「インタビューや会議の内容を文書として残しておく」「動画に字幕を付けるために文字起こしをする」などの場合、正確にすべての言葉を文字にしたいですよね。

でも、レコーディングされている元の音源が聞き取りづらかったり、
音飛びしたりと、なかなか綺麗に録音出来ていないことも少なくないかと思います。

こうなると、その部分を空白にせざるを得なくなり、文字起こしの内容が薄くなってしまいがちです。

こうした事態を避けるためには、会話を録音する時にいくつかのコツを押さえておくことが大事になってきます。

録音のコツを覚えておくと、自分で文字起こしをするのが楽になりますし、業者に依頼する場合も雑音が少ないということで、料金を安くしてもらえることもありますよ。

では、具体的にどんな方法で録音したら良いのかをチェックしてみましょう。

声をクリアに録音する方法

ICレコーダーやボイスレコーダーで録音するときは、ちょっとした工夫やコツで よりクリアで聞き取りやすい音声 を録音することができます。

以下では、簡単な工夫で声を綺麗に録音する方法を6つ紹介します。

①良い録音機を選ぶ

あたりまえのことですが、音質のクリアさは、録音される音声の質に直結します。近年では、スマートフォンの性能が向上していますが、専用の機器と比べると劣っているものも多いです。

文字起こしをする必要があるのであれば、ICレコーダーを使うのがベストです。スマホはいろいろな音を同時に拾って、その場の雰囲気を再現するのに適していますが、ICレコーダーは人の声を録音することに特化して作られています。

ICレコーダーを選ぶ際は以下の点を気を付けると良いでしょう。

  • マイクの感度: 感度の高いマイクは、小さな音もしっかりと拾うことができます。
  • ノイズキャンセリング機能: 周囲の雑音を低減する機能があると、クリアな音声を録音できます。
  • 録音フォーマット: 録音フォーマットによって音質が変わります。高音質を求めるなら、リニアPCMやWAV形式がおすすめです。
  • 録音時間: 録音可能な時間を確認し、必要な時間に対応できるものを選びましょう。
  • 操作性: 録音開始・停止などの操作が簡単なものを選びましょう。

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②マイクを使うとクリアさが全く違う

声をクリアに録音したい場合は、『マイク』を使うのがおすすめです。

マイクを使うと、その前で話している人にフォーカスして録音することができ、録音されるボリューム自体も上がりますので、より聞き取りやすくなるというメリットがあります。

マイクは、小型のものでも構いません。インタビューをする時や、動画を撮る時には話す人の前にマイクを置くようにしましょう。

ICレコーダーにもマイクを接続できる端子が付いている機種が多いので、可能であればマイクを使って録音するようにすると、音質がクリアになります。

③事前にきちんと録音できているかチェック

クリアな音声を録音するためには、事前の準備も大事です。本番前に綺麗な音声が記録されるかテストしてみましょう。

その際には、できるだけ本番に近い状況で行うことがポイントです。

もし、一対一のインタビューを録音するのであれば、聴く側と話す側の両方の位置に座って、それぞれの声がどのように聞こえているかをテストするとより安心です。また、会議の場合は、遠くの席にいる人の声が小さくなってしまう傾向がありますので、その場合に録音機器を移動させた方が良いかなどを確認するのも、聞き取りやすい音入れをするコツです。

④どこで録音するかを検討する

準備の一つのポイントとして、レコーディングをする場所を選定することも重要です。

インタビューをする場合などは、室内で録音することが多いですね。その際には、レストランや喫茶店などはできるだけ避けた方が良いでしょう。

というのも、こうした場所では周りの人の会話が入り込んできやすく、話者の音声にかぶさってしまうからです。車や風の音などの環境音の中でも、人の声というのは、文字起こしをする時に最も邪魔になってしまう音です。

