従来、人の手で行うと音源の2倍以上時間がかかっていた文字起こしですが、AIなどの技術発展に伴ったツールやアプリの登場で劇的に効率化できるようになりました。
もちろん、文字起こしは専用ツールやアプリを使わなくても行える作業です。また、アプリやツールよる文字起こしは、精度や再現性など課題があるのは間違いありません。しかし、仕上がりを「確認する」作業を前提とするのであれば企業案件などの間違いが許されないものであったとしても、ツールやアプリの優良性は高いです。
そこでこの記事では、音声や動画データから「文字起こし」ができるツール・アプリを20選ご紹介します。
目次
文字起こし用ツール・アプリの種類
文字起こしツール・アプリは下記通り3種類あります。アプリやツールを探すうえで自分が何を必要としているのか明確にしましょう。
- ・【文字起こしツール】音声・動画から自動で文字起こししてくれるもの
- ・【文字起こし支援ツール】文字起こし作業を支援サポートする便利ツール
- ・【複合ツール】文字起こし機能を備えた複合ツール
それぞれどのようなものか紹介します。
1.【自動文字起こしツール】音声・動画から自動的に文字起こし
1つ目は、音声データや動画データをインポートするだけで「音声認識システム」により自動的に文字起こしをしてくれるツールです。
自動で文字起こししてくれるので、文章の形を整えたり、誤字や反映されなかった部分などを修正する手間が減ります。
スマホアプリやパソコン用のソフトなど種類が豊富なのが特徴です。スマホアプリは無料のものも多いですが、パソコン用の音声認識ソフトは有料となっていることも多いので、予算によって使うかどうかを検討してください。
2.【文字起こし支援ツール】文字起こし作業を支援サポート
2つ目は「文字起こし支援ツール」と呼ばれるものです。
作業者が自分で音源を聞いてタイピングしていく作業を楽にしてくれるツールです。
具体的には、音声の一時停止・巻き戻し・早送りなどをホットキーで瞬時に操作できる機能や、音声の再生スピードを遅くして入力しやすいようにしてくれる機能が付いているものがほとんどです。
また、フットスイッチという、足で踏む動作がホットキーと連動し、手を離すことなく一時停止や再生などの操作を行うことができるツールもあります。
両手をタイピングのためだけに使えるので、文字起こしの効率アップが見込めますよ。
3.【複合ツール】文字起こし機能を備えた複合ツール
3つ目は、文字起こしツールとしてではなく、音声データから文字に起こす機能を備えているツールです。
たとえば、「Googleアシスタント」などがその一例です。
このようなツールは、アプリを別途インストールする必要もなく、気軽に使えるのがメリットです。
ただし、スマホにしてもパソコンにしても、書き起こし用に開発されたツールよりはやはり精度や使い勝手が劣りますので、あくまでもちょっとした内容の書き起こしをする程度に留まってしまうという点は覚えておきましょう。
無料の文字起こしツール・アプリ20選
1.WITH TEAM AI文字起こし(web)
セキュリティ対策済:情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の 国際規格である【ISO/IEC 27001:2022】の認証を取得しております
「WITH TEAM AI文字起こし」は、文字起こしサービス会社が開発した、AI文字起こしツールです。
音声データや動画データをアップロードするだけで使用でき、アプリのダウンロードや面倒な会員登録が不要なのがメリットになります。
24時間365日文字起こしできるので、自分が好きな時にすぐ文字起こしができるのが魅力的です。文字起こしが完成したら登録したメールアドレスに通知がくるので、文字起こしの完了を画面を見ながら待つということがありません。
また、音源の一括アップロードで一気に文字起こしできるので1つずつアップロードする手間がありません
最初の1分間は無料で、それ以降は1分30円と低価格でお気軽にお試しいただけます。
2.テープ起こしプレーヤー(Classic)(Windowsツール)
テープ起こしプレーヤー(Classic)は、テープ起こし用のWindows向け音声ファイル再生プレーヤーです。
文字起こしを専用としたツールなので、ショートカットによる「再生・停止・早送り・巻き戻し」、「音声の再生速度調整」など文字起こしに便利な機能が搭載されています。
