掲載用の記事を作成したいという場合には、取材の音声を録音することが多いですよね。
しかし、実際に録音しようとすると、どういう流れで行えばいいのか分からない方も多いと思います。
そこで、今回は取材した音声や動画を元に記事作成を行うコツについてご紹介していきます。
全体の流れとコツを押さえれば、初心者の方でも取材時の音声から記事を作成することができるようになりますよ。
記事作成の主な手順としては三つです。
①取材時の音声を録音・録画する
②文字起こしをする
③記事を作成する
一つずつポイントをご紹介していきます。
取材時の音声を録音・録画する
話を聞きながら、その場で一言一句を文字に書き起こしていくことは難しいですよね。
そのため、ほとんどの方は取材時の音声や映像を録音・録画すると思いますが、
重要なことは「話者の話がはっきりと聞き取れるように録音する」ということです。
当たり前のことのように思えますが、実は、録音時にはあることに気をつけないと、そのあとの文字起こしや記事作成時に、非常に使いづらい音源になってしまいます。
そのポイントは、次の2点です。
①インタビューを始める前に録音の音量をチェックする
②インタビュー中は過度な相槌を打たない
音量バランスをチェックして明瞭に録音する
録音した音声を聞いてみると、インタビュアーの声は大きく明瞭に聞こえるものの、肝心のインタビュー相手の声が小さくて聞き取りづらいということがあります。
そうなってしまっては、せっかくの取材も台無しですよね。
そういった録音ミスを防ぐためにも、可能であれば取材を開始する前に一度テスト録音をさせてもらいましょう。
そしてテスト録音をその場で聞いて、インタビュアーとインタビュー相手の声量のバランスに問題がないかどうか、チェックしてみてください。
もし声量のバランスに問題がある場合は、録音するマイクの位置を調整します。
オンライン取材の場合は、サウンドのボリュームを調整してください。
この作業を行うことで、後の文字起こしや記事作成がぐっと楽になりますよ。
インタビュー中の過度な相槌はNG
二つめのポイントは、インタビュー中に過度な相槌を打たないということです。
相手に共感を示し、話を引き出すために相槌は打ちたくなるものです。
しかし、録音中はかえってその相槌が邪魔になってしまうことも。
取材を終えて録音を聞いてみると、相手の重要な話にインタビュアーの相槌が重なって聞き取れないということがあります。
特に最近はコロナの影響もあり、Zoomなどのツールを使ったオンラインでのインタビューも多くなってきています。
オンラインツールの中には、メインの話者以外の音声は小さくする機能があることも。
そういった機能では、相槌にフォーカスが当たるとインタビュー相手の音声がプツプツと途切れてしまったり、極端に音が小さくなってしまったりする場合もあります。
相手の話をしっかりと録音・録画するためには、「相手が話している最中には相槌を打たない」ことが重要です。
相槌の代わりに頷く・復唱する
しかし、ただ相手の話を黙って聞くというのも気持ちが悪いですよね。
そこでオススメなのは、大きく頷くという動作です。
特にオンラインの場合は動作が伝わりづらいので、少々オーバーなくらいに頷いても良いでしょう。
そして、相手の話が一区切りしたタイミングで、時折「~ということなのですね」と内容を復唱することで、相手の話を聞いていたという意思表示にもなりますし、相手の活舌があまり良くないときなどは、話のポイントをはっきりと録音に残すこともできます。
頷きや復唱をうまく活用して相手が話しやすい状況を作り、重要な情報を確認するようにしましょう。
また、インタビューではなく対談形式などの録音の場合は、相槌を打たないようにすることを参加者全員に共有できるとより良いですね。
以上の点に気をつけて、はっきりと聞き取れる録音を心がけましょう。
文字起こしをする
インタビューを終えたら、次はその録音を基に文字に起こしていきます。
この作業は「文字起こし」「テープ起こし」「反訳」などと呼ばれ、インタビュー記事を作成する上では非常に重要です。
文字起こしの起こし方には主に「素起こし」「けばとり」「整文」があります。
自分で文字起こしから記事作成まで行う場合には、起こし方はそれほど重要ではありませんが、文字起こしを他の人に依頼する場合は、起こし方の指定も非常に重要です。
雰囲気や感情を掴むのにお勧め:文字起こしの種類「素起こし」
