英語音声の文字起こしは、多くのビジネスマン、研究者、学生にとって非常に有用な技術です。

会議や講演、インタビューの記録をテキスト化することで、情報の検索が容易になり、より効率的に内容の復習や共有ができるようになります。

しかし、実際に文字起こしを行う際には、音源内容によって専門知識を要することもあり、時間もかかるのがネックです。

ましてや、英語を文字起こしするには、ネイティブでない限り日本語の文字起こしより時間も労力もかかることは明らかでしょう。

ところが、テクノロジーの発達により、今ではさまざまな方法を駆使して、従来よりも短時間で英語の文字起こしができるようになっています。

そこで、オンライン会議ツールや文書作成ツールの機能、専用の文字起こしツール、さらには専門業者への外注まで、英語音声の文字起こしの方法を詳しくお伝えします。

英語音声の文字起こしができるオンライン会議ツール

ビジネス会議、学術セミナー、個人的なミーティングなど、さまざまなシーンで活用できるオンライン会議ツールの多くは、文字起こし機能を備えています。

話された内容を瞬時にテキスト化できるため、リアルタイムでコミュニケーションをアシストしてくれる便利な機能です。

もちろん、リアルタイムのアシストだけでなく、テキスト化して残しておけるため、発話内容の確認や議事録の作成などに役立ちます。

こうしたツールを備える音声認識機能は、急激な進歩を遂げています。

実際、職場や学校などさまざまなシーンで必須のツールとなっているでしょう。

  • ・Zoom

そんなオンライン会議ツールの代表が、「Zoom」ではないでしょうか。

コロナ禍で認知度を高めたZoomは、ビジネスや教育の場で広く利用されているオンライン会議ツールです。

Zoomの文字起こし機能は、すぐに利用できることとスムーズな使用感のインターフェースで評価されています。

追加でソフトをインストールする必要がなく、発話内容を自動でテキスト化が可能です。

また、操作が直感的で、あらゆる規模の会議に迅速に対応できます。

以前は有料のプランでないと利用できなかったZoomの自動文字起こし機能でしたが、2024年5月現在は有料・無料にかかわらずすべてのプランで提供されており、誰でもすぐに利用可能です。

  • ・Microsoft Teams

「Microsoft Teams」は、Microsoft 365の一部として提供されているオンライン会議ツールです。

組織内でのコミュニケーションを効率化するためのツールで、チャット、ビデオ会議、ファイル共有、仕事の管理などの機能を備えています。

そんなMicrosoft Teamsにも、英語音声のリアルタイム文字起こし機能があります。

Zoomと同様、会議中に話された内容をテキスト化し、それをリアルタイムで画面に表示することが可能です。

また、Microsoft 365のほかのツール(WordやEXCEL、PowerPointなど)とのシームレスな統合が可能で、たとえば会議内容をそのままWordファイルに転記できます