音源の音質を調整するイコライザー機能、ノイズ除去機能など本格的なプロ用の文字起こしツールです。聞き取りづらい音源でも楽に起こせるのが、このツールの素晴らしいところでしょう。
リピート機能もあるので、一回ではどうしても聞き取れない難しい部分も、楽な操作で聞き取れるように助けてくれます。読み込めるファイルの型式もかなり幅広く、フットスイッチとの連動も可能となっていますので、より本格的な使い方もできます。
無料で使えるものですので、文字起こしの作業が必要になるということであれば、パソコンに入れておいて損することはありません。
たくさんの機能があって、最初は慣れないこともあるかもしれませんが、使っていくうちに便利な機能の使い方も分かってくるでしょう。
3.Okoshiyasu2(Windowsツール)
「Okoshiyasu2」は、キーボードだけで操作できる音楽プレーヤーです。再生や停止などをキーボード操作で行えるのに加え、タイムカウンター表示や速度調整スライダー機能があるため、対談やインタビューなどのテープ起こしに最適です。
バックグラウンド状態でも処理ができるのは、とても作業効率が良いですよね。
ただ、現在は開発が終了してしまっていますので、サポートや新しい機能の追加などは見込めない状態です。
前述した「テープ起こしプレーヤー」とほぼ同じ機能となっていますが、長年多くのユーザーに使われてきたという信頼度と安心感がありますので、今なおこのソフトを使い続ける人が多いという点にも注目できるでしょう。
全体的にシンプルな操作画面でとても見やすく、どの機能がどこにあるのかがすぐに分かります。
たまにしか作業をしないとツールの使い方を忘れてしまうこともありますが、この画面の見やすさであれば、一目見てすぐに使えるのがうれしいところです。
追記:タイムコードがずれやすくなっているので注意が必要です(2021年12月現在)
4.CasualTranscriber(Macツール)
CasualTranscriber は、Mac用の文字起こし支援ツールです。
Macで使えるソフトは少ないので、このソフトはMacユーザーの定番とも言えます。
再生速度調整や入力補助など、基本機能はすべて搭載しているのでMacユーザーで文字起こし、テープ起こしを行う場合はこのツールを使うのが良いでしょう。
また、YouTubeなどの動画ファイルにも対応していますので、映像を見ながら文字起こしをしていくことも可能です。さらには字幕の追加、スライドショー作成機能など多機能な点もポイントです。
省略テキスト入力もできますので、よく使うワードを登録しておけば、タイピングも速くできるようになるという利便性の高さも魅力的です。
出てくる映像に合わせて文章の体裁を整えないといけないケースなどに重宝する機能で、いろいろな使い方をしたいという人に向いているでしょう。
操作画面もMac用ということで、見やすいデザインとなっており、直感的な操作がしやすい構成になっていますので、Macユーザーにはうれしいソフトではないでしょうか。
5.Express Scribe(Windows)
プロ仕様のソフトとして多くの人に使われている文字起こし支援ツールです。
バックグラウンドでの使用が可能で、ワードなどのソフトに入力するのも簡単です。
FTPファイルの自動送信機能も入っていて、サーバー内のファイルを自動的に更新して、新しいものが出たら自動的にインポートしてくれるという点も使いやすさの一つです。
また、仕上げた原稿の自動送信も設定することができるため、大量の書き起こしをしないといけない人にも向いています。
フットスイッチとも接続可能ですので、再生スピードの調整機能などと併せて使えば、かなり作業が効率よく進めることができるでしょう。
ソフトは他のものと比べても軽くサクサクと動きますので、モバイルPCで使いたいというニーズにも応えることができます。
出先での時間を利用して書き起こしを進めたいという人にもぴったりです。
6.聞々ハヤえもん (Windows/Mac/iOS/Android)
音楽再生用のツールと思いきや、文字起こし支援ツールとしての使いやすさゆえに、文字起こしライターにも大人気のアプリです。
3秒戻しや再生速度の変更などもホットキーに設定できるので聞き直しも簡単ですし、フットスイッチと合わせることで効率アップも見込めます。
さらに、一部のファイル形式に限られますが、動画を再生することが可能な点も魅力です。
PC版だけではなく、Android版、iOS版もリリースされているので、使いやすいデバイスで試してみてはいかがでしょうか。
7.Speechy Lite (iOS)
