「座談会記事の書き方がわからない…」「話が脱線して、まとまらない…」そんな悩みはありませんか? 

本記事では、座談会・対談記事作成の目的から、陥りがちな罠、取材時・作成時の具体的なテクニックまで、初心者にもわかりやすく解説します。読者を惹きつける記事作成のコツを掴んで、魅力的なコンテンツを作りましょう!

座談会・対談記事とは?作成する目的やメリット 

座談会・対談記事とは、「複数の人間が参加して行われた会話をまとめた記事」のことです。著名人や文化人、タレント、スポーツ選手などの対談記事は雑誌やWebメディアなどでよく見られます。

通常のインタビュー記事との違いは、参加者同士が自由に意見を交わし、議論を深めていく点です。 インタビュアーが「聞き手」、取材対象が「話し手」と役割が明確に分かれているインタビュー記事とは異なり、座談会・対談では、参加者が「聞き手」にも「話し手」にもなり得ます。

 また、とくに座談会の場合は参加者が多くなるため、多彩な意見や飛び交ったり、ときには論争が起こったりと、脱線しがちになる傾向があります。そんな会話の端々から、参加者の意外な素顔を垣間見えたり、本音が露わになったりする面も見られます。こういった自由さが、座談会・対談記事の面白い部分と言えるでしょう。

要注意!座談会・対談記事が陥りやすい3つの罠

座談会・対談記事は、自由な意見交換が魅力である一方、作成時にはいくつかの注意点があります。ここでは、陥りやすい3つの罠とその対策を紹介します。

罠1: 誰が何を言っているのかわからない

3人以上が参加する座談会では、会話をそのまま文字起こしすると、発言者が不明瞭になりがちです。 

対策:

  • 取材前に、座席表を作成する
  • 発言の最初に必ず「〇〇さん:」と名前を挿入する
  • 声の特徴や話し方の癖をメモしておく
  • ICレコーダーを話者に近い場所に設置する

罠2: 話が脱線して、論点がぼやける

 多くの人が参加する座談会ほど、話が脱線し、本来のテーマから逸れてしまうことがあります。

例えば、参加者Aさんの発言中に参加者Bさんが自分の意見を話しはじめる、あるいは複数の参加者が同時に自分の意見を主張する、といったケースは座談会ではよくあります。こうした状況をそのまま記事にすると論点がほやけた内容になってしまいます。

対策:

  • 脱線部分は、別セクションにまとめる
  • 本筋に関連付けて再構成する
  • 別コンテンツ化する
  • 場合によってはカットする

罠3: 結局、何を伝えたいのか不明瞭になる

話が脱線したり、議論が白熱した座談会をそのまま記事とすると、記事全体として何を伝えたいのかが不明瞭になってしまうことがあります。

対策:

  • 記事の目的・ゴールを明確にする
  • 結論や重要なポイントを、記事の冒頭や末尾で提示する
  • 構成をしっかり練り、ストーリー性を持たせる

効果的な座談会記事にするための3つのポイント【取材編】

後で記事にしやすく、読んでいて面白い座談会記事にするためには、まず取材の段階でいくつか意識しておくことがあります。話が脱線しすぎたと思ったときに本来のテーマに戻すよう促すなども重要ですが、後で記事にしやすくするためには、以下の3つのポイントを意識するのがとくに効果的です。

ポイント1:参加者の名前を積極的に呼び、発言者を明確に

発言を促す際は、できるだけ名前で呼びかけましょう。「あなた」ではなく「〇〇さん」と名前で呼ぶことで、後で文字起こしをする際に、発言者を特定しやすくなります。

悪い例:「あなたはどう思いますか?」
良い例:「この点について、〇〇さんはどう思われますか?」

ポイント2:発言の少ない人からも話を引き出す 

座談会では、雄弁な人とあまり話さない人の差が出やすくなります。 発言が少ない人からも積極的に意見を引き出し、参加者全員の意見をバランスよく記事に反映させましょう。

他の人の発言に対して意見を求めたり、その人の経歴や活動を踏まえた上で発言を促したりしましょう。

具体例

「〇〇さんは、以前に△△関連のお仕事をされていましたが、その経験から何か感じることはありますか?」
「〇〇さんは、このテーマについてどのようなご意見をお持ちですか?」

ポイント3:参加者自身の言葉で語ってもらう

参加者の本音を引き出すためには、できるだけ自身の言葉で語ってもらうことが重要です。「Aさんに同意です」で終わらせず、同意する理由や背景を、自分の言葉で説明してもらいましょう。

