企業にとってSNSは今や重要なマーケティング媒体となっています。

積極的にアウトプットをすることによって、企業の知名度を上げるだけでなく、潜在顧客との親密度や信頼度を上げることができるからです。

しかし、このSNS戦略が逆に頭を悩ませる問題となることがあります。

それが誹謗中傷やアンチコメントの発生です。

こうしたネガティブコメントは単発で終わらず、他のユーザーも巻き込んで連鎖的に広がってしまうこともあり、企業にとっては大きなイメージダウンにつながる結果になりかねない怖さを持っています。

このようなリスクは完全に排除するのは難しいものの、最小限に食い止めることは可能です。

そのためには、SNS上で誹謗中傷が発生し、それが大きくなっていくプロセスと、どのような対策を講じることができるかを知ることが求められます。

【SNSで誹謗中傷が発生する原因】

企業が提供しているサービスについて、実際に問題となるようなミスが生じた場合は、当然のごとくクレームが発生します。

こうしたクレームは、商品の改善や問題解決のために必要なものですので、企業としては真摯に受け止める必要がありますね。

しかし、特に大きな問題となるようなことではないのに、もしくは企業側に全く落ち度がないのにも関わらずネガティブなコメントが発生してしまうこともあります。

まずは、こうした「必要なクレーム」と、真実ではない情報が含まれる「誹謗中傷」を分けて考えることから始めないといけません。

その上で、誹謗中傷が起こる原因を分析することで、必要な対策を講じられるようになります。

基本的に否定的な意見が多くなる傾向が強い

SNSだけに限らず、電話によるカスタマーセンターに寄せられる意見などもそうですが、利用者などからのコメントは基本的にネガティブなものが大多数を占める傾向にあります。

そのため、SNSはちょっとしたことで、アンチコメントが発生し大きくなりやすい下地があるという大前提とも言える認識を持つことが大事です。

そこに、サービスや広告に関係する問題や、元々企業に否定的な印象を持つ第三者が入ってくると、すぐに誹謗中傷につながってしまうリスクがあるのです。

荒らし行為による誹謗中傷

全く問題のないサービスやマーケティングをしていても、とにかくあることないことを混ぜて誹謗中傷をするSNSユーザーが存在するのは事実です。

こうした荒らし行為は、特に企業や商品に対して不満があるといったわけではなく、単にSNSに悪質コメントを投稿して、いわば憂さ晴らしをしているに過ぎないものが大変多いです。