iPhone用のアプリで、音声からの文字起こしを自動で行ってくれます。
シンプルな作りで、オーディオをインポートするだけですぐに文字化することができます。
アプリ同士の連動性も優れていて、他のアプリで受け取ったオーディオをインポートしたり、逆に仕上がった文章をそのままメールやSNSで送信したりできるのが便利な点ですね。
有料バージョンだと、インポートできる音源の時間制限がないので、長い録音でも簡単に文字起こしできます。
もちろん無料でも基本的な機能はすべてそろっていますし、かなり使いやすい操作性を持っています。まずは無料バージョンを使ってみて、気に入ったら有料にしてみてはいかがでしょうか?
8.Just Press Record (iOS)
音声を録音することで、気軽に文字起こしができるiOS用のアプリです。
日本語だけではなく、30以上の言語の文字起こしにも対応しています。
Apple Watchとも連携できるので、iOSユーザーはより一層手軽にも使用することができそうですね。また、録音時間は無制限となっているので、長時間の文字起こしでも安心です。
有料ですが、サブスクリプションではなく買い切り型のため、一度購入してしまえばあとはずっと使えるのも嬉しい点ですね。(2023年2月6日時点)
9.recoco (iOS)
基本はボイスメモということを売りにしているiOSアプリです。しかし、音声テキスト変換ができますので、書き起こしにもぴったりです。
音声認識をする際には、一人で話しているのか多人数で話しているのかの切り替えができ、より正確に音声を捉えてくれます。
さらに、88を超える言語にも対応していますので、外国語の会話でも怖くありません。
なにより、このアプリではリアルタイム文字起こしをしてくれるというのがメリットでしょう。
音声を録音しながら、画面にテキストとなって出てきますので、すぐに内容を確認できるのです。
また、他のアプリやメール、SNSとの連携もできているので、ワンクリックでできたファイルを送れるというのも便利なところです。
そして、ボイスメモにタグ付けできるのも使いやすさのポイントです。
聞きづらい言葉、テキスト変換の修正が必要なところなどにタグを付けておけば、後で修正作業をするのも楽になります。
10.Speechnotes スピーチノート (Windows/Android)
Android用のアプリとPC用のWebサイトの2バージョンが魅力的な自動文字起こしツールです。Web版はマイクを接続し、権限の許可をすることで簡単に音声入力ができます。
シンプルな画面と操作なので、難しいアプリは使い方がわからない…という方でも簡単に使えるのではないでしょうか。
Android版も同様にシンプルな使い心地です。
音声入力時に面倒な句読点等の入力がワンクリックでできるように工夫されている点も、文字起こし効率がアップできるので嬉しい点ですね。
11.Google 音声文字変換 (Android)
Googleが提供する音声文字変換機能です。
Androidのスマホやタブレットであれば標準実装されていることも多い機能です。また、Windowsであれば、パソコンアプリとして導入することもできます。
元々は聴覚障害者との対話をサポートするために作られている機能で、音声を入れるとリアルタイムで文字にしてくれます。
テキストはコピペができますので、テキスト化されたところでワードなどに移せば、立派に書き起こしツールとして使うことができます。
Googleの音声認識技術はかなり高く、精度に優れているのがメリットです。複数の人の会話でもしっかりと音の違いを聞き分けながら、認識してくれます。
ただし、改行や句読点を打つことはできず、自動変換した後に必ず修正作業をする必要があるため、その作業時間は確保しておいてください。
利用したデータは履歴として保存されますので、後に抽出して作業をするにも便利です。
無料で使えるツールとして気軽に利用できますので、とりあえず書き起こしをしてみたいということであれば、こちらを使うのも良い方法でしょう。
12.音声メモ – アイデアや思考の迅速なエントリ (Android)
Androidのスマホやタブレットで簡単に使えるアプリです。
書き起こし専用のアプリというよりは、音声録音をメインとしているのですが、音声をテキスト自動変換してくれる機能も付いているので、ちょっとした書き起こしには便利です。短文の文字起こしに向いているため、短い音声や言葉数の少ない音声の場合は特に手軽に利用できます。