文字に起こすべき人の声なのか、記載する必要のない雑音なのかの判別が付きづらいからです。

対談をする場合など、喫茶店というのは定番とも言える場所ではありますが、文字起こし用の録音という観点からはあまりオススメできません。

どうしても喫茶店でないと録音が出来ない場合は、店員さんに相談し、なるべく人通りが少なく静かな席を選びましょう。

室外で録音する場合は、雑音ができるだけ入らないところで行うのが原則です。

特に車の騒音は外で入りやすい雑音の一つですが、会話にかぶると聞き取りが大変難しくなります。

また、風切り音も文字起こしの大敵です。

風がマイク部分に直接当たると会話が全く聞き取れなくなってしまうこともありますので、風が当たらない場所を選んだり、マイクに風がぶつからないようにしましょう。

⑤ICレコーダー、ボイスレコーダーの置き場所にもこだわりを

レコーダーの置き場所の基本は、話者にできるだけ近い位置に置くです。雑音が入らず、話者の口との間に障害物がない状態にすることが大切です。また、録音する状況や目的に合わせて適切な場所を選ぶことが重要です。

扇風機やエアコンの風が直接当たるところは避ける

レコーダーの置き場所で「扇風機やエアコンの風が直接当たるところは避ける」理由は、 風切り音 が録音されてしまうからです。

風切り音とは、風がマイクに直接当たることで発生するノイズです。

扇風機やエアコンの風がマイクに当たると、 「ゴーッ」 といった低い音や 「ヒューッ」 といった高い音が録音されてしまい、音声の明瞭さを損なう原因となります。

風切り音は、特に 指向性マイク を使用する場合に顕著に現れます。指向性マイクは、特定の方向の音を拾うように設計されているため、風などのノイズも拾いやすくなってしまうのです。

パソコンのすぐそばに置かない

意外にやってしまいがちなのが、パソコンのすぐそばに置くということです。

パソコンが熱を持つとファンが回転し始め、その音が雑音となってしまい、綺麗な音が録れなくなってしまうので、たとえ自分の耳には聞こえないくらいの音でも注意する必要があります。また、内容をメモしようとパソコンに入力しながら録音を行うと、そのタイピング音も大きな雑音となるので注意しましょう。

機器の下にハンカチなどの布を敷く

机の振動というのは意外と大きな音量で録音されてしまい、スマホを置く音や指で叩く音などが会話を邪魔してしまうのですが、布を敷くことで机の振動が緩和され、音声を綺麗に収録しやすくなります。

⑥置く距離を調整する

2人で話す場合

インタビューのように2人で話す場合であれば、向かい合って座ることが多いですね。こうしたケースでは、録音機を両者の真ん中、もしくはメインとなるインタビューを受ける側の話者に近づけて置きます。

3、4人で話す場合

3、4人で話している場合は、できる限りそれぞれの人から均等の位置にレコーダーを置きます。

そのためにも、参加者の位置をあらかじめ決めておくと良いでしょう。理想的なのは、レコーダーを中心として円陣を組むようにして、周りに参加者がいることです。

大人数で話す場合

会議のように大人数になる場合は、どうしても参加者同士の距離が遠くなってしまうので、工夫が必要になります。マイクを複数接続したり、話者の位置に応じて録音機を近くに持って行ったりするなどの調整ができればベストです。

もし難しいようであれば、ホワイトボードや司会進行役の人の方向に顔を向けて話してもらうよう参加者に促し、その正面に録音機を置きます。

大事なのは、レコーダーの指向性を理解して、常に話者の口元にマイクが向いているようにすること、そしてその距離をできるだけ縮めることです。

話し方にも気を付けよう!

録音をする側だけでなく、話す人にも注意を促すことで、音入れの質をかなり向上させることができます。

ここで取り上げているコツは、相手にとって理解しやすい話をしたり、プレゼンのスキルを伸ばしたりするためにも役立つことですので、参加者の間で共有してみてください。

実際に収録を始めるに当たってお願いしたいこととして、事前に軽く説明するのも良いかもしれませんね。

①丁寧にハキハキと

一気に長い文をまくしたてるのではなく、一文ごとに丁寧に話すことで、口を大きく開いてハキハキとして口調で喋ってもらえるようにしましょう。

ついつい早く話してしまう傾向があるのであれば、句読点の休止を少し長めに取ると良いですね。

それだけでもずっと明朗な話し方になりますし、心理的にも丁寧に話すように自然と意識できるようになりますよ。

②声の大きさ

ボリュームの小さい声というのは、文字起こしを難しくさせる大きな障害です。

がなり立てる必要はありませんが、できるだけ大きな声で話しましょう。

特にレコーダーと距離がある人は、声のボリュームには注意が必要ですよ。

また、普段から小声で話す人に対しては、隣の部屋にいる人に話すような気持ちで、もしくは遠くに話しかけるボリュームで話してみて、とアドバイスしてあげるのもおすすめです。