そのため、その内容は全くの言いがかりで根拠のないものがほとんどでしょう。

ただ、嘘であることは明らかなのですが、使う言葉が非常に強いことも多いので、見る人にかなり強いインパクトを与えてしまいます。

すると、単なる中傷であることは分かっているのですが、なんとなく企業へのマイナスイメージを持ってしまったり、同調してしまったりするのです。

そして、企業のSNS担当者にとっても、こうしたコメントを読むのは精神的につらく、心をえぐるような影響を与えます。

マイナスイメージを持つ人からのアンチコメント

元々企業や商品についてマイナスイメージを持っている人が、粗探しをしてそれをSNSに上げるケースもあります。

その理由は様々ですが、すでにその企業に対して否定的な考えしか持っていないため、常に攻撃的な姿勢を取るようになります。

商品そのものにデメリットがあれば、そこを突いてきますし、何らかの宣伝活動をすれば、起用されているキャラクターやイメージなどを攻撃します。

攻撃する材料はなんでも良く、とにかく否定的なコメントを出してくるというのが大きな特徴ですね。

誤解からのネガティブコメント

これは食品や美容関連製品、健康関連サービスに多いのですが、誤解によって批判的な投稿が多くなることもあります。

たとえば、食品に使われている添加物や、商品に入っている原料などが危険であるという間違った情報に基づいてクレームを出すという例があります。

こうしたコメントは時に、アンチが広がってしまう傾向があるので注意が必要です。

というのも、単なる誤解であるにも関わらず、なんとなく信ぴょう性があるように聞こえてしまい、それが基で悪いイメージが定着してしまうからです。

アンチコメントの中でも、他のものとは違い長期的かつ強い影響を与えるリスクもあるので、迅速に対応する必要があるものと言えます。

正当なクレームから始まった誹謗中傷

誹謗中傷やアンチコメントは、正当な理由から始まってしまうことがあります。

商品やサービスにミスがあった、広告に不適切な表現があったなどの問題があり、それを批判したり意見したりするために投稿が上げられるパターンです。

もちろん、こうした意見は、企業として真摯に取り上げて改善をすべきなのですが、こうした正当なクレームに乗じて誹謗中傷をしてくるユーザーも少なからずいます。

元々の原因は企業側のミスであるだけに対処が難しいタイプとなり、その対応の仕方によっては火に油を注ぐような状況になってしまう危険性もあります。

しかし、実際の問題の規模と比べてもあまりにひどい誹謗中傷であることも珍しくなく、そのままにしておけないというコメントが増えてしまうこともあるので注意が必要です。

【アンチコメントが広がってしまうプロセス】

SNSをしている以上、ある程度の誹謗中傷があるのは避けて通れないこととも言えます。

しかし、少数のアンチコメントが爆発的に増えて、炎上状態になってしまうと、企業へのダメージは相当大きなものとなりますよね。

そこで、どうして少数の誹謗中傷が広がってしまうのかを知り、どのタイミングでどのような介入をすべきかを理解する助けとすることができます。

同調する人が参加し始める

アンチコメントは、通常いきなりたくさんの人が投稿するわけではありません。

たいていの場合は、一人から数人のユーザーが誹謗中傷を行い、それに同調する人や単に攻撃をしたい人が似たコメントやシェアをすることによって始まります。

ここで参加する人は、ある程度自分も否定的なイメージを持っていることが多く、最初のコメントとは内容が異なるとしてもネガティブな発言をします。

こうして、少しずつ連鎖的にアンチコメントが増えていくのです。

一定規模まで広がると群集心理で一気に拡大する

SNSの一つの傾向とも言えることですが、否定的なコメントが一定数まで増えると、今度は一気にその規模が拡大し炎上状態にまで至ります。

これは、「これだけたくさんの人が言っているのだから、その内容は正しい。」という群集心理に近いものがあり、コメントの内容もしっかりと調べずに同調するようになるのです。

ここまで来ると拡大を止めるのは、かなり難しい状況となります。

そのため、どこから群集心理が強く働くかを知り、そこに至る前の段階で適切な対応を採ることが重要なのです。

匿名のSNSでは野次馬心理でとりあえず乗っかる人が多い

群集心理においては、周りが言っているから正しいと思い、いわば正義感で周りの人も影響されてアンチコメントを発するようになります。

それとは別に、いわゆる「野次馬心理」というものもあります。

これは、特に否定的なコメントが正しいかどうかは関係なく、とりあえず「みんながこの企業を叩いているから、自分も。」という感じで周りに乗っかるものです。

そもそも何が原因で誹謗中傷が起こっているかも知らないことさえあり、とにかくみんなと同じようにアンチコメントを投稿するだけ、というのが特徴です。

SNSはほとんどの人が匿名でアカウントを作っていますので、特にこの傾向が強くなり、遊び半分やストレス発散の感覚で誹謗中傷に乗っかってしまいます。

【エゴサーチで誹謗中傷を食い止める!】

今まで見てきたように、誹謗中傷はある程度の規模にまで発展した時に、急速に拡大し炎上してしまうことが多く見られます。

そこで重要なのが、急拡大するタイミングに入る前に、その動きを察知して食い止めるという対策です。

この動きを察知するのに役立つのが、「エゴサーチ」なのです。

エゴサーチで否定意見の理由と発生源を把握する

エゴサーチでは、企業に対して具体的にどんな批判の内容があるのかをチェックできます。

そのため、ネガティブコメントが発生しているのであれば、まずその原因がどこにあるかを突き止める助けとなります。

実際に商品や広告などにミスがあったのであれば、早急にその内容を解明して改善することができます。

一方で、単なる誤解に基づくものであれば、真実を公表することで誤解を解くことができます。

また、荒らしなど完全なる虚偽に基づく誹謗中傷であれば、直接投稿者にコンタクトを取って対応をするなど、具体的な措置を早い段階で取れるのもメリットですよ。

さらに、誹謗中傷が発生して間もない時期であれば、エゴサーチをしっかり行い投稿をたどっていくことで、発生源を突き止めることもできます。

そうすることで、万が一弁護士を交えた法的な措置を取らざるをえないという事態になっても、素早く適切な対応を取れるのです。

急拡大するタイミングを逃さず対応できる

匿名性の強いSNSでは、誹謗中傷が一定の規模になると一気に爆発するリスクがあります。

この炎上するタイミングを察知し、そこに至らない段階で介入することによって、被害を最小限に抑えることができるのです。

そこで役立つのがエゴサーチです。

どんなコメントがあるかだけでなく、特定のSNSでどのくらいのコメント数になっていて、否定的な意見の割合がどのくらいかをサーチすることによって、リスク度を判定できるというわけです。

