文字起こしや書き起こしについて調べていると、「反訳」「書き起こし」という言葉に出会ったことはありませんか?

特に反訳はあまり馴染みのない単語ですが、読み方は「反訳」=「はんやく」と読みます。

文字起こしの話の中で相手がずっと「反訳」「書き起こし」と言っていたり、サービス名に「反訳」「書き起こし」というワードが出てきたりすることもあるでしょう。

あまり聞き慣れない言葉なので、どんな意味か知らない方は、「文字起こしとは違うものなの?」と疑問を持たれると思います。

では、「文字起こし」「反訳」「書き起こし」は、違うものなのでしょうか?

録音音声の「文字起こし 」 「 反訳 」「 書き起こし 」 の違いは?

「文字起こし」「書き起こし」「反訳」は、現在同じ意味で使われている言葉です。

「書き起こし」は文字に書いて起こすという意味なので、例えば文字起こし業者に「音声データを文字に書き起こして下さい」と注文しても、問題なく文字起こししてもらえます。

「反訳」は辞書で調べると、

いったん翻訳したもの、または、いったん速記したものを元の文字や言葉に戻すこと

とされていたり、単に

翻訳と同じ

としている辞書もあります。

そのため、なぜ文字起こしや書き起こしという意味で使われるのかがわかりにくいのではないでしょうか。

では、反訳の元の意味と、それが文字起こしに使われるようになった理由を説明しましょう。

元々は速記や翻訳で使われていた言葉「反訳」

反訳とは、文字通り【反対に訳す】ということです。

つまり、外国語から日本語に翻訳したものを元の言葉に戻すこと、または、話し言葉を速記符号にしたものを元の話し言葉に戻すことという意味があります。

このように、もともとは翻訳や速記で使われていた用語が「反訳」です。

ただ、今では翻訳のことを反訳ということは少なくなりましたし、速記についても速記自体のニーズが以前より減ったため、この例で使われるケースも少なくなりました。

そのため今では、主に話された音声を文章化する文字起こしのことを指すようになったのです。

以前は、文字起こしを反訳と呼ぶのは誤用ともされていましたが、今ではすっかり定着しています。

そのため、「反訳をお願いします」と文字起こし代行業者などに言っても、特に問題はないでしょう。

実際に「反訳」とネットで検索するとわかりますが、今では速記に関することより、文字起こしやテープ起こしなど、音声データを文字にする意味で使われている例の方がはるかに多いですからです。

文字起こしとは録音音声の反訳作業

「文字起こし」「書き起こし」も、録音した音声を文字化するという意味では反訳であることに違いありません。

実際、文字起こしや書き起こしのことを「音声反訳」とも呼びます。

なお、文字起こしを行う人のことを、

  • テープライター
  • テープリライター
  • リライター

などと呼びますが、日本語では「反訳者」とするのが一般的です。

「反訳」に似た用語「反訳書」とは?

訴訟等を行う際に、録音した会話などの音声や通話記録等を証拠として提出する場合には、録音した音声と音声の内容を文字起こし(反訳)した書類を一緒に提出しなければならないケースが多々あります。

その文字起こし(反訳)した書類が【反訳書(はんやくしょ)】と呼ばれます。

訴訟の際に提出する反訳書は必ずしも専門家が作成する必要はなく、自分で作成したものでも受け付けてもらうことが可能です。

ただし、反訳(文字起こし)する際には、事実をありのままに、全ての内容を文字起こしすることが大切です。

そのため、文字起こしの方法としては「素起こし」で作成することをおすすめします。

裁判用に文字起こしを検討されている方向けに、文字起こしや録音の方法についてまとめている記事がありますので、ご参考くださいませ。
↓  ↓  ↓

会話音声を裁判法廷用に有利な証拠にする!録音と文字起こしのやり方とコツとは?

パワハラやいじめの証拠集めに役立つ!強力な証拠にするレコーダー選びや録音方法

★その他オススメ記事:「ケバ取り」「素起こし」「整文」の違いとは?文字起こし方法の基本的な3種類を解説

【基礎知識】文字起こし(反訳)(書き起こし)の基本的な種類

一般的に文字起こしは3種類に分けられます。

それぞれ簡単にご紹介しましょう。

素起こし

素起こしとは、音声を一言一句そのまま文字化する作業のことです。

「あのー」、「えーと」などの意味を持たない言葉、言い間違いや言いよどみもそのまま書き起こします。

文章としては読みにくいですが、話の場の雰囲気が伝わりやすいのが特徴です。

裁判の証拠や会話分析、カウンセリングなど、その場の雰囲気を含めて正確に記録することが求められる場合には素起こしが用いられます。

「素起こし」の主な利用用途

  • 証拠書類(反訳書等)
  • 会話分析
  • 言語研究
  • カウンセリング 等

会話音声を裁判法廷用に有利な証拠にする!録音と文字起こしのやり方とコツとは?

「ケバ取り」「素起こし」「簡易整文」の例文・おすすめの利用シーンはこちら

ケバ取り

ケバ取りとは、上記の素起こしで書き起こした意味のない言葉や言い間違いなどを取り除き、意味の通る読みやすい文章にする方法です。

ただ、話し口調や語尾、語順などはそのまま文章にするため、話し言葉のまま会話の場の雰囲気を損なわずに記録できるという特徴があります。

「ケバ取り」の主な利用用途

  • インタビュー
  • 講習会
  • 討論会
  • 座談会
  • 会議 等

インタビュー音源を文字起こしする際のコツと流れ!業者に外注するメリットとは?

「ケバ取り」「素起こし」「簡易整文」の例文・おすすめの利用シーンはこちら

簡易整文

簡易整文とは、ケバ取りした文章にさらに手を加えて読みやすく手直しする作業です。

口調や語尾などを含め、話し言葉を書き言葉に改めるほか、語順を整理したり表現をわかりやすくしたりして、美しい文章に仕上げます。

また、話し手の話す内容が明らかに誤りの時は、その訂正も行います。

会話の雰囲気は損なわれますが、読みやすさと情報の正確さを重視する際に選ばれる方法で、公的な印刷物や資料などに用いられることが多いです。

「整文」の主な利用用途

  • 資料作成
  • WEBサイト掲載用の文章
  • 会報などの印刷物 等

会議内容や議事録の文字起こしをするときの注意点は?

「ケバ取り」「素起こし」「簡易整文」の例文・おすすめの利用シーンはこちら

この3種類を状況や利用目的によって使い分け、適切な文字起こしを行うようにしましょう。

まとめ

ここまで文字起こしと反訳の違いについて見てきました。

結論としては、文字起こしも反訳も現在は同じ意味で用いられているということです。

しかし、「文字起こし」や「反訳」や「書き起こし」という言葉を含む文字起こし業者やサービス名はたくさんあるので、選ぶのが難しいですよね。

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最後にご紹介した3つの起こし方も全て対応していますので、思うような文字起こし原稿に仕上がりますよ。

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