スマホアプリということで、SNSでのファイル共有や送信などもワンアクションでできるという手軽さがあります。
メインは音声入力によるメモなので、文字起こしだけではなく、リマインダーを設定したりと幅広い機能があり、日常生活でも便利に使用することができそうです。
13.My Edit文字起こしサイト (web)
My Editは、無料で音声の文字起こしができる自動文字起こしサービスです。音声ファイルをアップロードするだけで使用できます。
日本語だけではなく、英語や中国語も対応しています。texファイルだけではなくSRTファイルでのダウンロードもできるので動画の字幕作成などで活用できるでしょう。
その他、AI効果音作成やボイスチェンジャーなどAIを活用した付加機能が搭載されているのがポイントです。プレミアムプランになるとより多くの機能が解放されるので興味があれば使ってみてもいいでしょう。
14.ボイスレコーダー & ボイスメモ (iOS)
もともとボイスレコーダーとして開発されているアプリです。しかし、音声をテキスト化する機能も持っていますので、文字起こしに使うことが可能です。
このアプリのいいところは音声の編集がしやすいという点です。
会話の一部分を切り取り、そこだけ別に保存するなどの作業を簡単にできるとことでしょう。音源の一部だけをテキスト化したい時などに、この機能は効果を発揮してくれます。
また、44か国語に対応していますので、外国語の会話を文字起こししたいという時にも使えます。
ちょっとした内容を音声でメモし、テキストにして保存しておきたいというライトな使い方にも優れていますので、持っておくと便利ですよ。
15.CLOVA Note (Windows/Mac/iOS/Android)
「CLOVA Note」は、AI音声認識を活用した自動文字起こしツールです。ブラウザ版とアプリ版があります。
音声の録音と文字起こしを同時に行うことができるため、会話の文字起こしを確認しながらメモを残すような使い方も可能です。もちろ他の録音機器で録音したファイルをアップロードすることで自動文字起こしをすることもできます。
CLOVA Noteは毎月300分の利用時間が提供され、無料で利用できます。月間利用時間を使い切っても、スマートフォンアプリでは使い放題で利用可能です。また、サービスの品質向上のためのユーザーデータ取得に同意すると、毎月300分が追加提供され、毎月合計600分を無料で利用できます。
16.CapCut (Windows/Mac/iOS/Android)
豊富な機能を持つ動画編集アプリです。
文字起こしとしては、動画の中から音声を拾い、字幕として挿入してくれるという機能があります。アフレコだけをあとから挿入し、そこから字幕を生成することも可能です。
もちろん自動で挿入された字幕に間違いがあれば、手動で修正することもできますよ。
ちょっとした動画を文字起こしして字幕を入れたい場合には便利なアプリです。
17.Texter (Web)
最新のAIで音声を文字起こししてくれるサービスです。
音声や動画からの文字起こしだけではなく、リアルタイムでの文字起こしにも対応しています。
基本的には有料のサービスですが、短時間の文字起こしなら無料で試すことが可能です。
iPadやApple Watchとの連携もできるので、iOSをお使いの方には便利なサービスですね。
18.Notta (Webツール)
AIによって文字起こしをしてくれるサービスです。
最大の魅力は日本語・英語など、104言語に対応していること。また、Web版、Android版、iOS版があるので、いろいろな場面で使うことができそうです。
無料プランと有料プランがあるので、用途や起こしたい時間数などによって使い分けましょう。
人が起こすよりも安く仕上げられるという利点はありますが、AIでの文字起こしのため、最後は人間による修正が必要だという点にご注意ください。
19.Group Transcribe (iOS)
リアルタイムで議事録を作成するのに向いているiOS向けのサービスです。
自動の文字起こしアプリは話者の聞き分けが難しいため、複数人が発言する会議などの文字起こしは苦手です。
しかし、このサービスは自分の電話から会議に参加することで、誰の発言かまでを書き分けてくれます。多言語のやり取りもリアルタイムで翻訳してくれる点も魅力です。
ただし、口語の日本語や漢字変換にはまだ少し弱い部分もあるようです。
20.Google ドキュメント (Webツール)
実はGoogleドキュメントでも文字起こしができるって知っていましたか?
