
webインタビュー記事は、企業の広報活動や採用活動、サービスアピールなどにおいて、非常に重要な役割があります。しかし、取材した内容をどうまとめれば読んでくれる記事になるのか分からず、悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、「読まれる」webインタビュー記事を書くためのポイントや、書き方、例文をご紹介します。
目次
【1】インタビュー記事まとめ方と作成の流れ
インタビュー音声から、読みやすい記事を作成するためには、取材の内容をただ書いていくだけでは不十分です。まずは、読者に「何を伝えたいのか」インタビュイーが「言いたいことは何か」を明確にして意図を明確にした記事にしましょう。
インタビューなどの音声を記事にするまでの基本的な流れは、以下のようになります。
- ❶ 文字起こし
- ❷ 原稿リライト(必要に応じて)
- ❸ 記事構成を考える
- ❹ 記事作成
- ❺ 校正・校閲
- ❻ 公開
❶文字起こしをする
まず、インタビューなどで録音した音声データをテキストデータに変換します。文字起こしには、主に以下の3つの方法があります。
文字起こし方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
手動による文字起こし | ・費用がかからない ・外部にデータを渡さない ・内容を把握できる | ・時間と労力がかかる ・専門知識が必要な場合がある |
外注依頼する | ・高品質な仕上がり ・時間と労力を削減 ・大量のデータにも対応可能 | ・費用がかかる ・業者選定の手間 ・一定の納期が発生 |
自動文字起こしツール | ・24時間365日利用可能 ・安価な価格 | ・ニュアンスの理解が苦手 ・修正・編集が必要 |
文字起こしを自分で行うと費用がかかりませんが、時間と手間がかかります。一般的に音声時間の4倍以上はかかるといわれています。
外注依頼の場合は、一般的に「音声時間×納期」の料金がかかります。料金体系は、1分間○○円~となっていることが多いです。
AIツールも同様に有料のものは費用がかかります。一般的には、分数/月が決められており定期的に長い時間の文字起こしが必要な場合は、より高額なプランに登録する必要があります。無料、有料に関わらずAIでの文字起こしは誤植が存在するため必ず確認する必要があります。
❷原稿のリライト
文字起こしされた原稿は、必ずしも記事として読みやすいものとは限りません。必要に応じて、以下の点を中心にリライトを行います。
- 不要な言葉の削除: 「えー」「あのー」などの言い淀みや、「~と思います」などの曖昧な表現を削除します。
- 語尾・表現の統一: 文末表現や言い回しを統一し、文章全体の読みやすさを高めます。
- 文章の構造調整: 長すぎる文章を分割したり、箇条書きを活用するなど、文章構造を調整します。
- 専門用語の補足: 読者が理解しにくい専門用語には、注釈や解説を加えます。
❸ 記事構成を考える
リライトされた原稿を基に、記事全体の構成を考えます。以下の点を意識して構成を組み立てます。
- 読者ターゲット: どのような読者に向けた記事か明確にする
- 記事の目的: 読者にどのような情報を伝えたいのか明確にする
- 構成要素: 導入文、見出し、本文、まとめなど、必要な構成要素を検討する
- 情報の整理: インタビュー内容を整理し、テーマごとに適切な見出しを設定する
- 情報の優先順位: 読者に伝えたい情報を優先的に配置する
❹ 記事作成
構成案に従って記事を作成します。以下の点を意識して執筆します。
- 読者ターゲット: 読者層が興味を持ちやすい言葉選びや言い回しを心がける。
- 文章全体のトーン: 記事の内容や雰囲気に合ったトーンを選ぶ。
- 見出しと本文の関係性: 見出しと本文の内容が一致するようにする。
- 具体例や引用: 読者の理解を深めるために、具体例やインタビュー内容からの引用を効果的に使う。
- 装飾: 画像や図表、囲み記事などを活用することで、記事をより読みやすくする。
❺ 校正・校閲
記事が完成したら、必ず校正・校閲を行います。
- 誤字脱字・文法ミス: 誤字脱字や文法ミスがないか、一文ずつ丁寧に確認する。
- 事実確認: 固有名詞、数字、引用文などの情報が正確か確認する。
- 表現の統一: 記事全体で表現が統一されているか確認する。
- 客観性の担保: 主観的な表現や偏った意見がないか確認する。
- 著作権侵害の確認: 引用元の表記や画像使用などに問題がないか確認する。
❻ 公開
校正・校閲を終えた記事を、Webサイトやブログなどに公開します。
- SEO対策: 読者が検索しやすいキーワードを記事タイトルや本文に含める。
- SNS連携: SNSで記事公開を告知し、拡散を促す。
- 読者からのフィードバック対応: 公開後に読者からのコメントや質問に対応する。

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【2】web記事構成の3つのパターンと例文
webインタビュー記事を書くときは、あらかじめ記事構成やまとめ方を考えておくと良いです。インタビュー内容に適した構成でまとめると、読みやすい記事となるからです。
具体的には以下の「3つの構成パターン」があります。
- ・「時系列構成」
- ・「物語風構成」
- ・「Q&A形式」
それぞれ特徴やメリット・デメリットがあるので、主要ターゲットや記事の目的によって使い分けをすることが重要です。
