この動作を組み込み過ぎるとくどくなってしまう可能性があるため、あくまでワンポイント程度になるよう留めましょう。

また、ビジネス関連などフランクさが求められない記事もありますので、ターゲット層を意識して使用するかを判断しましょう。

4.『言いたいこと』が伝わるインタビュー記事にするためには?

インタビュー記事において、「インタビュー相手の『言いたいこと』が伝わる記事になっているかどうか」が重要です。

特に昨今は、個々人が意見を発信できるSNSが普及した時代です。

インタビュー内容と見当違いなまとめ方をしてしまうと、インタビュイー自身が「この記事は私の意図と違う内容を掲載している」と広く発信することができます。

意図してそういった記事にしたのか、実際の回答音声と文字起こしの相違がどれくらいあったかを論じることも重要ですが、その前にまずは「インタビュー相手に失礼な記事を書けば、それを告発される可能性がある」というリスクが現代にはあることを理解しておきましょう。

では、「インタビュー相手の『言いたいこと』が伝わる記事」を作成するためには、どのようなポイントがあるのでしょうか。

(1)インタビュー相手の意図を汲む

インタビュー相手が言いたいことを伝えられる記事にするためには、相手の話したことをそのまま記事に書くだけではなく、相手の意図をしっかりと汲む必要があります。

特に対面でのインタビューを行った際、重要な情報源として扱いたいのが「相手の仕草」でしょう。

例えば、録音を聞き返して「この話をしていたとき、明るく楽しそうに身振りも多く話していた」という印象があるのであれば、文末に「!」をつけたり、体言止めで整文をしたりすると、その様子が読者にも伝わりやすくなります。

(2)「沈黙」や「言い淀み」は重要

インタビュー相手の意図を汲むという意味では、相手の「沈黙」や「言い淀み」も重要な情報として扱いましょう。

質問に対する回答でも、「はい」「……はい」と書くのでは、回答者の心情に関する情報が大きく変わってきます。

言い淀みに関しては、例えば下記のように、インタビュアーの質問をおうむ返しする回答者からの質問を挟むことで表現できます。

  • Q:地元野菜を使った料理が好きとのことですが、海鮮料理はどうですか?
  • A:え、海鮮料理ですか?
  • Q:はい。海鮮料理についても教えてください。
  • A:海鮮料理では……

やり取りのスムーズさを意識するなら、真ん中のやりとりはカットしてすぐに「海鮮料理では……」としても問題ありません。

しかし、あえて入れることでインタビュイーがスマートに回答できなかった様子を見せることができます。

このように、沈黙や言い淀みも記事の内容によっては重要な情報になる点を押さえておきましょう。

(3)安易な言い換えに注意が必要

読みやすい記事にするために難しい言葉は分かりやすくしようとご紹介しましたが、インタビュー相手がこだわりをもってその単語を使用している場合もあります。

会話の中でそう判断できた場合は、安易な言い換えはすべきではありません。

例えば、市長に対するインタビューであまり聞き馴染みのない四字熟語が使われたとします。

同義語の広く知られた慣用句が他にある際、そちらに置き換えた方がいいのでは、と思うかもしれません。

しかし、その四字熟語が姉妹都市を結んでいる外国の都市で生まれた四字熟語で、市政を語る場であえて使用しているとしたら?

別の言葉には言い換えずにそのまま使用した方が、市長の意図を汲んだ記事になるでしょう。

突飛な例ですが、様々な分野の専門性に関するインタビューであれば、「こだわりを持ってこの単語を選んでいる」という人は珍しくありません。

「分かりやすさ」を重視するのも大事ですが、インタビュー相手があえて使用したと思われる単語については、「読みやすさ」と「言いたいこと」のバランスを考え、言い換えをするか慎重に検討しましょう。

【最後に】記事は記憶が新しいうちに書こう!

特に相手の言いたいことを押さえるためには、インタビューを行ったときの相手の様子をなるべく組み込んだ記事にすることが重要です。

そのため、記憶が新しいうちに記事の作成に取り掛かるのがおすすめです。

記事にするための文字起こしに時間がかかってしまうのであれば、文字起こし業者に外注するのも一つの手段です。

分数や料金によっては、当日~翌日に納品するサービスを請け負っている業者もいます。

さらに、文字起こしの際に「どのような起こし方をするか」を選べる業者もあります。

一般的な起こし方は「えーっと」「あの」といったケバを省いた「けばとり」ですが、こういった淀みや言い間違えなども全て書き起こす「素起こし」という起こし方もあります。

沈黙や言い淀みを重視したいのであれば、素起こしプランで依頼するのがおすすめです。

参考:インタビューを文字起こししたい!「けばとり」と「素起こし」どちらがおすすめ?

また、整文での起こしや、そこからさらに記事の作成までを請け負う業者もあります。

スピーディな作成が求められる場合、ある程度業務を外注することも視野に入れてみてはいかがでしょうか。

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