リアルタイムで文字起こしをする場合は、「音声入力」機能をオンにしてマイクに話しかけるだけです。
音声・動画ファイルから文字起こしを行う場合には、PCの設定で録音をステレオミキサーに設定します。
ただし、PCによってはステレオミキサーが入っていなかったり、設定が複雑だったりするので、PCに詳しい方でなければ難しいかもしれません。
しかし無料で、しかもなかなかの精度で起こしてくれるので、PCの設定さえできればとても便利ですよ。
文字起こし用ツール(アプリ)の選び方
文字起こしツールには、様々な種類があるためどのツール(アプリ)を選ぶのかが大切です。
▼文字起こしツールの選ぶポイントは以下の通りです
- ・用途・目的はなにか
- ・音源の種類や状態はどうか
- ・どのくらいの頻度で作業するか
- ・有料か無料か
- ・WindowsかMacか
文字起こしの目的は?議事録作成?インタビュー?
議事録作成のためにツールであれば、発言者特定機能がついているものを選ぶといいでしょう。インタビュー音声の文字起こしであれば、話し言葉に対応できる精度や編集機能が付いたものを選ぶといいでしょう。
音声ファイルの種類と品質は?
短時間かつ音声がクリアな音源の場合や、タイピングが苦手というケースであれば、音声認識ができるアプリを使うのが便利です。しかし、雑音が入ってる、音声があまりクリアでない音源の場合は、支援ツールを使って自分で入力するのが適しています。
文字起こしの頻度と予算は?
毎日頻繁に使うのであれば、高精度な有料ツールを検討するといいでしょう。一方、たまに使う程度であれば無料ツールで十分な可能性があります。
無料版でも基本的な機能はしっかりと付いているのですが、ある程度長めの録音音声を変換したいという時などは有料版でないと対応できないこともありますので、よく検討しましょう。
使っているパソコンはWindows?Mac?
パソコンで書き起こしをする場合、そのツールがWindowsかMacのどちらに対応しているかも重要です。支援ツールは圧倒的にWindows用のソフトが多い状況です。
そのため、普段Macを使っているという人は、Windowsで作業をするかスマホのアプリを探すことを検討してみると良いでしょう。
音声から自動でテキストに変換できるツールとしては、たくさんのスマホアプリが登場しています。スマホの中に入れておいて、どこでも気軽に書き起こしができるというメリットがあります。会議などで録音した内容、ちょっとした会話の音声メモをその場でテキスト化して、すぐにSNSやメールで送信できるのが便利な点です。
さすがに長時間の録音を正確に書き起こす、すべてのワードを高精度で変換するというところまでは難しいかもしれませんが、ちょっとした内容の録音をテキスト化するのには便利でしょう。
簡単な音声書き起こしにはスマホアプリを使い、重要かつ長時間の内容であれば支援ツールを使ってきちんと仕上げる、という使い分けをするのも有りではないでしょうか。
無料ツール(アプリ)の弱点と注意すべきポイントとは?