それでは詳しく解説します。
(1)時系列構成
「時系列構成」は、インタビューの流れに沿って記事を作成する形式です。インタビューの始まりから終わりまでを時系列で追っていくため、ストーリー性を持たせやすいのが特徴で読者は自然な流れで読み進めることができます。
【時系列構成の例文】
20XX年X月:音楽との出会い、そして挫折
15歳でギターを手にし、作曲を始める。
地元のライブハウスで活動。しかし、現実は厳しかった。
20XX年X月:チャンスの到来、そして苦難
△△の紹介で、CDデビュー。
しかし、CDは思うように売れず、生活は苦しかった。
時系列構成は、起業家やアーティストの成功物語などのインタビューを記事にする場合に適しています。
(2)物語風構成
インタビューして得た情報を、物語のようにまとめる構成方法が「物語風構成」です。
「ルポルタージュ形式」と紹介されることもあります。
【物語風構成の例文】
「私には、叶えたい夢があるんです。」
そう語る△△さんの目は、まるで子どものようにキラキラ輝いていた。
△△さんは、〇〇株式会社の代表取締役社長。
若くして会社を設立し、数々の困難を乗り越えてきた。
その原動力は何なのか。
今回のインタビューで、△△さんの知られざる素顔に迫った。
構成は起承転結でまとめられることが多く、読者が読み物として楽しめるかどうかが仕上がりのポイントになってきます。
(3)Q&A構成
「Q&A構成」はいわゆる一問一答で、インタビュアーの質問とインタビュイーの回答を並べて掲載していく構成です。インタビュイーの回答者の言葉が直接掲載されますので、臨場感を伝えやすいのが特徴です。
【 Q&A構成の例文】
「インタビュアー」: Web制作事業を始めたきっかけは?
「文字起こしさん」:学生時代、友人の飲食店のWebサイトを作り楽しさに目覚めたことがきっかけです。
「インタビュアー」: Web制作で最も苦労したことは?
「文字起こしさん」:集客です。ブログSEO対策、SNS発信、企業への直接営業など、地道な努力を続けました。
質問がそのまま見出しになっていることが多いため、読者が知りたい情報をピンポイントで探しやすいのもQ&A形式のメリットです。
【3】『読みやすい』記事を書くために文章を整文する
インタビューの原稿は、話し言葉の特徴である「口語表現」や「指示語の多用」などが含まれることが多く、そのまま文字起こしすると読みにくい文章になってしまうことがあります。
読みやすい記事の書き方は、「整文」を行うことです。
(1)主述でねじれを生まない
まず、文章内で主語と述語を一致させましょう。主述が一致していない文章は「主述のねじれ」と呼ばれ、読者を混乱させてしまう文章になりかねません。
▼主述のねじれ例文
「私は今朝パンだった」
主語:私は
述語:パンだった
この文章は、主述が一致せず文章として正確に成り立っていません。このような場合は「私が今朝食べたものはパンだった」のように主語を変える。または、「私は今朝パンを食べた」などのように述語を変えると良いでしょう。
主述のねじれは日本語の特徴である「主語の省略」で発生しやすいため、「主語を省略してしまっていないか」を意識しましょう。
(2)指示語は使いすぎず、明確にする
日本語では、前の文章で出てきたものを「あの」「その」「これ」といった指示語に置き換える特徴を持っています。
しかし、「この指示語が前段の何を指しているのか」の判断を読者に委ねることになり、誤読を生む可能性もあります。
(3)接続詞を正しく使う
文章の転換の際に用いる接続詞ですが、用法を押さえて使用しないと意図通りに伝わらないことがあります。
▼「AはBです。BはCです。」という2文を繋げる場合
「AはBです。そして、BはCです。」 → 「AとCの関係が近い」と読み取れる
「AはBです。しかし、BはCです。」 → 「AとCの関係は遠い」と読み取れる
順接、逆接など、接続詞はそれぞれどういった意図で文章を繋げるかが単語ごとに異なっていますので、文脈的に適切な接続詞を正しく使うことは押さえておきたいポイントです。
【5】『読みやすい』インタビュー記事を書くためのポイント
読者が読みやすいと感じるインタビュー記事は、「すらすら読み進められる記事」です。引っかかりなく読める文章にするには、そうなるようにポイントを押さえる必要があります。
(1)専門用語や難しい言葉を分かりやすくする
「読み方がわからない単語」「知らない用語」が出てくると、読むのをやめてしまう人は多いでしょう。
インタビューの中でターゲット層に合わないような難しい単語や専門的な用語が出てきた場合は、類語に言い換えたり、注釈をつけたりしましょう。そうすることで読者は記事から離れず、情報を適切に補填しながら読み進めることができます。
ただし、注釈を入れる際は「●●(※△△のこと)」のように、出来る限り補足元のすぐ近くに情報を差し込みましょう。段落や文章の最後に「※1…△△のこと ※2…××という意味」と注釈を入れた場合、読者は大きな視線の移動やスクロールなどをしなければならないためです。
(2)質問文は簡潔にまとめる
インタビュー記事をQ&A形式で書く場合は、質問文は短くまとめて分かりやすくすることがポイントです。過剰に敬語を使っていないかという点に注意しましょう。
▼長い質問文例
『●●』という著書をお読みになって△△と思われたことを仰っていましたが、それを××に活かされたのでしょうか?