素起こしは「あのー」などの意味のない言葉(ケバ)まで一言一句起こす起こし方です。
笑い声や話し方の細かなニュアンスまで文字として起こすため、その場の雰囲気や話者の感情まで知りたい方にオススメです。
ただし、文字数が非常に多くなるため、素起こしの原稿を元に記事にまとめるのは少々大変かもしれません。
素起こしの文章例:
【Aさん】あのー、大変じゃない?お、え、音声聞いて記事作成って。
【Bさん】ふふっ。確かにたへっ、大変ですね。
最もポピュラーなバランス型:文字起こしの種類「けばとり」
けばとりはケバや笑い声を起こしませんが、文章自体を書き換えることはしないため、話者のニュアンスもある程度残しつつ、原稿全体をすっきりと仕上げることができます。
最もポピュラーな起こし方で、全てのジャンルの記事作成にオススメです。
けばとりの文章例:
【Aさん】大変じゃない?音声聞いて記事作成って。
【Bさん】確かに大変ですね。
内容把握や記事作成の時短にオススメ:文字起こしの種類「簡易整文」
簡易整文はケバを起こさないだけではなく、文法として正しく語順を入れ替えたり、話し言葉を書き言葉に整えたりします。
ある程度整えられた文字起こし原稿を元に記事作成をしたい場合に有効で、特に学術系などの堅いテーマにオススメです。
反対に、雰囲気を重視したい場合には不向きでしょう。
また、文字起こしをする人の技量によっては、本来の意図とは異なる整文をされてしまう可能性もあります。
心配な場合は、同じ音源に対してけばとり原稿と簡易整文原稿の2パターンを依頼することで、大事なポイントが漏れてしまうことを防止できますよ。
簡易整文の文章例:
【Aさん】音声を聞いて記事を作成するのは、大変ではないですか。
【Bさん】確かに大変ですね。
以上の三つが文字起こしの基本的な起こし方です。
文字起こしを人に任せる場合は、それぞれの用途に合わせた起こし方で依頼するようにしましょう。
記事を作成する
文字起こしが終わったら、文字起こしした原稿を元に記事を作成します。
記事作成のやり方は人にもよりますが、おすすめは以下の流れです。
①重要な部分と不要な部分を分ける
②記事全体の構成を考える
③文章を整え、文字数を調整する
④校正を第三者に依頼する
重要な部分と不要な部分を分ける
文字起こし原稿には、絶対に記事に載せたい内容と不要な内容が含まれているので、まずはそれらを仕分けします。
おすすめはマーカーで色分けする方法です。
重要な内容は黄色、余裕があれば載せたい内容は水色、不要な内容はグレーなどでマーキングすると、記事を組み立てる際に目が滑りにくくなりますよ。
ポイントは、不要そうな部分もあとで使用する可能性があるので、消さずにグレーアウトしておくという点です。
記事全体の構成を考える
内容の仕分けが終わったら、次は記事全体の骨組みを考えていきます。
重要なポイントは、先に読んでほしいため冒頭に記載する、盛り上げて締めたいので最後に記載するなど、記事のターゲットや目的によっても構成は様々です。
全体の流れを決めたら、文字起こし原稿からコピー&ペーストして文章をブロックごとに配置していきます。
必要であれば、このタイミングで見出しもつけましょう。
文章を整え、文字数を調整する
配置が終わったら、記事完成に向けて文章を整えていきます。
3000字程度など、文字数に指定がある記事の場合は調整してください。
この段階では指定文字数を超えていることが多いので、不要な言葉を削除したり、短い言い回しに書き換えたりしていきます。
もし指定の文字数に足りない場合は、短い言葉を丁寧に説明したり、グレーアウトした部分から補足情報や話者の人柄が分かる内容を付け足したりします。
校正を第三者に依頼する
記事用の文章を作成したあとには、日本語として正しいか、分かりづらい点はないか、校正にかけた方が良いでしょう。
自分で書いた文章には先入観があるため、なかなか作成者自身が客観的な視点から校正するのは難しいものです。
できるだけ記事作成者以外の人に校正を依頼しましょう。
音声を聞いて記事作成は自分でやるのは大変
ここまで、録音から記事を作成する手順についてご紹介してきましたが、なかなか大変な作業だと感じられた方も多いと思います。
文字起こしにかかる時間は音源時間とイコールではない
「1時間のインタビュー音源なので、文字起こしにかかる時間も1時間」だと思っていませんか?
