グローバル化の伸展やWeb会議の普及に伴い、英語による会議やセミナー、商談などが増えています。

これらに対応する文字起こしツールも、多数登場するようになりました。

しかし、「どの文字起こしツールを選ぶべきか迷う」という方も多いでしょう。

今回は、無料で利用できるツールを中心に、人気の英語文字起こしツールを厳選しました。

■【Google ドキュメント】無料クラウド型文書作成ツール

Google ドキュメントは、Google社が無料で提供するクラウドベースの文書作成ツールです。

文書作成のほか、クラウド経由で複数人での共同編集も可能です。

ビジネスシーンで日常的に利用している方も多いでしょう。

Google ドキュメントには、多彩な機能が備わっています。

その1つに音声入力があり、手軽に英語の文字起こしが可能です。

ドキュメントを開き、メニューバーの「ツール」から「音声入力」を選ぶだけで、音声をテキスト化して表示します。

終了するときは、再度マイクアイコンを押すだけです。

文字起こし後の英文を日本語に翻訳する場合は、Google翻訳を使います。

「ツール」メニューから「ドキュメントの翻訳」を選び、翻訳したい言語を指定すれば、Google翻訳と連携して訳してくれます。

例えば、文字起こしをした英語を日本語に訳す場合は、日本語を選んでください。

ただし、Google ドキュメントには、音声を保存する機能がありません。

何らかの理由でうまくテキスト変換できなかった場合に、再確認できない点がデメリットです。

念のため、他の録音ツールも併用し、音声ファイルを保存しておくことをおすすめします。

<Google ドキュメントのポイント>

  • ・Googleのアカウントさえ作成すれば完全無料
  • ・グループでの共同編集が可能
  • ・「Google翻訳」を使って翻訳が可能

■【Group Transcribe(グループ トランスクライブ)】iOS専用の機能充実アプリ

Group TranscribeはMicrosoftのiOSアプリで、英語の文字起こしや翻訳機能を備えています。(Androidは未対応です。)

QRコード、Bluetooth、会議コードのいずれかを使って簡単にグループを作成でき、参加者全員がiPhoneを持っていれば、リアルタイムで文字起こしと翻訳を同時に行います

参加人数に制限がないため、大規模な会議にもおすすめです。

音声認識された会話はテキストファイルやPDFファイルとして管理・共有でき、会議の記録や情報共有にも役立つでしょう。

また、会話内容はサーバーに保存されないため、セキュリティ面でも安心です。

リアルタイムでの文字起こしは、ホーム画面の「開始」ボタンをタップするだけです。

終了するときは「<」ボタンをタップし、確認画面で「はい」を選択します。

ただし、文字起こし可能な時間は30分が最大です。

30分以上の使用する場合は、一度終了させてから、ツールを再起動しなければいけません。

グループへの参加方法は3種類あります。

1.Bluetoothで参加する場合は、赤枠のBluetoothアイコンから「参加」をタップしてください。

2.会議コードで参加する場合は、ホーム画面でコードを入力し、「参加」をタップしましょう。

3.QRコードで参加する場合は、赤枠のカメラアイコンでQRコードをスキャンします。

なお、QRコードを作成する場合は、文字起こし開始後に、赤枠の「参加者追加」アイコンをタップすると、自動でQRコードが作成されます。

<グループ トランスクライブのポイント>

  • ・iOS専用の無料アプリ(Android未対応)
  • ・プライバシー重視!会話内容はサーバーに残らないので安心
  • ・文字お越ししたテキストをリアルタイムで日本語などに翻訳可能