実際には、企業のSNSには誹謗中傷コメントは常にあるものですので、全てのコメントに対応するのは難しいものがありますよね。

そこで、細かなエゴサーチをすることで、特定の内容について炎上する危険性が分かった時、そこに集中的に力を入れスピーディーに対応することができるようになります。

効率的なSNSコントロールができるというのが大きなメリットとなるのです。

【誹謗中傷への対応策】

エゴサーチによって誹謗中傷の程度や内容が分かったら、それに応じた対策を講じることになります。

この対策は、それぞれのケースによって違うので適宜検討する必要があります。

明らかに荒らしや攻撃的なユーザーからのものであれば、投稿者に対して警告を与えたり、最終的に弁護士に相談した上で法的な対処を取ったりすることも検討できます。

商品についての誤解であれば、公式発表を出して真実を訴えることも重要です。

もちろん、実際に商品やサービスにエラーが生じていたのであれば、早急に改善すると共に、謝罪コメントを出すなどの真摯な対応をすべきです。

重要なのは、エゴサーチをすることによって、誹謗中傷の原因を把握すると共に、適切な対応のタイミングとその策を検討することができるということです。

誹謗中傷の内容と規模によって対応策は異なりますので、日々エゴサーチをし、アンチの広がりを食い止め収束を図るようにしましょう。

エゴサーチを効率よく行うサービス

このように、エゴサーチを日常的に行うことは、企業を守るために必要と言えます。

しかし、自社サイトやSNSを運営しながら、エゴサーチを綿密に行いアンチ対策をするというのは簡単ではありませんよね。

そのため、より効率よくエゴサーチができるサービスを利用するのは理に適った方法だと言えるでしょう。

WITH TEMリサーチで投稿チェック

エゴサーチサービスの一つに、「WITH TEAMリサーチ」というものがあります。

これは、企業名やサービス名などを基にして、インターネット上に流れる評判や口コミを収集し、情報解析を行うサービスです。

具体的にどんなワードや意見が多いのか、否定的な意見の割合の変化があるのかなどをチェックできます。

1か月あたり2,000円から利用できるので、気軽にSNS対策ができるのが特徴でもあります。

WITH TEAMリサーチの利用例

WITH TEAMリサーチは、Twitterや5ちゃんねるなど、たくさんの口コミサイトを網羅して情報収集できるのが強みとなっています。

そのため、自社が投稿しているSNSでのコメント状況だけでなく、広い範囲でどのような口コミ傾向が見られるかを知るのに使えます。

それにより、ネガティブなイメージが強くなっていないか、始めたキャンペーンや広告、新商品販売についての印象がどうかを客観的に確認できます。

さらに、定期的な情報収集に加えて、過去5年間までさかのぼってリサーチすることも可能です。

同じ商品やブランドについてのイメージの変移を確認するのにとても有効なサービスとなっていますよ。

何らかのイメージ変化が生じているのであれば、どの時点からそれが見られるか、どんな出来事もしくはどんなコメントが影響しているかを分析するのにも役立ちます。

WITH TEAMリサーチでは、アンチコメント対策についての総合サービスを行っているのも特徴です。

コメントの感情分析をして、全体的にネガティブ割合がどれだけ高くなっているのかを確認し、適切な対応を取るタイミングを見極める助けとなります。

悪質な誹謗中傷については、弁護士への相談や法的対処を取ることも考慮に入れ、この分野に強い弁護士を紹介することもしています。

削除依頼をしたいなどの相談をすることができ、レピュテーションリスクの面で経験を持つ弁護士のバックアップを得られるのは大きな安心感を与えますね。

定常的なエゴサーチと早めの対応でアンチ対策を

SNSにおける誹謗中傷は徐々に増殖し、一定の規模まで来ると一気に爆発的な拡大を見せることがあります。

しかし、定常的にエゴサーチをすることで、ユーザーの企業への印象や否定的な意見がどれだけ増えているのかを、しっかりと捉えることができますよ。

こうした情報収集によって、広がりつつあるアンチコメントを、それ以上拡大させないための対応策をベストなタイミングで取れるようになります。

企業を守るためにも、効率的なエゴサーチの手法を用い、アンチコメントへの対策を常日頃から行っていきましょう。

WITH TEAMリサーチへのご案内はこちら

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