特に最近はマスクやアクリル板などを挟んで録音することも多いかと思いますが、その場合、声量は思っているよりも小さくなっていますので注意しましょう。

③話すスピード

ゆっくりと話すのは、相手にとって聞き取りやすく、文字起こしがしやすくなる大事なポイントです。

あまりに早く話すようであれば、その部分をゆっくり繰り返してもらうなどいして、分かりやすい録音となるようにしましょう。

会議などでは一人が早く話し始めると、その勢いにつられて周りの人もスピードアップしてしまうことがよくあります。

そんな雰囲気を感じ取ったら、司会進行役の人が上手に調整して、もう少しゆっくりと話してもらうように促してみてください。

④声が他の人と重ならないように

初めの話し手が話を終えていないのに、他の人が話し始めてしまうことはよくあります。

これもまた、文字起こしをする時に障害となる問題です。

特に同時に2軸での会話が行われてしまうと、文字起こしする人は「どちらがメインの会話なのか」と迷ってしまいますし、両方の会話が聞き取り辛くなってしまいます。

そうならないように、相手が話を終えてから自分が話すことをお互いに心がけると共に、司会の人がうまく取り仕切っていくことが肝心です。

発言者を司会者が指す形式にしたり、途中で誰かが会話にかぶせてきたら、少し待ってもらうように促したりすることも、うまく録音するコツの一つです。

⑤ 方言が強いと起こしにくい

文字起こしを業者に依頼する場合には、できるだけ会話の中に方言が入らないようにしましょう。

作業者が知らない方言だとその意味をつかめないので、正しい意味で起こせなくなる危険もあります。

参加者の中に方言が強い人がいて、標準語で話すのが難しそうであれば、その方の後に標準語で言い直すなどの対策を採るのも一つの手です。

⑥なるべく専門用語は避ける

専門用語が多くなると、その知識を持っていない作業者は正しい単語、表記での文字起こしが難しくなってしまいます。

専門的な内容が多い音源の場合は、特別専門知識を持っている人に頼む必要が出てくるため、料金が割り増しになる場合もあります。

また、文字起こしの精度が下がってしまうというリスクも出てきます。

こうした事態を避けるためにも、専門性の高い用語や、関係者以外はあまり使わない業界用語は極力使わないようにしましょう。

同様に略語や、日本語が存在するのに英語の単語を使うなどということも避けると、より正確な文字起こしができるようになりますよ。

⑦単語単位での発話は同音異義語の区別が難しい

「○○。」とか「ああ、○○。」のように、単語だけで話を進めてしまうと、文字起こしを行う人に意味が伝わらず、正しく作業できないことがあります。

作業者は同音異義語などの正しい表記を前後の文脈から推測しますが、特に雑談部分などで文脈が飛んでいると、正しい表記の特定が難しくなります。

そのため、単語だけで話を切ってしまうのではなく、できるだけ前後の説明を付けるように話をするよう心がけましょう。

その他気を付けると良いこと

より質の高い文字起こしをするという観点から、録音する際に以下のようなことも気を付けると、ぐっと正確性が増しますよ。

逆に言うと、文字起こしをしない場合はほとんど考えないことでもありますので、意識して収録に臨みましょう。

①ノイズキャンセルを利用する

会話を遮ってしまうほどの雑音でなくても、雑音が常に入っていると聞き取りが難しくなり、作業に手間がかかるものです。

そのため、音源にノイズキャンセリングをかけてクリアな音にすると、かなり質が上がります。

こうしたノウハウを持っていないのであれば、文字起こし業者にノイズキャンセルも同時に依頼するというのも一つの手ですよ。

②念のためもう1つレコーディングしていると安心

常に2つ以上のレコーダーを用意して、同時に録音しておくことにはメリットがあります。

まず、片方の機器に不具合が生じたりバッテリーがなくなったりしても、確実に録音を続けることができるという保証が生まれます。

また、異なる場所に複数のレコーダーを置くことで、それぞれの場所に近い話者の声をよりクリアに拾えるようになります。

特に大人数での会議や、雑音がどうしても入ってしまう環境であれば、複数のレコーダーを聞き比べしながら文字起こしすると、1つのレコーダーで文字起こしするより、正確に文字起こしが可能です。