■【Otter】AI搭載で英語の会話を瞬時にテキスト化

OtterはAI搭載で、英語の会話を瞬時にテキスト化します。

会議やインタビュー、セミナーなど、多彩なシーンでの活用が可能です。

発言者ごとにわかりやすく分類表示する機能も備わっており、議事録やインタビュー記事の作成など、これまで時間を費やしていた作業も効率化できます。

複数のデバイスで同時に利用できるため、スマートフォンとパソコンを連携させて、録音データの文字起こしを行い、テキストとして管理するなど、活用の幅が広がります。

例えば、スマートフォンで録音した音声をパソコンに転送し、文字起こししたテキストで内容を確認・編集するなど、効率的に作業を進められます。

録音した音声を再生する際も、現在再生している箇所をハイライトで強調してくれるため、会話の確認作業もスムーズです。

ただし、日本語への翻訳機能は付いていません。

アプリ版は画面右下のマイクアイコンをタップ、ブラウザ版は画面右上の「Record」アイコンをクリックするだけで、簡単に録音がスタートします。

無料の「Basicプラン」をはじめ、3つの有料プランから選べます。

無料プランは利用可能時間は月に600分までと、比較的長時間の音声認識が可能です。

<Otterのポイント>

  • ・無料でも600分/月とたっぷり使える
  • ・マルチデバイス対応
  • ・翻訳機能はなし

■【VoicePing】AIが会議を効率化!バーチャルオフィスで生産性アップ

テレワークの効率を向上させるために開発されたVoicePingは、AI技術を使ってバーチャルなオフィス環境を提供するツールです。

ビジネス会議やセミナーの文字起こし、翻訳、議事録の自動要約など、多彩な機能を搭載しています。

英語をはじめ41の言語に対応し、最先端の音声認識技術で多言語によるコミュニケーションをサポートします。

アプリ版では、画面右上の「モード変更」で「音声翻訳」を選択し、画面右下の「スタート」をタップ、話す言語を選ぶだけの簡単操作です。

録音後は、タイトルをつけて保存できます。

料金は、無料プランと有料プランがあり、無料プランでは文字起こし・音声翻訳が60分まで利用可能です。

<VoicePingのポイント>

  • ・リアルタイム音声翻訳で日本語への翻訳が可能
  • ・Zoom、Teams、Google Meetsでのライブ字幕
  • ・AIによる要約機能

■【Notta】ビジネスシーンで活躍する高機能ツール

Nottaは、ビジネス向けの高性能な文字起こし・翻訳ツールです。

スマートフォンアプリのほか、Chrome拡張機能を使ってウェブブラウザからも利用できるため、多様なシーンで活躍するでしょう。

会議やインタビューの発言をその場で文字起こし・翻訳するほか、外部データや保存した音声データの書き起こし、Webページの音声の文字化なども可能です。

リアルタイムでの文字起こしは、ホーム画面で「録音開始」を選択するだけです。

「停止」ボタンで終了できます。英語だけでなく、多数の言語の文字起こしが可能です。

ログイン後のホーム画面で、事前に話す言語を設定するのを忘れないようにしましょう。

Web会議の文字起こしは、「ホーム画面」の「画面収録」をクリックし、収録範囲を選択後、「収録を開始」をクリックするとスタートします。

こちらも「停止」ボタンで終了できます。

無料のフリープランでは、利用時間は1か月120分、文字起こしは1回3分などの利用制限があります。

<Nottaのポイント>

  • ・英語と日本語など、2か国語同時文字起こしにも対応
  • ・AIによる要約機能や便利なテンプレートも搭載
  • ・リアルタイムで音声を日本語などに翻訳可能

■【Speechy Lite】AI搭載のシンプルでパワフルな文字起こしアプリ

Speechy Liteは最新のAIと強力な音声認識エンジンを搭載した、音声入力アプリです。

キーボードを使わずに音声でテキストを入力するためのiPhoneアプリですが、会議などの議事録作成にも役立ちます。

英語をはじめ多数の言語に対応しており、翻訳もしてくれます。

シンプルなユーザーインターフェイスが特徴で操作しやすく、iPhoneからいつでもどこでも手軽に録音・文字起こし・翻訳できるのが魅力です。

保存容量無制限、バックグラウンドでの音声認識など、シンプルながらも充実した機能を備えています。

会話の内容は端末やサーバー上に保存されず、プライバシーにも配慮しています。

使い方もシンプルで、画面赤枠の「マイク」ボタンをタップするだけです。

終了は、「停止」ボタンをタップしてください。

ただし無料版は、文字起こしの時間が1回につき1分と非常に短いのが少々ネックです。

会話程度なら1分でも十分かもしれませんが、長時間におよぶ会議などには物足りないかもしれません。

「Speechy Lite」が無料版で、現在、iOS版のみ提供されています。有料版は「Speechy Pro」です。

<Speechy Liteのポイント>

  • ・iOS専用の無料アプリでAndroidには未対応
  • ・シンプルで使いやすいが機能は充実
  • ・日本語などへの翻訳が可能

■まとめ

英語対応の文字起こしツールは、機能や特徴が多彩です。

利用シーンや求める機能、使い勝手に合わせて最適なものを選びましょう。

ほとんどのツールは、録音ボタンを押すだけの簡単な操作で文字起こしができます。

ただし、音声ファイルの編集など、細かな操作方法はツールによって異なるため、各ツールのウェブサイトで確認してください。

無料で使える英語の文字起こしツールは多数あり、手軽に試すことが可能です。

有料でも使わない機能のほうが多い場合は、慎重に選ぶことをおすすめします。

まずは無料ツールや無料トライアルを試し、自分にとって使いやすいツールを探してみてください。