どのようなサービスや製品を提供しているかに関わりなく、すべての企業にとって消費者の反応や社会における会社の評判は重要な関心事ですよね。
特に、ブランディングやマーケティングを直接担当している人にとって、消費者が自社に関してどのような意見や考えを持っているかを把握することは必要不可欠と言えるでしょう。
とはいえ、街頭などで大規模な調査を実施するというのは時間も経費も掛かりすぎます。
また、カスタマーサポートに寄せられる意見はクレームが大半なので、そこから一般的な評価を抽出するのは難しいですよね。
そこで注目されているのが「エゴサーチ」の活用です。
「エゴサーチ」とは、個人あるいは企業が自分の、もしくは自社の名前やブランドをキーワードとしてインターネット上で検索を行い、評価や評判などを確認することです。
「エゴサ」という略称でも広く知られていますね。
企業が実施するエゴサーチに関しては、「ソーシャルリスニングツール」という名称で呼ばれることもあり、最近では社名だけでなく、自社で取り扱いをしている特定の商品やサービスなどを検索キーワードとして、消費者による評価をチェックすることもエゴサーチに含まれると考えられています。
エゴサーチはやり方が非常にシンプルなので、さまざまな業種・職種の企業が有用なマーケティングのツールとして導入していますよね。
尚、「パブリックサーチ」というものもあります。これはエゴサーチと対照をなす表現で、「パブサ」という略称でも認知されるようになっていますよね。
パブリックサーチとは、関心を持つ人物やモノ、出来事などに関して検索ツールを利用して調査することを意味しています。
簡単に言えば、自分が有名人の名前を検索して情報を得ることもパブサです。「他人もしくは他社の検索をすること」と定義できるでしょう。
目次
エゴサーチが企業に及ぼす影響
エゴサーチをする具体的な方法
Twitterでエゴサーチ
Twitterでエゴサーチをしたいのであれば、画面の上部にある検索ウィンドウに自社名もしくは商品名などを入力しましょう。
検索結果が自動的に表示されるはずです。
ただし、あまりにも検索結果が多く、絞り込みをしたいという時には、「AND」や「OR」で複数のキーワードを繋いで検索するとよいでしょう。
5ちゃんねるでエゴサーチ
口コミサイトや巨大掲示板である5ちゃんねるを利用する際も、サイト内上部に用意されている検索ウィンドウを活用してエゴサーチを行うことができます。
インターネット全般でエゴサーチ
インターネット全般を検索したいというケースでは、最強の検索エンジンGoogleを活用するのが最善ですね。
Googleの場合も、単一キーワードだけでなく、「AND」と「OR」を利用した複数のキーワードによるサーチが可能ですから、自社で販売している特定の商品やブランドイメージなど、ピンポイントでチェックしたい内容がある場合には大いに活用しましょう。
エゴサーチをすることによる4つのメリット
【 メリット1 】 ユーザーの正直な意見が分かる
エゴサーチをする1つ目のメリットは「ユーザーの正直な意見が分かる」という点でしょう。
先述の通り、エゴサーチの主な対象となるのは、TwitterやInstagramなどのSNS、口コミサイトなどです。
特定の商品や会社のサービスに関し、これらのコミュニケーションツールを介して“つぶやく”、つまり意見を発信することはとても一般的になってきており、ある程度の匿名性を確保することも可能であることから「投稿することに抵抗を感じる」というユーザーはほとんどいません。
むしろ、周囲の意見に流されることなく本音を発信できる便利なツールとして高く評価されています。
ですから、企業がエゴサーチでSNSをチェックすると、自社に対して消費者が持つ素直な意見を知ることができるのです。
この調査結果は、ブランディングを進めていくうえで大変有用な情報となることでしょう。
【 メリット2 】経費を抑えることが可能
2つ目のメリットは「経費を抑えることが可能」という点でしょう。
街頭アンケートを実施しようとすると、そのためのスタッフを雇用することから人件費が発生します。
また、アンケート用のグッズを準備したり事前の研修を実施したりするためにも時間が必要となるでしょう。
電話による聞き取り調査を実施する場合でも同様のことが言えます。
一方、エゴサーチの実施には、ネットへ接続できる環境があれば基本的には十分であり、特別な調査用の設備を用意したり、スタッフを雇用したりする必要はほぼありません。
ですから、エゴサーチは非常にコストパフォーマンスが高い調査方法であるということが言えるわけですね。
中には、弊社のようにエゴサーチを専門に行う会社へ調査を依頼するという企業もあることでしょう。
とはいえ、外注をした場合であっても、他の調査方法と比較すれば非常にリーズナブルに抑えられるということを覚えておきましょう。