③音声だけでなく動画を収録する

より正確な文字起こしを望むのであれば、音声だけでなく動画という形でレコーディングをするのも一つの方法です。

電話越しで話すよりも、対面で話した方が相手の言っていることを理解しやすいのと同じように、動画では口の動きや会話の雰囲気を見ることができるため、文字起こしの際の理解度が深まります。

特に、複数の人が入れ代わり立ち代わり話をするシーンや、多人数の会議などでは、誰が話をしているのか把握しやすくなります。

文字起こしでは、それぞれの話について誰が話者かを記載することが多いので、こうした配慮があると話者の区別が楽にできるのです。

④音飛びに気を付ける

普通に会話をしていると、多少音飛びがあっても話の前後の流れから理解できるものです。

しかし、文字起こしではその場の流れが分からないものですし、音飛びで聞こえないところを憶測で埋めるような作業はできません。

特に最近はリモートでの会議や商談が多くなっていますので、この点には注意したいものです。

インターネットの関係で声が途切れてしまったり、話し手の切り替えのタイミングがうまく行かず頭が切れてしまったりすることがあります。

また、使用するアプリによっては、新たに話し始めた声にフォーカスし、それ以外を雑音として音量を小さくする機能が備わっています。

そのため、相槌を打つとメインの話の音量が絞られてしい、結果として音飛びのような状態になることもあるので注意しましょう。

外伝!文字起こし業者に依頼する時のコツ

自分で文字起こしすることもできますが、やはりかなり時間がかかります。

なによりも、慣れてない人が文字起こしをすると、仕上がりの品質に保証が持てません。

簡単そうに思えても、実際やってみると文字起こしはなかなか難しい作業になります。

そのため、この道のプロに任せると、質が高く正確な文字起こしができて安心です。

依頼する際には、次のような点を気を付けると、よりお得に、かつ正確に文字起こしをしてもらえますよ。

①概要や関連資料を文字起こし業者に伝える

たとえば「会議の議事録」「YouTube用の動画テロップ」など、音源がどのような目的でレコーディングされたものかを伝えましょう。

また、そこで話されていることのテーマや、ある程度の概要や理解を深めるための資料、専門用語のリストなどを渡すと、より作業はスムーズになりますし、精度も増します。

ただし、たくさんの資料を用意すると作業者が必要な情報を探し出すのにかえって手間取ることもあるので、音源の内容に関係する、必要な情報だけを選んで渡すと良いでしょう。

②話者人数を事前に把握して伝える

複数の人が会話に加わっているのであれば、その人数とそれぞれの人の特徴を伝えておきます。

性別や肩書、名前を挙げて話し合っているのであれば、その名前をまとめて渡すと、話者の区別が付きやすくなります。

また、名前を記載する時も漢字等の表記間違いもなくなって、より正確に仕上げられますよ。

③レコーディングする際に自己紹介する

音入れの冒頭に、誰が参加しているか、全員で自己紹介すると、音声だけの場合でも話者の区別がしやすくなります。

文字起こしの作業者は名前と声の質が一致しますし、マイクからの位置関係もなんとなく分かって、判別が楽になるのです。

自己紹介は1分もかからずにできるものですが、文字起こしの精度を上げるためには高い効果がありますので、文字起こしの依頼を検討しているのであれば意識して行ってみましょう。

まとめ

このように、せっかく文字起こしをするのであれば、やはり正確で分かりやすい仕上がりを求めたいものです。

綺麗に録音できたら、正確に文字起こしができるだけでなく、安価に文字起こししてもらえる可能性が高いので、一石二鳥ですよね。

そのためには、録音する際に取り上げたようなコツを実践することが大事です。

同時に、実績がある業者を選んで依頼するというのも欠かせない点と言えます。

WITH TEAM 文字起こし」はインタビュー音源、会議、動画のテロップ作成用、裁判用音源など、様々な用途の文字起こしを行ってきた実績と高いノウハウがあります。

綺麗に収録されている音源であれば、安く早く納品できるという強みも持っています。

たとえば、60分程度の音源で、「けばとり」と呼ばれる、「えー」などの無駄な言葉を省いた形式の文字起こしであれば、土日祝は除いて中1日か~2日程度でお渡しできます。

料金は内容にもよりますが、1分120円が基本となっていてリーズナブルな価格というのも特徴です。

自分で文字起こしする時間がない方は、是非ご検討くださいませ。

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