ただし、文字起こし機能を利用するには、Microsoft 365やOffice 365のライセンスが必要です。

  • ・Google Meet

「Google Meet」は、Googleが提供するビデオ通話サービスで、オンライン会議やリモートコミュニケーションをサポートするためのプラットフォームです。

ビジネスだけでなく、教育機関や個人的な用途にも広く利用されており、簡単にオンラインミーティングを開催、参加することができます。

Google Meetにも、英語音声のリアルタイム文字起こし機能が搭載されています。

Googleの先進的な音声認識技術を活用しているのが大きな特徴です。

Googleの言語処理の技術は業界をリードしています。

英語の発言を高い精度でテキスト化し、会議中の字幕としてリアルタイムに表示可能です。

また、Google Meetは、GoogleドキュメントやGoogleドライブなどのGoogleのほかのサービスとの統合が容易です。

会議中の情報を即座にドキュメントとして保存したり、チームメンバーと共有したりできます

ただし、Google Meetの文字起こし機能が利用できるのはパソコンだけです。

モバイルデバイスでは利用できませんので注意しましょう。

  • ・オンライン会議ツールを使うメリット

オンライン会議ツールが英語音声の文字起こしに適しているのは、やはり使いやすさが理由です。

前述したどのツールもインターネット接続があれば簡単にアクセスでき、特別な設備やソフトウェアを必要としません

また、音声認識技術の精度が高く、英語のさまざまなアクセントに対応しているため、出身国の異なる参加者がいる会議でも高いパフォーマンスを発揮します。

さらに、生成されたテキストがすぐに利用できるのもメリットです。

画面に字幕として表示したり、文書化して会議後のフォローアップに役立てたりなど、業務効率を大幅に高めます。

文書作成ツールを使って英語音声の文字起こしをする方法

多くの文書作成ツールが文字起こし機能を備えていることをご存じでしょうか。

インタビューや会議、講演などの英語音声をテキストに変換し、編集や共有を容易にする機能です。

文字起こしに便利な文書作成ツールには、「Microsoft Word」「Google ドキュメント」「Evernote」があります。

  • ・Microsoft Word

「Microsoft Word」の場合、Office 365の一部として提供されるディクテーション機能を使って、英語の文字起こしが可能です。

この機能は、リアルタイムでの文字起こしに加えて、書き起こし最中も編集が可能であり、ドキュメントの作成と整理を大幅に効率化します。

また、MicrosoftのクラウドベースのAIがサポートするため、認識精度が高く、多様なアクセントや専門用語にも対応しているのがメリットです。

  • ・Googleドキュメント

「Googleドキュメント」にも音声認識機能が組み込まれています。

Googleの強力な音声処理技術によって、英語の音声を即座にテキストに変換可能です。

また、Googleドキュメントの強みは、リアルタイムでの共同作業が可能なことです。

ドキュメントがクラウドに保存されるため、どこからでもアクセスできます。

  • ・Evernote

「Evernote」では、パソコンやスマホの音声入力機能を利用することで、話した内容をテキストに変換可能です。

主にメモ取りやアイデアの記録のための機能で、思考の整理に役立ちます。

文書作成ツールを使うのデメリット

ただし、これら3つの文書作成ツールいずれにも、文字起こしという点ではデメリットとなる面があります。

「Microsoft Word」では、ディクテーション機能を使用するのにOffice 365の有料プランが必要です。

つまり、文字起こしツールとして使うには費用がかかります。

また、インターネット接続が不安定だと、音声認識の精度が低下するのもデメリットです。

さらに、長時間の会議や参加者が複数いるような環境では、一人一人の発言を正確に捉えることが難しく、精度面で問題が残ります。

「Google ドキュメント」の場合、音声認識機能を利用することでリアルタイムの文字起こしが可能ですが、この機能はインターネット接続に大きく依存します。

接続が不安定な場合には認識精度が低下しますし、無音状態が少し続くだけでマイクが自動的にオフになるため、会議の内容を途切れずに正確にテキスト化するのは困難です。

さらに、Microsoft Wordと同様、話者が複数いる場合、一人一人の発言を正確に捉えることができません。話者のアクセントや話し方のクセによっても、認識エラーが発生しやすくなります。

「Evernote」の場合、それ自体に音声をテキストに変換する機能は備わっていません。

スマホなどのデバイスの音声入力を利用するため、その精度は使用するデバイスやその環境に大きく依存します。

また、Evernote自体には音声ファイルを保存する機能がないため、会議の記録として後から確認することができない点もデメリットです。

これらの制約を考慮すると、文章作成ツールの文字起こし機能は、簡単なメモ取りや個人的な使用には適していますが、正確さが求められるビジネス会議やプレゼンテーションには最適とは言いきれないかもしれません。

オンライン会議ツールや文書作成ツールより高精度な文字起こし専用ツール

オンライン会議ツールや文書作成ツールの文字起こし機能も確かに便利ですが、上述のように、いくつかデメリットとなる面があることに注意が必要です。

一方、そうしたデメリットを解決するための専用の文字起こしツールがあります。

文字起こしに特化したツールであり、特に英語音声のテキスト化において、効率性と精度で際立った存在です。

文字起こしのための専用ツールは、会議、インタビュー、講義など、多様な音声フォーマットを高精度でテキストに変換できるように設計されています。

つまり、あくまで付加機能として存在するオンライン会議ツールや文書作成ツールの文字起こし機能よりも、その精度と効率性で際立っているのです。

高度な音声認識技術を利用して、英語のさまざまなアクセントや話者による微細なニュアンスを正確に捉えることができます。また、多くのツールはクラウドベースで運用されているため、どこからでもアクセス可能です。

そこで、精度の高さ、機能の充実、使いやすさなどで定評のある、英語の文字起こしに適した専用ツールを3つ紹介しましょう。

英語の文字起こしに定評ある専用ツール3選

「AI GIJIROKU」は、Zoomなどのオンライン会議ツールと連携して使用できる文字起こしツールです。

会議やプレゼンテーションの英語発言を正確に、かつ、効率的にテキストに変換し、必要に応じて要約を作成する機能を有しています。

特に、話者が複数いる会議で真価を発揮するツールです。

高度な音声認識機能により、各話者の発言を捉え、テキスト化することができます。

また、文字起こししたテキストの翻訳も可能です。

「Notta」は、精度とスピードを兼ね備えた文字起こしツールです。

英語音声も即座にテキストに変換できます。また、高度なAIが搭載されているため、リアルタイムでの文字起こしだけでなく、会議やインタビューの内容を要約したり、その結果をさらに編集したり、また、ほかのユーザーと共有したりといったことも可能です。

こちらも多言語への翻訳に対応しています。

「Otter」は、AI技術を駆使して英語音声をリアルタイムでテキスト化する先進的なツールです。

Otterの最大の特長は、会話の流れをリアルタイムで捉え、個々の話者を自動で識別する能力にあります。

会議の参加者や発言内容を正確に記録できるので、後から誰が何を言ったかを簡単に確認可能です。

また、生成したテキストに対してタイムスタンプを付ける機能があります。

いつの発言なのかをすぐ特定できるため、テキストの再確認や編集の際に便利です。

英語の文字起こしは外注化もおすすめ

ここまで見てきたように、英語の文字起こしにはさまざまな方法があることがわかります。

便利なツールが続々と登場しており、一昔前では考えられなかったほど簡単に英語の文字起こしができるようになっています。

しかし、自分で文字起こしを行うことにはまだまだデメリットが伴うのも確かなことです。

特に、英語となると膨大な時間がかかりますし、専門性や精度が求められる場合にはさらに時間と労力が増大します。

精度とスピードを求めるなら、英語の文字起こしは外注化もおすすめです。

実際、外注化には多くのメリットがあります。

最も大きな利点は時間の節約でしょう。

文字起こしをプロに任せることで、もっと重要な作業に集中できる時間が生まれます。

また、プロの文字起こし業者は専門的な技術と経験を持っているため、高い精度での文字起こしが可能です。

英語の微妙なニュアンスや専門用語も理解し、正確にテキスト化できます。

さらに、大規模なプロジェクトや短期間での対応が必要な場合でも、柔軟に対応してもらえるのが大きな利点です。

自分で行う文字起こしの方法には確かに一定の利点がありますが、外注によるメリットも大きくあることが理解できるでしょう。

特にビジネスや研究などの領域においては、効率性と専門性が最大限に期待されています。

つまり、英語の文字起こしの外注化は、時間と労力を節約し、より価値のある活動にリソースを集中するための賢明な戦略といえるのではないでしょうか。