実は、文字起こしには思った以上に時間がかかるものです。
文字起こしのスピードは、作業に慣れている人で音源時間の3~6倍かかると言われています。
つまり、1時間の音源だと、早い人でも3時間~6時間かかるということです。
作業に不慣れな人だと、10倍以上かかることも。
なぜそれほど時間がかかるのでしょうか。
その理由は、文字起こしの作業法方法にあります。
音声を聞きながらリアルタイムで文字起こしができる人はほとんどいません。
大抵の文字起こしライターは、数秒ごとに音声を少し巻き戻しながらタイピングを行っていきます。
例えば、10秒の間に3秒巻き戻しを3回行うと19秒かかるので、録音時間の約2倍の時間がかかります。
10回巻き戻すと40秒、つまり4倍です。
「自分はどれくらいのスピードで文字起こしできるか」と疑問に思った方は、実際に試してスピード感を知っておくと、いざ作業が必要となったときに安心ですよ。
繰り返しの聞き直しや調査が必要なことも
全ての音源がスムーズに起こせるとも限りません。
この記事の序盤で紹介した録音時のポイントに注意していたとしても、インタビュー相手の活舌があまり良くなかったり、録音音質が悪かったり、内容が専門的で用語が難しかったりする場合もあります。
そうすると、一つの単語に対して5回、10回と聞き直さなければいけないことも。
また、聞き取れた言葉は存在するのか、表記の仕方は合っているのかなどを確認するためには、インターネットで調べる必要があり、作業にかかる時間はさらに膨らんでいきます。
よく、「自分はタイピングが早いから文字起こしも早いはず」と言う人がいます。
もちろんタイピングは早いに越したことはありませんが、文字起こしの技術というのはそれだけではないということですね。
記事作成にもコツがいる
では、文字起こしだけをプロに依頼し、記事作成は自分たちで行えばいいのではないかと考えるかもしれません。
確かに、日頃から記事作成を行っている方であればそれも可能ですが、特に「インタビュアーと記事作成者が違う場合」や「日頃から執筆を行っていない人」は、文字起こし原稿からの記事作成もかなり大変です。
人が話すスピードは、1分間に300文字程度と言われています。
つまり、60分の取材音源であれば1万8000字前後の文字起こし原稿になりますが、例えば記事の文字数が3000字程度という指定の場合、使える内容は6分の1ですよね。
取材した音声の中から内容を取捨選択するのはなかなか難しい作業です。
特に、文字起こしを行った人と記事を作成者が違う場合は、原稿全体の流れや細かなニュアンスを把握できていないため、文字起こし原稿をじっくり読み込んだり、部分的に音声を聞き直したりする必要も出てきます。
不慣れな人だと、1時間の文字起こし原稿から記事を作成するのに10時間以上かかることもあります。
文字起こしと記事作成はプロにお任せ
これまで、文字起こしと記事作成の難しい点についてお話ししてきました。
音声を聞いて記事作成を行うには、早い人でも1時間の音源あたり4時間程度、不慣れな人では20時間以上かかることもあると思っていた方が良いでしょう。
さらに、記事の校正を人に依頼すると、さらに時間は必要になってきます。
そんなときは、文字起こしから記事作成、校正までの作業を一括してプロに依頼するという方法もあります。
WITH TEAMでは、文字起こしと記事作成の両方を得意とするライターが、音声を聞いて記事を作成します。
さらに、書き上がった記事は校正者が文章を確認して整えますので、文字起こしから校正までを一括で依頼することができますよ。
記事の口調や作成に使用する音源の範囲、特に重視してほしいポイントなども細かく指定できるので、使用用途に合わせた記事ができあがります。
ぜひ『WITH TEAM 音声から記事作成』にお任せください。
もちろん、文字起こしのみを依頼したいという場合は、経験の多い文字起こしライターにて対応する『WITH TEAM 文字起こし』もございます。
時間のかかる作業はプロに任せて、空いた時間で次の取材や他の仕事をするという選択はいかがでしょうか。
もし、料金的に外注化することが難しい場合は、『AI 文字起こし』をご検討ください。
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