【 メリット3 】 企業としての知名度が分かる
3つ目のメリットは「企業としての知名度が分かる」という点です。
エゴサーチをすると、どれほどの消費者が自社に関してコメントをしているか、具体的な数値データとしてわかるようになります。
「サーチの結果、つぶやきや口コミがまったく見つからなかった」という場合は、企業としての認知度が消費者の間で極めて低いということを意味しているわけです。
また、つぶやきの内容を分析することで、自社が提供している商品やサービスの中でより注目を浴びている、あるいは認知されているのがどれなのかという点も容易に把握することができますよね。
【 メリット4 】 新たなアイデアを発見する可能性
4つ目のメリットは「新たなアイデアを発見する可能性がある」という点です。
消費者の率直な意見を分析することで、自社のどこを改善したらよいのか、商品のどんな点がマイナスと見られているのかを知ることができます。
言い替えれば、そのマイナス要因を解消することができれば、企業としての評価はさらに高まり、業績アップにつながるということですよね。
また、つぶやきの中には「こんな商品を作ってくれたら買うのに」といった意見も少なくありません。
そうした意見を1つ1つチェックしていくことで、新たな商品やサービスのアイデアを見つけることもできるでしょう。
ですから、「ネガティブな意見は役に立たないから見たくない」という断定的な態度を取るのではなく、「企業のブランディングやマーケティングを改善するための提案集なのだ」という柔軟な姿勢を持ってエゴサーチの結果を受け止めることはとても重要ですね。
エゴサーチをすることに伴う4つのデメリット
企業としてエゴサーチをすることにはいくつかのデメリットもあります。
【デメリット1】誹謗中傷が少なくない
1つ目として取り上げるのは「誹謗中傷が少なくない」という点です。
ネット上のコメントは常に様々なものが飛び交っており、ポジティブなものもあれば、ネガティブなものもあります。
中には誹謗中傷と呼べるほど辛辣な表現が用いられていることもあるのが実情です。
マーケティングの担当者はそうした攻撃的な意見を目にすることで、ひどく落胆してしまうということが起こり得るでしょう。
実際、何年もかけて全社体制で取り組んだ末に開発したサービスや商品が、何も知らない消費者に酷い表現でこき下ろされているのを見るというのは気持ちの良いものではありませんよね。
【デメリット2】知名度の低さが露呈
2つ目ですが、「知名度の低さが露呈するリスクがある」という点も、エゴサーチをするデメリットと言えるでしょう。
SNSや口コミサイト、掲示板などをくまなくサーチしたものの、残念ながらほとんど自社に関するキーワードがヒットしないということが起こり得ます。
そうなると、マーケティング担当者としては「これまでやってきた努力は無駄だったのか」と感じてしまい、当然ながらガッカリしてしまいますよね。
また、企業としてのマーケティングやブランディングに関して、一から戦略の練り直しを求められることになるでしょう。
【デメリット3】エゴサーチに対して批判を受けるリスク
3つ目のデメリットは「エゴサーチに対して批判を受けるリスクがある」というものです。
企業の中には、エゴサーチの結果をまとめて消費者に発表し、それぞれの意見に対する改善策を提示するという手法を採用しているケースがあります。
そうすることで、企業として透明性を強調できるだけでなく、「消費者ファースト」のスタイルを打ち出していくことも可能となるわけですから、ある程度のマーケティング効果が期待できますよね。
一方で、企業がエゴサーチを行うことに関して、「自由な発言をする消費者に対してプレッシャーをかけている」という観点から好意的に見ない、あるいは批判をする消費者がいるのも事実です。
ですから、「エゴサーチをしています」と明らかにすることが果たして企業のブランディング戦略にプラスとなるかを事前によく検討することは大切ですね。
【デメリット4】エゴサーチだけで満足してしまう
4つ目に取り上げるデメリットは「エゴサーチだけで満足してしまう」という点です。
既に見た通り、エゴサーチは企業が進めるマーケティング戦略の進捗状況を確認する上で大変有用なものです。
とはいえ、より重要なのは「エゴサーチをした後で何をするか」という点なのです。
エゴサーチを利用した経営者やマーケティング担当者の中には、エゴサーチの結果を見ることで満足してしまい、何のアクションも取らないというケースが少なからず見られます。
これではエゴサーチをした意味がほぼありませんよね。
ですから、エゴサーチもしくはソーシャルリスニングによるベネフィットを最大にするためには、調査結果を徹底的に分析して情報や教訓を引き出す必要があるということをいつも念頭に置いておきましょう。
良い評価・悪い評価に関する注意点
良い評価は増やせるのか?