具体例

「Aさんと同じ意見とのことですが、具体的にどのような点に共感されましたか?」
「〇〇さんの視点から、この問題についてどのようにお考えですか?」

効果的な座談会記事の書き方3つのポイント【作成編】

座談会を記事にする際には、読み手のことを考えた整理・構成が重要になってきます。あくまで読み手がわかりやすく、読みやすく、そして面白く感じられる内容にすることが、書き方における最優先ポイントとなります。

ここでは、座談会記事を作成する際に意識すべき3つのポイントを解説します。

ポイント1:参加者のアイコンを用意する

座談会に参加した人数が多くなればなるほど、読み手はひとりひとりを区別するのが難しくなってきます。その対策として、名前だけでなく顔写真などのアイコンを用意してみましょう。

名前だけでなくアイコンで視覚的に参加者を見分けることができるようになるので、よりスムーズに記事を読み進めていくことができるようになります。

アイコンは、参加者のイメージに合ったものを選ぶのもポイントです。参加者本人たちに用意してもらうのも、個性が出ておすすめです。

ポイント2: 文字起こしで話者を正確に聞き分ける

 発言者を正確に特定するためにも、文字起こしの際は話者をしっかりと聞き分け行っていくよう心がけましょう。ひとりひとり声だけでなく話し方にも差が出てきますから、話し方からも聞き分けを行っていくのがポイントです。

話者班別のポイント

・「Aさんのことを名字で呼び捨てにするのはBさん」
・「癖のある相槌はCさん」
など

現在は、AIによる文字起こしにより自動で話者を識別してくれるツールもありますが、精度に課題があり、人間による識別の方が優れている場合があります。座談会記事の作成は、文字起こしライターが話者判別をしっかり行って作業するサービスを利用した方がよい理由ともなっています。

ポイント3: ストーリーを意識した構成で、読者を惹きつける

座談会記事は、話の流れをそのまま書き起こすのではなく、読者が理解しやすいように構成を工夫することが重要です。テーマに基づいたストーリーを設定し、それに沿って記事を構成しましょう。

構成作成のチェック項目

✅目的の明確化: 何のために座談会を開催したのか、読み手に何を伝えたいのか目的を明確にする
✅話の流れを作る: 決めた目的をもとに大まかな話の流れを決める。
✅脱線対策: 話がそれた場合にカットするか、どの部分に入れるかを想定しておく。
✅脱線対策: 話がそれた場合にカットするか、どの部分に入れるかを想定しておく。

座談会記事の構成例

1. 導入: 座談会のテーマ、目的、参加者を紹介
2. 本題: テーマに沿って議論を展開
3. 脱線した話題: 本題からそれた話題は、別のセクションにまとめる
4. 結論: 座談会のまとめ、今後の展望など
5. 脱線部分の活用例:
(記事の最後に「おまけトーク」として掲載する)
(別の記事やコンテンツとして独立させる)

【補足】補足: 読みやすい文章にするためのテクニック

1文を短く、簡潔に

1文が長いと読みにくくなるため、できるだけ短く簡潔な文章を心がけましょう。接続詞を適切に使い、文を区切ることで、テンポよく読める文章になります。

Before: 
座談会は、複数の人が参加して、自由に意見を交換し合うため、話が脱線してしまうことがよくありますが、それをそのまま記事にしてしまうと、何を伝えたいのかわからない記事になってしまいます。

After:
座談会では、複数の人が自由に意見を交換します。そのため、話が脱線してしまうこともよくあります。しかし、脱線した内容をそのまま記事にすると、何を伝えたいのかわからない記事になってしまいます。

会話文は「」でくくり、読みやすく

発言は「」でくくり、地の文と区別することで、読みやすくなります。また、長すぎる会話文は適度に分割し、間に地の文を挟むと、より読みやすくなります。

Before:
Aさん:今日はよろしくお願いします。Bさん:こちらこそよろしくお願いします。Cさん:よろしくお願いします。

After:
Aさん:「今日はよろしくお願いします。」 Bさん:「こちらこそよろしくお願いします。」 Cさん:「よろしくお願いします。」

座談会記事を書く時のよくある質問

Q. 座談会を録音したけど、どうやってテキストにすればいいの?

A. 通常は、録音した音声データを再生し、耳で聞きながら、記事のベースとなるテキストを入力していきます。このことを「文字起こし」といいます。

「文字起こし」の方法は3種類あります。

1:自分で行う
2:アプリやツールを使う
3:プロに依頼する

Q. 文字起こしを外注するメリット

A. プロのライターに依頼することで、時間と手間をかけずに、質の高い原稿を用意することができます。特に、話者の特定や専門用語の文字起こしは人の手による文字起こしのメリットとなります。

Q. 座談会と対談の違いは何ですか?

A. 明確な定義はありませんが、一般的には、座談会は3人以上の複数人で行うもの、対談は2人で行うものを指すことが多いです。

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