↓
▼短くした質問文例
『●●』を読んで△△と思ったとのことですが、それを××に活かしたのでしょうか?
※敬語表現を適宜外し、「何を訊いているのか」を読んですぐに把握できる質問文へ。
また実際のインタビューでは、質問に対し回答が的を外れたものになることも珍しくありません。そういった場合は、用意した質問をそのまま使用するのではなく、回答に合わせた質問文にしましょう。
(3)「動作」を入れて親しみのある文章にする
芸能人などを相手にしたインタビュー記事の場合、読者は回答者のことを既に知っていたり、ファンである可能性が高いです。そういった記事の場合、インタビュー中の「動作」も記事に取り入れると、フランクさのある読みやすい記事になるでしょう。
発言を読みやすいよう文法的に正しく整えた文章のみだと、どうしても人柄は伝わりにくいものです。
例えば、
- 「ラーメンがお好きなんですか?」
- 「はい。」
- 「ラーメンがお好きなんですか?」
- 「はい。(何度も頷きながら)」
の2パターンでは、回答者の人柄に対する印象が変わってきます。
ただし、この動作を組み込み過ぎるとくどくなってしまう可能性があるため、あくまでワンポイント程度になるよう留めましょう。また、ビジネス関連などフランクさが求められない記事もありますので、ターゲット層を意識して使用するかを判断しましょう。
(4)インタビュー相手の意図を汲む
インタビュー相手が言いたいことを伝えられる記事にするためには、相手の話したことをそのまま記事に書くだけではなく、相手の意図をしっかりと汲む必要があります。
特に対面でのインタビューを行った際、重要な情報源として扱いたいのが「相手の仕草」でしょう。
例えば、録音を聞き返して「この話をしていたとき、明るく楽しそうに身振りも多く話していた」という印象があるのであれば、文末に「!」をつけたり、体言止めで整文をしたりすると、その様子が読者にも伝わりやすくなります。
(5)「沈黙」や「言い淀み」は重要
インタビュー相手の意図を汲むという意味では、相手の「沈黙」や「言い淀み」も重要な情報として扱いましょう。
質問に対する回答でも、「はい」「……はい」と書くのでは、回答者の心情に関する情報が大きく変わってきます。
言い淀みに関しては、例えば下記のように、インタビュアーの質問をおうむ返しする回答者からの質問を挟むことで表現できます。
- Q:地元野菜を使った料理が好きとのことですが、海鮮料理はどうですか?
- A:え、海鮮料理ですか?
- Q:はい。海鮮料理についても教えてください。
- A:海鮮料理では……
やり取りのスムーズさを意識するなら、真ん中のやりとりはカットしてすぐに「海鮮料理では……」としても問題ありません。
しかし、あえて入れることでインタビュイーがスマートに回答できなかった様子を見せることができます。
このように、沈黙や言い淀みも記事の内容によっては重要な情報になる点を押さえておきましょう。
(6)安易な言い換えに注意が必要
読みやすい記事を作成するために、難しい言葉を分かりやすくすることは確かに重要です。しかし、インタビューにおいては、分かりやすさを優先するあまり安易に言葉を言い換えてしまうと、インタビューイーが込めた意図を正確に伝えられなくなる可能性があります。
例えば、市長に対するインタビューであまり聞き馴染みのない四字熟語が使われたとします。
同義語の広く知られた慣用句が他にある際、そちらに置き換えた方がいいのでは、と思うかもしれません。
しかし、その四字熟語が姉妹都市を結んでいる外国の都市で生まれた四字熟語で、市政を語る場であえて使用しているとしたら?
別の言葉には言い換えずにそのまま使用した方が、市長の意図を汲んだ記事になるでしょう。
突飛な例ですが、様々な分野の専門性に関するインタビューであれば、「こだわりを持ってこの単語を選んでいる」という人は珍しくありません。
「分かりやすさ」を重視するのも大事ですが、インタビュー相手があえて使用したと思われる単語については、「読みやすさ」と「言いたいこと」のバランスを考え、言い換えをするか慎重に検討しましょう。
【最後に】記事は記憶が新しいうちに書こう!
読まれるインタビュー記事にするためには、インタビューを行ったときの相手の様子をなるべく組み込んだ記事にすることが重要です。そのため、記憶が新しいうちに記事の作成に取り掛かることが重要になります。
そのため、文字起こしにかかる時間はなるべく短縮しましょう。文字起こし業者やAIツールの活用などを検討して記事執筆に時間を割くことが最大のポイントとなります。
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