多くのツールやアプリをご紹介し、かなり便利そうな音声認識アプリがたくさんあることがおわかりかと思います。
ですが、どうしても弱点は存在してしまいます。
それは、かなり技術が向上しているとはいえ、完全に人の話を文章にするのは難しいという点です。
特に日本語は同音異義語も多く、文法も複雑なため、前後の文脈判断が必要になってくる場合が多いです。
実際に使ってみると分かりますが、話しているのとは違う文章となってしまうことが多々あります。また、漢字の誤変換も多いので、手直しせず使うことはほとんどできません。
そのため、自動認識させた後に自分で修正作業をしなければなりませんので、その作業時間を確保することは必要です。
また、段落や改行などを自動的に適切な位置で行ってくれませんので、文章の体裁を整える作業も自分で行うことになります。
修正と体裁整理の作業の二つが必要となりますので、予想より時間がかかった…というケースも多いのです。支援ツールを使えば自分で入力できますので、より正確かつきれいな体裁で作れます。
しかし、タイピングや聞き取りのスキルがないと、作業には結局かなりの時間を要してしまうという点がネックです。
文字起こしの経験があまりないのであれば、支援ツールを使っても不慣れで、なかなか思うように作業が進まないということも多いでしょう。
せっかくツールをダウンロードしたのに使いこなせないということではもったいないですから、自分のスキルにはどのツールが適しているのか、よく検討してからダウンロード・購入することをお勧めします。
精度を求めるならツール(アプリ)ではなく代行業者への依頼も検討しよう
今まで見てきたように、音声自動認識タイプにせよ、支援ツールにせよ、自分で書き起こしをする際には、何らかのツールを使った方が作業が楽になるのは間違いがありません。
しかし、書き起こしのエキスパートである代行業者への依頼と比べて、作業全体の効率はどうなのかということを考える必要があります。タイピングや聞き取りのスキルがあり、作業が速いということであれば、自分で文字起こしをした方がいいかもしれません。
また、かなり短いメモ音声的なもので、わざわざ外注するほどでもないという内容であれば、やはりアプリなどを使って書き起こした方が早いでしょう。
代行業者に依頼するとなると、ある程度のコストは当然かかります。
簡単な内容ですぐにテキストが欲しいというケース、もしくは、どうしてもコストをかけられないという場合には、自分で作業をするという選択肢を取ることになります。
しかし、そうでなければ業者に依頼した方がメリットが高いというケースもたくさんあります。
たとえば、音声が長くて作業に時間がかかるという場合です。
外注することで、文字起こしにかかるはずの時間を自分の本来の業務に当てることができるので、仕事を効率よく進められるようになります。
ある程度ボリュームがあれば代行業者も納期はスピーディーに対応してくれますので、自分で文字起こしするよりも早く仕上げてくれることもあるでしょう。
そして、正確な書き起こしが求められるという時に、専門とする業者へ頼るというのは安心感がありますよね。
レコーダーなどで録音した音源は、どうしても言葉が不明瞭で聞き取りが難しい部分が出てきてしまいますし、読みやすい形で文章をまとめるのも大変になってきます。
しかし、専門の代行業者であれば、原稿はもちろん不明瞭箇所も綺麗にまとめて納品してくれます。
そもそも、スマホアプリなどの自動音声認識系のツールでは、ICレコーダーなどで録音した外部の音声に対応できないことがあります。
録音済みの音声を後からアプリにインポートすることができなかったり、できたとしても録音した状況や話し手の口調などによって、音声がクリアに認識できず、誤変換ばかりとなってしまったりというトラブルもあります。
アプリのツールはあくまでも、スマホをマイクのように使ってダイレクトに録音し、そこから得られたクリアな音声をテキスト化するという使い方を前提としていることを忘れてはいけません。
その点、代行業者はひどい音質でなければ正確に対応することができますので、自分の手間を一切なくしたいという方は、外注化することも検討してみてはいかがでしょうか。