TwitterやInstagramなどのSNSを介して発信される口コミは、圧倒的な影響力を持っています。
マーケティング担当者としては、そうした口コミで自社に関してポジティブなメッセージを送ってほしいと願うのは当然のことですよね。
とはいえ、サクラを使って無理やり高評価を増やすのは言語道断です。
後になってサクラを使ったことが明らかになれば、企業イメージを著しく棄損してしまうでしょう。
そこでおすすめしたいのは「評価を高めたいSNSで公式アカウントを持つこと」です。
TwitterやLINEなどで公式アカウントを持ち、そこで定期的に情報を発信することで知名度は徐々に高まっていくことでしょう。
ただし、つぶやく内容をいつもウィットに富んだものとして、誤字脱字がないように注意します。
あまりに機械的な内容だったり、誤字だらけだったりすると、「ダメな会社」として悪い注目を浴びてしまいますよね。
良い評価を増やすために覚えておきたいもう1つの方法は「消費者の意見に対して素早いリアクションを行う」というものです。
これは、SNSで自社に関する意見やつぶやきがアップされたときに、すぐ意見やフォローを行うというもので、アクティブ・リアクションと呼ばれることもあります。
この手法により、意見をアップしたユーザーへアピールできるだけでなく、そのやり取りを観察するフォロワーにも対応の良さを見てもらうことができるわけです。
Yahoo!などのネットニュースで取り上げてもらえたり、「神対応!」という評価を得ることができたりすれば、マーケティングおよびブランディング戦略としては最高ですね。
ただし、先述の通り、この方法を採用することで会社としてエゴサーチをしていることが明らかになってしまうため、批判的な印象を持つ人もいるということを念頭に置いておきましょう。
3つ目の方法は「CMを利用すること」です。
テレビCMとは異なり、YouTubeなどの動画サイトや、TwitterやLINEなどのSNSでCMを運用するためのコストはそれほど高くありません。
また、事前に詳細なターゲティングをしておくことで、会社として試聴してほしい年代や地域に住むユーザーだけに自社のCM表示を行うことも可能です。
加えて、SNSはテレビとは異なり、ザッピングでCMを見過ごされてしまうというリスクがほぼありません。
「CMで見たことがある会社」という印象を持ってもらうことは、知名度向上を目指すマーケティング戦略において非常に効果的ですよね。
一般的に、CMで見たことがある企業に対して多くの消費者はポジティブな印象を抱きます。
ですから、エゴサーチにおける良い評価をぜひとも増やしたいのであれば、メッセージ性のあるCMをぜひ配信してみましょう。
手間がかかる場合はツールを活用しよう
SNSの検索機能やGoogleを活用することで、エゴサーチは比較的簡単に行うことができます。
とはいえ、検索したい項目が多岐に渡る場合は、作業工数がかなり多くなってしまうことでしょう。
また、各検索機能もコツを掴むまではなかなか大変です。
「もっとスピーディーにエゴサーチができないものか」と悩んでいる人は、ぜひ便利なエゴサーチツールを使ってみましょう。
代表的なエゴサーチツールとしては「IFTTT」が挙げられます。
やり方は非常に簡単で、検索対象となるSNSを選び、検索キーワードを入力したら、あとは自動的にデータをサーチしてアウトプットしてくれる優れものです。
一方、Twitterに絞ったエゴサーチを考えている人は、Yahoo!JAPANのサイトにある「リアルタイム検索」が楽ですね。
また、弊社のようなリサーチ・レポートサービスをご利用いただくのも非常に便利です。
スピーディーに調査結果をレポート化して納品が可能です。何よりも効率重視でエゴサーチをしたいマーケティング担当者や経営者の方にぜひおすすめします。
WITH TEAMリサーチではキーワードをいただくだけで調査可能
WITH TEAMリサーチでは、お客様からキーワードをご指示いただき、そちらの内容で調査を行います。
尚、弊社が提供するエゴサーチ代行サービスでは、Twitterやインスタの他にも5ちゃんねる、爆サイ、アメブロ、OKWAVE、Yahoo!知恵袋なども情報収集の対象サイトとして分析を実施しています。
また、ご依頼いただいたクライアント様のエゴサーチを実施した結果として、ひどい誹謗中傷が見つかった場合には、早急に報告すると同時に弁護士のご紹介も無料で行っております。
「自社やサービスについての情報収集をお任せしたい」という方は、一度ご相談くださいませ。
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